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公開番号2024032327
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135924
出願日2022-08-29
発明の名称DNA増幅システム
出願人個人
代理人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240305BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】DNAを大量迅速に増幅できるシステムを提案する。
【解決手段】PCR法に基づいたDNA増幅反応をスケールアップし、mRNAワクチンやDNAワクチン等のバイオ医薬品生産システムなどで用いるDNA遺伝子を大量かつ速やかに取得するための、多数の管型反応器とそれらを包含するケーシングを備えたDNA増幅反応装置およびそれに所定の温度の熱媒を供給するシステムを備えたDNA増幅システムを提案する。さらにこのDNA増幅システムにおいては、必要に応じ管型反応器内部の反応液温度が正確に制御できるよう、反応液に往復振動や循環流を与えるためのポンプや配管が付設されており、DNA増幅反応に関わる酵素、プライマー、反応基質などを追加するための反応液調整槽も備えている。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
PCR法に基づいたDNA増幅システムにおいて、熱伝達を促進するため管型の形状を持つ管型反応器と、熱媒体が充てんされる前記管型反応器の外部空間を包含するケーシングを有するDNA増幅反応装置と、前記管型反応器内の反応液に往復振動を与える機構と、管型反応器外部に熱媒体を供給する機構とを備えるDNA増幅システム。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
直径1mm~10cmを有する管型反応器を備える請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項3】
管型反応器外部に所定の温度を持つ熱媒体を供給するための機構として、温度別の熱媒体貯蔵タンク群と、前記管型反応器に熱媒体を供給するための配管、バルブ及びポンプを備える請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項4】
ケーシング内で管型反応器の外部空間に充てんされる熱媒体として、液体ないしは気体を有する請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項5】
管型反応器の内面が、DNAに相溶性で相互作用の少ない材質のプラスチックでコーディングされている請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項6】
反応液に往復振動や循環流を与えるための、反応液往復振動発生装置または反応液循環用ポンプを備えた請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項7】
反応液往復振動発生装置からの往復振動を、管型反応器内にある反応液に伝達するための、撥水性で反応液より高比重の液体を、前記管型反応器内の反応液下端から配置する請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項8】
管型反応器内の反応液を循環できるよう、反応液循環用ポンプの入口に枝分かれしてつながっている管型反応器と出口で枝分かれしてつながっている管型反応器が末端で連結されていることにより、反応液が循環できる請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項9】
管型反応管内の熱伝導を促進させるため、スタティックミキサーで反応液の乱流状態を促進する機構を管型反応器内に備えた請求項1に記載のDNA増幅システム。
【請求項10】
DNA増幅反応に関わる酵素、またはプライマー、または反応基質を追加するための原料追加調整システムを備えた請求項1に記載のDNA増幅システム
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、DNA増幅システムに関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
mRNAワクチン等を生産するためには鋳型となるDNAを大量に取得する必要がある。DNA を効率よく増幅する方法としてはPCR法がよく知られている(非特許文献1) 。しかし従来のPCR法を実施する反応容器は小さく、反応液量は数10μL程度である。反応液量を少なくする理由は、温度変化に要する熱量を少なくし、迅速かつ正確に温度制御を行わせるためである。反応液の入った容器は熱伝導度の高いアルミブロックで覆われており、繰り返し行われる温度変化にも迅速に対応できるような構造になっている。もし、そのままの形でスケールアップすると伝熱速度が伝熱面積に比例することに対して、必要熱量は液量即ち体積に比例することから伝熱が関わる温度調節が困難となってくる。従ってPCR法に基づいて大量にDNAを取得するためには、伝熱がスムーズに行えるように装置を改変し、繰り返される温度変化を迅速・正確に行え、容易にスケールアップできる反応システムの構築が必要である。
【0003】
非特許文献2等によると、現在mRNAワクチン生産において鋳型となるDNAを大量に取得する方法は、プラスミドベクターを用いて、大腸菌など微生物の培養により行われているが、プラスミドベクターの選定や菌体内で得られた鋳型DNAを分離精製するためには、専門的技術と経験が必要でコストもかかる。従ってmRNAワクチンを製造しているファイザー社などでは鋳型DNA取得は外注に依存している(非特許文献2)。それに対し、PCR法をスケールアップして使用できれば、反応で生じる不純物は前述の微生物培養に比べ少なく、分離精製コストが軽減できるうえ、微生物を取り扱うための技術的困難も軽減できる。
【0004】
管型反応器をDNA増幅にもちいた例としては特許文献1,非特許文献3がある。しかしこれらの場合はマイクロリアクターで容量が非常に小さい。また反応液は管内を移動し、温度の異なるゾーンを通過することによってDNA熱変成、プライマーのアニーリング、DNAポリメラーゼによるDNAの伸張反応がそれぞれに適した温度で進行していく。また反応液は疎水性溶液からなるキャリアー媒体を介して細かく区切られており、チューブ軸方向の混合が起こらないように工夫されている。原料鋳型DNA、 プライマー、反応基質であるdNTP等は連続的に供給され、反応後反応液は連続的に排出される連続反応システムである。この場合、マイクロリアクターレベルの規模で分析などには向いているが大量生産には向かない。また軸方向のしきいに用いているキャリアー媒体の存在もスケールアップを不可能にしている。さらに特許文献1では各段階の反応時間の割合は装置の形状で定められるので、各段階の反応時間を自在に制御することは不可能である。
【0005】
さらに特許文献2では毛管反応室においてPCR反応を行わせている。この場合もただ反応液を反応室に入れたり、別の場所へ移動したりするためのポンプ等が記述されているのみである。従って特許文献2では、PCRの体積として約10μlないし1.5mlの範囲に制限されていることが想定されており、これらの体積を増大することは困難であると記述されている。
【0006】
DNA増幅反応装置として固定された核酸合成酵素を用いる方法として特許文献3がある。この場合連続反応システムで、数十回繰り返す反応ごとに固定化された核酸合成酵素にDNAや反応基質が接触する必要があり、装置をスケールアップすることは物質移動の面から容易ではないと推定される。
【0007】
管型反応器タイプのバイオリアクターとしては非特許文献4、5等で紹介されており、最近では特許文献1に記載されている。これらのタイプのバイオリアクターはいずれも連続反応操作で用いられるが、急激な温度変化を与えることは想定されていない。たとえ管外の温度変化がスムーズに行えたとしても、前述の非特許文献3にあるようなキャリアー媒体を用いていないので、半径方向に滞留時間分布が生じ、温度の異なるゾーンを反応液が通過した場合、温度変化が半径方向で異なり、反応進行度合いに不均一性が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-74018号公報
特開2005-296017号公報
国際公開番号 WO2005/005594号公報
【非特許文献】
【0009】
佐々木博己、青柳一彦、川村和義 PCR実験プロトコール、羊土社、2011, p10-32, 2011年1月1日
L. Lrene, H. Sarabeth, S. Alison, ‘Manufacturing Strategy for the Production of 200 Million Sterile Doses of an MRNA Vaccine for COVID-19’ (2021), Senior Design Reports(CBE).132,2020年4月20日
R. Hartung, A. Brosing, G. Sczcepenkie-wicz, et al., Biomed. Microdevices 2009, Vol. 11, p685-692, published on line: 24 January 2009, Springer Science + Business Media
山根恒夫、中野秀雄、加藤雅士、岩崎雄吾、河原崎泰昌、志水元亨著、新版生物反応工学、産業図書、2016, p132~133, 2016年9月1日
小林猛、田谷正仁編、生物化学工学バイオプロセスの基礎と応用 第2版、東京化学同人、2019, p42, 2019年12月3日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
mRNA ワクチンや遺伝子に関係する医薬の開発が盛んとなり、急速に実用化されつつある。特にDNAを大量に増幅する技術はmRNAワクチンの鋳型DNA生産等で重要な役割を担っている。かかる状況を鑑みて、DNAを大量迅速に取得するDNA増幅システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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