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公開番号2024042736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147506
出願日2022-09-16
発明の名称アルコール飲料及びその製造方法
出願人松谷化学工業株式会社
代理人
主分類C12G 3/04 20190101AFI20240322BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 コクみ付与に利用される低DEの澱粉分解物は、アルコール溶液中では老化・白濁しやすく、他方、溶解性が良好な高DEの澱粉分解物は、アルコール飲料に不要な甘味を付与してしまう。本発明の目的は、アルコール含有飲料に低DEの澱粉分解物を利用したときに生じる白濁を改善する方法、その白濁が改善されたアルコール含有飲料、及びそのアルコール含有飲料の製造方法を提供することにある。
【解決手段】 0.5~30%のアルコール飲料中に、以下(A)~(D)を充足する澱粉分解物を、喫飲時濃度で0.1~3.0%、好ましくは0.2~1.0%含まれるようにすれば、コクみ付与と白濁低減が同時に達成される:(A)DEが1.2~1.7、(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
低温(0℃以上10℃以下)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~10%であり、下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
常温(10℃以上20℃以下)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~20%であり、下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
【請求項3】
常温以上(20℃以上)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~30%であり、下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
【請求項4】
下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%となるよう添加する、アルコール濃度0.5~30%のアルコール飲料の製造方法:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
【請求項5】
下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%となるよう添加する、アルコール濃度0.5~30%のアルコール飲料の味質改善方法:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、老化が抑制されたアルコール飲料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
澱粉分解物(デキストリン)は、飲食品に甘味、ボディ感、コクみを与える目的で使用される飲食品等原料素材のひとつである。最近では、低アルコール・低糖質・低果汁といった健康志向の飲料が販売されているが、アルコールや糖質は飲食品の味に厚みを与える役割を果たすことから、低アルコール・低糖質の飲料は、ボディ感やコクみが足りないものとなる。そこで、その不足するボディ感やコクみを、先述の澱粉分解物で補うこととなる。しかし、ボディ感やコクみを付与する目的で使用される澱粉分解物は、低分解度(低DE)であることから、溶液中で経時的に老化して白濁しやすいという問題がある。
【0003】
そこで、そのような澱粉分解物の老化を解消するため、まず、澱粉分解物の製造方法を検討し変更することが考えられる。例えば、特許文献1には、澱粉加水分解物に分岐酵素を反応させる方法と、そのようにして得られたDE2~9の分岐デキストリンが老化しにくく濃厚感を付与できることが開示され、特許文献2には、澱粉懸濁液をα-アミラーゼで二段分解して得たDE1.2~1.7の澱粉分解物が、老化耐性が高く濃厚感を付与できることが開示されている。
【0004】
しかし、先行文献に開示される低DEの澱粉分解物は、いまだアルコールを含む溶液中では老化・白濁しやすく、そうかといって、溶解性が良好な高分解度(高DE)の澱粉分解物を使用すると、アルコール飲料に不要な甘味が付与されることとなり、コクみと甘味のバランスが悪くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-80518号公報
特開2019-089932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アルコール含有飲料のコクみ付けのために低DEの澱粉分解物を使用すると老化しやすいところ、老化の問題が回避されたアルコール含有飲料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、アルコール飲料中に、ワキシータピオカを原料とする特定の澱粉分解物を喫飲時濃度で0.1~3.0%、好ましくは0.2~1.0%含まれるようにすれば、コクみ(濃厚感)が付与されながらも白濁しにくいものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の〔1〕~〔5〕から構成されるものである。
[1]低温(0℃以上10℃以下)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~10%であり、下記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料:
(A)DEが1.2~1.7、
(B)30℃における30質量%水溶液の粘度が250~700mPa・s、
(C)分子量5,000以上の糖組成物含有量が固形分当たり90質量%以上、
(D)ワキシータピオカ澱粉を原料とする。
[2]常温(10℃以上20℃以下)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~20%であり、前記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料。
[3]常温以上(20℃以上)で流通するアルコール飲料であって、アルコール濃度が0.5~30%であり、前記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%含む、アルコール飲料。
[4]前記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%となるよう添加する、アルコール濃度0.5~30%のアルコール飲料の製造方法。
[5]前記(A)~(D)を満たす澱粉分解物を0.1~3.0質量%となるよう添加する、アルコール濃度0.5~30%のアルコール飲料の味質改善方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アルコール飲料、特に、濃厚感が足りない低アルコール飲料や低糖質アルコール飲料の外観及び風味を損なうことなく、濃厚感を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明にいう「アルコール飲料」は、喫飲時のアルコール濃度が0%を超えて10%(v/v)以下である飲料をいう。本発明にいう「アルコール飲料」には、希釈して飲用するタイプの「濃縮アルコール飲料」を含むが、「濃縮アルコール飲料」そのもの(「希釈タイプアルコール飲料」ともいう。)の場合は、アルコール濃度は10~25%である。喫飲時のアルコール濃度が10%を超えると、アルコールの刺激感があまりにも強いため、本発明における澱粉分解物の添加効果を感じにくくなり、また、保存流通時にアルコール濃度が25%を超えると、澱粉分解物が急激に老化して白濁する傾向が認められるという理由から、上記数値範囲とすることが好ましい。アルコール飲料中の糖質含量は制限されないが、低糖質、例えば糖質含量が0.5%未満の場合に、味が薄くもの足りない飲料となるため、本発明の効果が顕著に発揮される。
(【0011】以降は省略されています)

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