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公開番号2024049813
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156275
出願日2022-09-29
発明の名称誘電泳動装置
出願人横河電機株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240403BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】導電率の変化が大きい導電率変化膜を提供することで微小材料の移動やソーティングを容易にする。
【課題手段】第1電極と第2電極との間に配置されるシリコン半導体層は、第1の不純物濃度を有する第1導電型の第1シリコン層と、前記第1シリコン層と接し、前記第1の不純物濃度よりも小さい第2の不純物濃度を有する、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2シリコン層と、前記第2シリコン層と接し、前記第2の不純物濃度よりも大きい第3の不純物濃度を有する、前記第1導電型の第3シリコン層とを含む。前記第1シリコン層と前記第2シリコン層とにより、第1の極性を有するの第1フォトダイオードが形成され、前記第2シリコン層と前記第3シリコン層とにより、第2の極性を有し前記第1フォトダイオードと直列接続される第2フォトダイオードが形成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
操作対象の微小物体を含む溶媒を内部に含む溶媒保持部と、
前記溶媒保持部の第1面側に配置される第1電極と、
前記溶媒保持部の第2面側に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置されるシリコン半導体層と
を含み、
前記シリコン半導体層は、
第1の不純物濃度を有する第1導電型の第1シリコン層と、
前記第1シリコン層と接し、前記第1の不純物濃度よりも小さい第2の不純物濃度を有する、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2シリコン層と、
前記第2シリコン層と接し、前記第2の不純物濃度よりも大きい第3の不純物濃度を有する、前記第1導電型の第3シリコン層と
を含み、
前記第1シリコン層と前記第2シリコン層とにより、第1の極性を有する第1フォトダイオードが形成され、
前記第2シリコン層と前記第3シリコン層とにより、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有し前記第1フォトダイオードと直列接続される第2フォトダイオードが形成される
ことを特徴とする誘電泳動装置。
続きを表示(約 130 文字)【請求項2】
前記第1シリコン層と前記第2シリコン層との間に形成される真正半導体層である第4シリコン層と、
前記第2シリコン層と前記第3シリコン層との間に形成される真正半導体である第5シリコン層と
を更に備える、請求項1に記載の誘電泳動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電泳動装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
細胞等や微粒子等の微小物体を液中で操作することができる装置として、誘電泳動装置が知られている(ここで「微小物体」とは、直径数nm~100μm程度の無機物、有機物を意味する)。誘電泳動装置は、導電率変化膜に光を照射することにより、導電率変化膜における導電率の変化を与えると共に、対向する電極との間に交流電圧信号を印加することによって誘電泳動現象を生じさせる装置である。誘電泳動現象により、微小物体を所望の位置に移動又はソーティングすることができる。
【0003】
非特許文献1や特許文献1に開示されている従来の誘電泳動装置は、光により導電率が変化する導電率変化膜としてアモルファスシリコン膜を用いている。アモルファスシリコンは、光を当てることにより、導電率が1.0×10
-10
S/m程度から5×10
-6
S/m程度に変化する。一方、純水などの溶媒の導電率は2.0×10
-4
S/m程度である。この場合、導電率の比率が100倍程度であるので、溶媒中に誘電泳動に必要な電圧が印加することができる。
【0004】
しかし、細胞培養などに使用される緩衝液であるPBS(Phosphate-buffered saline)やDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)の導電率は1.6S/mであり、アモルファスシリコン膜の導電率よりも約10

倍ほど大きい。このように両者間の導電率の差が大きいため、特許文献1のようなアモルファスシリコン膜を導電率変化膜として用いる場合、溶媒中に所望の電圧が印加できず、誘電泳動を行うことが困難になる。
【0005】
アモルファスシリコン膜の導電率の変化幅を大きくするために、特許文献2は、フォトトランジスタを構成する多層膜を備える誘電泳動装置を開示している。しかし、フォトトランジスタ構造では、ベース層が薄膜状態でないと回路が機能しないという問題がある。薄膜のベース層は導電率を変化する空乏層の領域(高さ方向の幅)が小さく光吸収効率が悪いため、導電率の変化が小さくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2007-537729号公報
特表2016-505349号公報
【非特許文献】
【0007】
Shuailong et al., Small 2018, 14, 1803342, Patterned Optoelectronic Tweezers: A New Scheme for Selecting, Moving, and Storing Dielectric Particles and Cells
Hsu et al., Lab Chip, 2010, 10, 165-172, Phototransistor-based optoelectronic tweezers for dynamic cell manipulation in cell culture media
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、導電率の変化が大きい導電率変化膜を提供することで微小材料の移動やソーティングを容易にすることができる誘電泳動装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係る誘電泳動装置は、操作対象の微小物体を含む溶媒を内部に含む溶媒保持部と、前記溶媒保持部の第1面側に配置される第1電極と、前記溶媒保持部の第2面側に配置される第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されるシリコン半導体層とを含む。前記シリコン半導体層は、第1の不純物濃度を有する第1導電型の第1シリコン層と、前記第1シリコン層と接し、前記第1の不純物濃度よりも小さい第2の不純物濃度を有する、前記第1導電型とは異なる第2導電型の第2シリコン層と、前記第2シリコン層と接し、前記第2の不純物濃度よりも大きい第3の不純物濃度を有する、前記第1導電型の第3シリコン層とを含む。前記第1シリコン層と前記第2シリコン層とにより、第1の極性を有する第1フォトダイオードが形成され、前記第2シリコン層と前記第3シリコン層とにより、前記第1の極性とは反対の第2の極性を有し前記第1フォトダイオードと直列接続される第2フォトダイオードが形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誘電体の変化が大きい導電率変化膜を提供することで微小材料の移動やソーティングを容易にすることができる誘電泳動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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