TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024020102
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-14
出願番号2022123016
出願日2022-08-01
発明の名称液体吸引装置
出願人澁谷工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C12M 1/26 20060101AFI20240206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 遠心分離容器の上清のみを可及的に吸引して除去する。
【解決手段】 上部に口部2dが形成されて内部に管状の本体収容部2aと当該本体収容部2aの下方に円錐状の底収容部2bとが形成された遠心分離容器2を、上記底収容部2bを下方に向けて保持する容器保持手段3と、上記遠心分離容器2に挿入される筒状の吸引ノズルNと、上記吸引ノズルNが接続されて遠心分離容器2内の液体を吸引する吸引手段8とを備えた液体吸引装置1に関する。
上記容器保持手段3を傾斜させる容器傾斜手段4と、上記吸引ノズルNを上記遠心分離容器2の内部に挿入させるノズル挿入手段6とを備え、上記容器傾斜手段4は、遠心分離容器2の内周面における本体収容部2aと底収容部2bとの境界部分2cが最下端位置となるように上記容器保持手段3を傾斜させて、上記吸引ノズルNの先端を上記最下端位置の境界部分2cに位置させた状態で上記吸引手段により上清Lを吸引する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
上部に口部が形成されて内部に管状の本体収容部と当該本体収容部の下方に円錐状の底収容部とが形成された遠心分離容器を、上記底収容部を下方に向けて保持する容器保持手段と、上記遠心分離容器に挿入される筒状の吸引ノズルと、上記吸引ノズルが接続されて遠心分離容器内の液体を吸引する吸引手段とを備えた液体吸引装置であって、
上記容器保持手段を傾斜させる容器傾斜手段と、上記吸引ノズルを上記遠心分離容器の内部に挿入させるノズル挿入手段とを備え、
上記容器傾斜手段は、遠心分離容器の内周面における本体収容部と底収容部との境界部分が最下端位置となるように上記容器保持手段を傾斜させて、上記吸引ノズルの先端を上記最下端位置の境界部分に位置させた状態で上記吸引手段により液体を吸引することを特徴とする液体吸引装置。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
上記吸引ノズルを傾斜させるノズル傾斜手段を備え、
上記容器傾斜手段または上記ノズル傾斜手段によって遠心分離容器に対して相対的に吸引ノズルを傾斜させて、上記吸引ノズルの先端を上記最下端位置となる境界部分に位置させることを特徴とする請求項1に記載の液体吸引装置。
【請求項3】
上記吸引手段は、上記吸引ノズルの先端が上記最下端位置となる境界部分に位置する前に所定量の液体を吸引し、その後、上記吸引ノズルの先端が最下端位置の境界部分に位置した状態で残りの液体を吸引することを特徴とする請求項1に記載の液体吸引装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は液体吸引装置に関し、具体的には円錐状の底収容部が形成された遠心分離容器から液体を吸引する液体吸引装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、培養した細胞を回収する際には、遠心分離容器に収容した細胞を含んだ細胞懸濁液を遠心分離装置によって処理し、上記細胞懸濁液を細胞と上清とに分離するとともに、遠心分離容器から上記上清だけを除去することが行われている。
上記遠心分離装置で細胞を分離するために用いる遠心分離容器は、一般的に上部に口部が形成され、内部に管状の本体収容部と当該本体収容部の下方に円錐状の底収容部とを備えたものとなっている。
上記遠心分離容器を用いて細胞懸濁液を遠心分離すると、分離した細胞が上記底収容部の円錐状の先端部に押し込まれ、その上部に上清が貯留するようになる。
そして、上記遠心分離容器から上清を除去する作業は、ピペットやアスピレータを用いて人手により行っていたが、近年ではこれらの作業を自動化することが求められている。
そのような自動化装置として、遠心分離装置に保持された遠心分離容器に吸引ノズルを挿入して上清を吸引するようにした構成が知られている(特許文献1)。
ここで特許文献1の液体吸引装置では、上清を除去するための吸引ノズル11(図2参照)の先端部11aを、遠心分離容器の底収容部の細胞の上方に位置させて、当該先端部11aより上方に貯留する上清の吸引を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-4705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の装置では、遠心分離容器ごとに細胞の量は異なるため、誤って細胞を吸引することがないよう吸引ノズルの先端の位置は、余裕をみて細胞から上方に離隔させて設定されている。
そのため、吸引ノズルによって上清を吸引するものの、細胞の上面と吸引ノズルの先端との間に貯留する上清は除去することができないという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は遠心分離容器から可及的に上清だけを回収することが可能な液体吸引装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる液体吸引装置は、上部に口部が形成されて内部に管状の本体収容部と当該本体収容部の下方に円錐状の底収容部とが形成された遠心分離容器を、上記底収容部を下方に向けて保持する容器保持手段と、上記遠心分離容器に挿入される筒状の吸引ノズルと、上記吸引ノズルが接続されて遠心分離容器内の液体を吸引する吸引手段とを備えた液体吸引装置であって、
上記容器保持手段を傾斜させる容器傾斜手段と、上記吸引ノズルを上記遠心分離容器の内部に挿入させるノズル挿入手段とを備え、
上記容器傾斜手段は、遠心分離容器の内周面における本体収容部と底収容部との境界部分が最下端位置となるように上記容器保持手段を傾斜させて、上記吸引ノズルの先端を上記最下端位置の境界部分に位置させた状態で上記吸引手段により液体を吸引することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、容器傾斜手段によって容器保持手段に保持された遠心分離容器を傾斜させることで、遠心分離容器における最下端位置に本体収容部と底収容部との境界部分を位置させることができる。このとき遠心分離後の細胞は、円錐状の底収容部の先端部に押し込まれて嵌まり込んだ状態を維持するため、遠心分離容器を傾斜させると上清だけが上記最下端位置の境界部分に集まることとなる。
そして、吸引ノズルの先端を上記最下端位置の境界部分に位置させた状態で液体を吸引することで、細胞を吸引することなく上清のみを可及的に吸引して除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
第1実施形態における液体吸引装置の正面図
第1実施形態における液体吸引装置の側面図
液体吸引装置の動作を説明する図
遠心分離容器と吸引ノズルとの位置関係を示した図
第2実施形態における液体吸引装置の正面図
第2実施形態における液体吸引装置の動作図
第3実施形態における液体吸引装置の正面図
第3実施形態における液体吸引装置の動作図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施形態について説明すると、図1、図2は第1実施形態にかかる液体吸引装置1の正面図および側面図を示しており、遠心分離装置で使用するための遠心分離容器2から液体を吸引するものとなっている。
上記液体吸引装置1は、内部が無菌状態に維持された細胞培養システムを構成するアイソレータの内部に設けられており、このアイソレータの内部には、上記遠心分離装置や、後述する吸引ノズルを交換するためのノズル交換装置等が設けられている。また上記細胞培養システムは図示しないコンピュータなどからなる制御手段により制御され、細胞培養を行うための各工程が自動的に処理されるようになっている。
上記細胞培養システムの動作についての詳細な説明は省略するが、本実施形態の液体吸引装置1は、細胞培養の過程で行う培地交換や細胞の回収の際に用いられるものとなっている。
培地交換や細胞を回収する際には、培養容器から細胞や培養液を含んだ細胞懸濁液を回収して遠心分離容器2に収容し、当該遠心分離容器2に収容された細胞懸濁液を遠心分離装置において遠心分離する。
遠心分離により、細胞懸濁液は細胞Cと培養液等を含んだ上清Lとに分離され、このうち細胞Cは遠心力により遠心分離容器2の円錐状の底収容部2bの先端部に押し込まれて嵌まり込み、上清Lは液体の状態で細胞Cの上方に貯留するようになっている。
そして上記遠心分離容器2から細胞Cだけを回収するため、本実施形態の液体吸引装置1を用いて遠心分離容器2から上清Lのみを吸引して除去するようになっている。
【0009】
本実施形態で用いる上記遠心分離容器2は従来公知のものを使用することが可能であり、内部に管状の本体収容部2aと、当該本体収容部2aの下方に形成された円錐状の底収容部2bとを備えており、これら本体収容部2aと底収容部2bとの間の内周面には滑らかな円弧状断面を有した境界部分2cが設けられている。
また上記本体収容部2aの上部には当該本体収容部2aよりも小径で図示しないキャップが装着される口部2dが形成されている。なお、上記本体収容部2aについては、上記底収容部2bに向けて縮径するテーパ状であってもよい。
ここで、遠心分離装置によって遠心分離される細胞Cの量は毎回異なるため、上記遠心分離容器2における細胞Cの上面の位置(高さ)が変動するが、本実施形態においては当該細胞Cの上面の高さは上記底収容部2bを構成する円錐形状部分の範囲に位置し、最下端位置となる上記境界部分2cには上清Lのみが流れ込むようにして、吸引にあたって細胞Cの量の影響を受けないようになっている。
【0010】
上記液体吸引装置1は、上記遠心分離容器2を保持する容器保持手段3と、上記容器保持手段3を傾斜させる容器傾斜手段4と、上記遠心分離容器2に挿入される筒状の吸引ノズルNと、当該吸引ノズルNを保持するノズル保持手段5と、当該ノズル保持手段5を支持して上記吸引ノズルNを上記遠心分離容器2の内部に挿入させるノズル挿入手段6と、上記ノズル挿入手段6を傾斜させるノズル傾斜手段7と、上記吸引ノズルNに接続された吸引手段8とを備えている。
上記容器保持手段3は、上記アイソレータの床面に固定された第1支柱11に上記容器傾斜手段4を介して支持されており、容器傾斜手段4が備える背面プレート12に設けられて遠心分離容器2を側方から支持する支持部材13と、当該支持部材13から垂下して設けられるとともに略中央に上記遠心分離容器2の底部2bが勘合する貫通穴(図示せず)の形成された支持プレート14とから構成されており、遠心分離容器2を底収容部2bを下方に向けて保持するようになっている。
本実施形態では、上記容器保持手段3への遠心分離容器2の供給および取り出しを図示しないロボット等の移載手段によって行うことが可能となっており、干渉を回避するため図1に示すように容器保持手段3の上方には上記吸引ノズルNやノズル保持手段5が位置しないようになっている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

澁谷工業株式会社
物品移載装置
5日前
澁谷工業株式会社
開閉式グリッパ
5日前
澁谷工業株式会社
フィルム挿入装置
5日前
澁谷工業株式会社
キャッピング装置
26日前
澁谷工業株式会社
過酢酸水溶液の送液システム
1か月前
個人
DNA増幅システム
1か月前
三菱製紙株式会社
パルプの糖化方法
1か月前
東洋紡株式会社
逆転写反応用組成物
5日前
株式会社ブラスト
細胞培養装置
20日前
株式会社ブラスト
密閉チャンバー
20日前
学校法人近畿大学
高感度PCR法
1か月前
国立大学法人 東京大学
ゲノム編集技術
1か月前
学校法人立命館
紐状構造物の製造方法
4日前
相生ユニビオ株式会社
ウイスキーの製造方法
11日前
小林製薬株式会社
黒ずみ形成方法
25日前
株式会社パウレック
培養装置及び培養方法
1か月前
松谷化学工業株式会社
アルコール飲料及びその製造方法
1か月前
株式会社東海ヒット
完全閉鎖型灌流液送液系
11日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
23日前
国立大学法人東京海洋大学
熱処理リゾチーム組成物
10日前
株式会社デンソー
バイオセンサ装置
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
26日前
日本精工株式会社
分注装置
2か月前
株式会社ヤマザキエンジニアリング
製麹装置及び製麹方法
24日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
17日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
学校法人 中央大学
ナノ粒子検出方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
NTN株式会社
細胞組織の製造方法
20日前
横河電機株式会社
誘電泳動装置
18日前
国立大学法人神戸大学
機能的免疫賦活乳酸菌
2か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
花王株式会社
リパーゼの探索方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
17日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
17日前
続きを見る