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公開番号2024045883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022150951
出願日2022-09-22
発明の名称黒ずみ形成方法
出願人小林製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/14 20060101AFI20240327BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の目的は、基材上に黒ずみを効率的に形成できる黒ずみ形成方法を提供することである。
【解決手段】以下の工程を含む、黒ずみの形成方法:基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びにタンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程を含む、黒ずみの形成方法:
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記第1工程後且つ前記第2工程前に、前記第1工程で得られた基材のバイオフィルム形成細菌が付着している領域に液体培地を接触させる工程を含む、請求項1に記載の黒ずみの形成方法。
【請求項3】
前記第2工程において、一定時間毎に前記基材を浸漬させている黒色真菌懸濁液を新鮮なものに交換する、請求項1又は2に記載の黒ずみの形成方法。
【請求項4】
前記基材を浸漬させている黒色真菌懸濁液を新鮮なものに交換する前に、前記基材に液体培地を接触させる、請求項3に記載の黒ずみの形成方法。
【請求項5】
被験試料の抗黒ずみ効果を評価する方法であって、
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程を含み、
前記第1工程中、前記第1工程後且つ第2工程前、前記第2工程中、及び前記第2工程後よりなる群から選択される少なくとも1つの段階において、被験試料を添加し、被験試料を添加した条件と被験試料を添加していない条件で黒ずみの状態を対比する、評価方法。
【請求項6】
抗黒ずみ効果を有する物質のスクリーニング方法であって、
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程を含み、
前記第1工程中、前記第1工程後且つ第2工程前、前記第2工程中、及び前記第2工程後よりなる群から選択される少なくとも1つの段階において、候補試料を添加し、候補試料を添加した条件と候補試料を添加していない条件で黒ずみの状態を対比する、評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に黒ずみを効率的に形成できる黒ずみ形成方法に関する。また、本発明は、当該黒ずみ形成方法を利用した、抗黒ずみ効果の評価方法、及び抗黒ずみ効果を有する物質のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
黒ずみは、トイレ、浴室、台所、洗面所等の水廻りで発生し易く、特に、トイレ便器内の水面付近ではリング状の黒ずみが発生し易いことが知られている。黒ずみの発生機序については解明が進んでおり、先ず、細菌が付着して増殖することによりバイオフィルムを形成して黒色真菌が付着し易い環境を作り、その後、バイオフィルムに黒色真菌が付着して増殖することにより発生すると考えられている。
【0003】
生活空間で発生する黒ずみは、視覚的な不快感を与えるだけでなく、異臭を発散したり、感染症の感染源にもなったりすることもある。そこで、従来、黒ずみ対策用の洗浄剤として、抗菌成分を配合した洗浄組成物が開発されている。
【0004】
一方、黒ずみ対策用の洗浄剤を開発する上で、黒ずみの形成遅延効果を評価することは不可欠であるが、前述の通り、黒ずみは、バイオフィルムと黒色真菌の複雑な集合体であるため、洗浄剤の抗菌活性を測定するだけでは、黒ずみの形成遅延効果を正しく評価できない。そのため、従来、洗浄剤の黒ずみの形成遅延効果を評価するには、実際の家庭において洗浄剤を使用し、黒ずみの発生を観察するフィールドテストが必要であった。しかしながら、フィールドテストでは、長い期間を要し、N数を確保するためにコストも高くなるという問題点がある。
【0005】
そこで、近年、基材上にバイオフィルムを形成した後に、当該バイオフィルムに黒色真菌を付着させて増殖することにより、人工的に黒ずみを形成させる手法が開発され、黒ずみ形成に及ぼす影響を評価できるラボ試験系が構築されている(非特許文献1参照)。しかしながら、従来の黒ずみの形成手法では、バイオフィルム中の細菌の種類によっては黒色真菌の増殖が進行しない、形成される黒ずみが小さい、黒ずみの形成に長期間要する、等の欠点があり、効率的に黒ずみを形成することはできない。
【0006】
このような従来技術を背景として、基材上に黒ずみを効率的に形成できる手法を確立し、抗黒ずみ効果を評価できるラボ試験系を構築することが切望されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
村松道敬ら、「実験室内黒ずみ形成モデルの構築」、環境バイオテクノロジー学会2018年度大会講演要旨、環境バイオテクノロジー学会発行、2018年6月25日、41頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、基材上に黒ずみを効率的に形成できる黒ずみ形成方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、当該黒ずみ形成方法を利用した、抗黒ずみ効果の評価方法、及び抗黒ずみ効果を有する物質のスクリーニング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させた後に、タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、基材上に黒ずみを効率的に形成できることを見出した。また、本発明者は、前記黒ずみ形成方法を利用することにより、抗黒ずみ効果の評価、及び抗黒ずみ効果を有する物質のスクリーニングが可能になることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
【0010】
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 以下の工程を含む、黒ずみの形成方法:
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程。
項2. 前記第1工程後且つ前記第2工程前に、前記第1工程で得られた基材のバイオフィルム形成細菌が付着している領域に液体培地を接触させる工程を含む、項1に記載の黒ずみの形成方法。
項3. 前記第2工程において、一定時間毎に前記基材を浸漬させている黒色真菌懸濁液を新鮮なものに交換する、項1又は2に記載の黒ずみの形成方法。
項4. 前記基材を浸漬させている黒色真菌懸濁液を新鮮なものに交換する前に、前記基材に液体培地を接触させる、項3に記載の黒ずみの形成方法。
項5. 被験試料の抗黒ずみ効果を評価する方法であって、
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程を含み、
前記第1工程中、前記第1工程後且つ第2工程前、前記第2工程中、及び前記第2工程後よりなる群から選択される少なくとも1つの段階において、被験試料を添加し、被験試料を添加した条件と被験試料を添加していない条件で黒ずみの状態を対比する、評価方法。
項6. 抗黒ずみ効果を有する物質のスクリーニング方法であって、
基材の少なくとも一部にバイオフィルム形成細菌を付着させる第1工程、並びに
タンパク質、ペプトン、アミノ酸、糖類、脂肪酸及び脂肪酸の塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含む黒色真菌懸濁液に、バイオフィルム形成細菌が付着した基材の一部を浸漬させて培養することにより、黒ずみを形成させる第2工程を含み、
前記第1工程中、前記第1工程後且つ第2工程前、前記第2工程中、及び前記第2工程後よりなる群から選択される少なくとも1つの段階において、候補試料を添加し、候補試料を添加した条件と候補試料を添加していない条件で黒ずみの状態を対比する、評価方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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