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公開番号2024035173
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2023139190
出願日2023-08-29
発明の名称高感度PCR法
出願人学校法人近畿大学
代理人個人
主分類C12Q 1/686 20180101AFI20240306BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】従来遺伝子の一塩基変異を識別するには、TaqManプローブを用いて行われていたが、遺伝子-プローブ間の結合親和性(融解温度)の差を利用して識別するので、不要なものも増幅される。したがって、一塩基変異を識別する精度、検出感度がともに低いという課題があった。
【解決手段】プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼと、
3’-末端から2番目にポリメラーゼ活性を阻害する人工型核酸が配置され、前記3’-末端に天然型のDNAが配置された化学修飾プライマーを用いる高感度PCR法では、3’-末端が標的となる塩基と一致しない場合、3’-末端を除去し、人工型核酸を露出させ、ポリメラーゼ活性を停止させるので、きわめて精度の高い検出が可能になる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼと、
3’-末端から2番目にポリメラーゼ活性を阻害する人工型核酸が配置され、前記3’-末端に天然型のDNAが配置された化学修飾プライマーを用いる高感度PCR法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
さらに、サイバーグリーンを含むことを特徴とする請求項1に記載された高感度PCR法。
【請求項3】
前記人工型核酸は、糖の2’位を2’-OMe若しくは2’-OCH

CH

OMeで置換したRNA誘導体である請求項1または2の何れかに記載された高感度PCR法。
【請求項4】
前記人工型核酸を含むプライマーの各塩基間の骨格はリン酸ジエステル結合若しくはホスホロチオエート結合の何れかである請求項1または2の何れかに記載された高感度PCR法。
【請求項5】
前記化学修飾プライマーの前記3’-末端から3番目から5’-末端までは、ポリメラーゼ活性を阻害しないヌクレオチドである請求項1または2の何れかに記載された高感度PCR法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は一塩基の変異型を高精度で検出することができる高感度PCR法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
遺伝子の一塩基変異を識別する場合はTaqManプローブを用いる方法が良く使われている。
【0003】
特許文献1には、TaqManプローブに加えてポリメラーゼの5’-エクソヌクレアーゼ活性により分解されないWT(ワイルドタイプ)ブロッカー核酸断片を、変異点を含む領域に結合させたのち、プライマーを結合させPCRを行う。DNAに変異点があれば、WTブロッカー核酸断片は変異型DNAへの結合が弱く、PCRは行われるが、変異点のない野生型DNAには強く結合して野生型のPCRを妨害する。一方、TaqManプローブは反対に野生型DNAへの結合は弱く、変異型DNAにより強く結合してポリメラーゼの5’-エクソヌクレアーゼ活性により分解されてPCRの進行に伴って蛍光が増強すると開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/093333号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TaqManプローブを用いた方法は、遺伝子-プローブ間の結合親和性(融解温度)の差を利用して遺伝子の一塩基変異を識別するので、TaqManプローブもWTブロッカーも変異型DNAか野生型DNAの一方に100%結合し、他方に全く結合しない温度設定は原理的に不可能である。TaqManプローブが目的外の野生型DNAにも、WTブロッカーが目的外の変異型DNAにもある程度結合する分だけ検出感度を低下させることになる。そのため、同一細胞内に発現する野生型遺伝子とその一塩基変異遺伝子に由来するmRNAをリアルタイムPCRによって定量解析することはできず、一塩基変異遺伝子を標的とした薬物の効果を遺伝子レベルで定量解析する手段がなかった。
【0006】
したがって、まず、検出感度が50-100コピー以上の検体が検出限界となる。つまり、それ以下の検体数で増幅するほどの高感度性は有していない。また、変異識別精度(野生型中に混在する変異型比率)は1-5%程度が限界であった。また、個々の評価系毎に精密なプライマー、プローブ設計、反応温度設定が必要となり、検査毎に変異識別精度、検出精度にバラツキが生じやすくなる。また、TaqManプローブは高価である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る高感度PCR法は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、ポリメラーゼ活性を阻害するヌクレオチドも3’-末端になければ増幅が可能であるが、3’-末端に露出すると、ポリメラーゼ活性が阻害されるという性質を利用することで、一塩基変異を検出する。
【0008】
より具体的に本発明に係る高感度PCR法は、
プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼと、
3’-末端から2番目にポリメラーゼ活性を阻害する人工型核酸が配置され、前記3’-末端に天然型のDNAが配置された化学修飾プライマーを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は新規化学修飾プライマーと、プルーフリーディング活性を有するDNAポリメラーゼを組み合わせたサイバーグリーン法を利用するPCR技術である。融解温度の違いに基づく検出は行わないので、従来とは異なる原理による一塩基変異の識別方法と言える。
【0010】
したがって、非常に少ないコピー数(10コピー数からでも可能)の検出対象遺伝子であっても増幅ができ、また、0.01%の混入量でも明確に検出が可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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