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公開番号2024015792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-06
出願番号2022118096
出願日2022-07-25
発明の名称変異プロテアーゼ
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 15/57 20060101AFI20240130BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】高濃度洗剤液中でのタンパク質汚れに対する洗浄性能が向上した変異プロテアーゼの提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ下記(a)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基を有する、変異プロテアーゼ:前記アミノ酸配列の(a)191位に相当する位置におけるArg又はLys;(b)17位に相当する位置におけるArg又はLys;(c)141位に相当する位置におけるAla又はPhe;(d)243位に相当する位置におけるArg又はLys;(e)300位に相当する位置におけるArg又はLys;(f)302位に相当する位置におけるArg又はLys;(g)311位に相当する位置におけるArg又はLys。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ下記(a)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基を有する、変異プロテアーゼ:
(a)配列番号1の191位に相当する位置におけるArg又はLys;
(b)配列番号1の17位に相当する位置におけるArg又はLys;
(c)配列番号1の141位に相当する位置におけるAla又はPhe;
(d)配列番号1の243位に相当する位置におけるArg又はLys;
(e)配列番号1の300位に相当する位置におけるArg又はLys;
(f)配列番号1の302位に相当する位置におけるArg又はLys;
(g)配列番号1の311位に相当する位置におけるArg又はLys。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記(a)のアミノ酸残基と、前記(b)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基とを有する、請求項1記載の変異プロテアーゼ。
【請求項3】
前記(e)のアミノ酸残基と、前記(f)のアミノ酸残基とを有する、請求項1記載の変異プロテアーゼ。
【請求項4】
前記(a)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基と、下記(h)のアミノ酸残基とを有する、請求項1記載の変異プロテアーゼ:
(h)配列番号1の82位に相当する位置におけるGln。
【請求項5】
前記(a)のアミノ酸残基と、前記(h)のアミノ酸残基とを有する、請求項4記載の変異プロテアーゼ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の変異プロテアーゼをコードするポリヌクレオチド。
【請求項7】
請求項6記載のポリヌクレオチドを含有するベクター。
【請求項8】
請求項6記載のポリヌクレオチド又は請求項7記載のベクターを含む組換えバチルス属細菌。
【請求項9】
請求項8記載の組換えバチルス属細菌を用いる変異プロテアーゼの製造方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか1項記載の変異プロテアーゼを含有する洗剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変異プロテアーゼに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
洗剤中にプロテアーゼを配合する目的は、衣類や食器などに付着した食品や垢、汗などに由来するタンパク質汚れを分解して汚れの除去を促進することである。洗剤のpHは一般にアルカリ側にあるため、洗剤用プロテアーゼとしては、アルカリ側に至適pHを有するプロテアーゼが開発されてきた。特許文献1には、タンパク質と脂質が混在する複合汚れに対して洗浄性を有する分子量約43,000のプロテアーゼが開示されている。特許文献2~5には、プロテアーゼの洗浄性能、液体洗剤中での安定性、液体洗剤に対する溶解性、又は酸性条件下での安定性を向上させる変異を導入して得られた変異プロテアーゼが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開公報第99/18218号
特開2008-212084号公報
特開2010-273672号公報
特開2013-233141号公報
特開2020-145938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シミなどの落ちにくい汚れを除去するために、液体洗剤の原液を水で薄めずに汚れに直接塗布する場合がある。食べこぼしや襟袖汚れなどのタンパク質を含む汚れに対しては、プロテアーゼを含む液体洗剤の塗布が効果的であると考えられる。しかし、液体洗剤の原液は、界面活性剤などの洗浄成分の濃度が高いため、プロテアーゼにとって過酷な条件である。液体洗剤の原液のような高濃度の洗浄成分を含む溶液中でのプロテアーゼの洗浄性能を向上させることが望まれている。
【0005】
本発明は、高濃度洗剤液中でのタンパク質汚れに対する洗浄性能が向上した変異プロテアーゼを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、分子量43,000のプロテアーゼKP43(特許文献1参照)に由来する変異プロテアーゼが、液体洗剤の原液中でもタンパク質汚れに対する洗浄性能(以下、単に洗浄性能ともいう)が向上していることを見出した。
【0007】
したがって、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ下記(a)~(g)からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸残基を有する、変異プロテアーゼ:
(a)配列番号1の191位に相当する位置におけるArg又はLys;
(b)配列番号1の17位に相当する位置におけるArg又はLys;
(c)配列番号1の141位に相当する位置におけるAla又はPhe;
(d)配列番号1の243位に相当する位置におけるArg又はLys;
(e)配列番号1の300位に相当する位置におけるArg又はLys;
(f)配列番号1の302位に相当する位置におけるArg又はLys;
(g)配列番号1の311位に相当する位置におけるArg又はLys、
を提供する。
また本発明は、前記変異プロテアーゼをコードするポリヌクレオチドを提供する。
また本発明は、前記ポリヌクレオチドを含有するベクターを提供する。
また本発明は、前記ポリヌクレオチド又は前記ベクターを含有する組換えバチルス属細菌を提供する。
また本発明は、前記組換えバチルス属細菌を用いる変異プロテアーゼの製造方法を提供する。
また本発明は、前記変異プロテアーゼを含有する洗剤組成物を提供する。
さらに本発明は、配列番号1のアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなる親プロテアーゼに対して、下記(A)~(G)からなる群より選択される少なくとも1つの変異を施すことを含む、変異プロテアーゼの製造方法:
(A)配列番号1の191位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換;
(B)配列番号1の17位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換;
(C)配列番号1の141位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Ala又はPheへの置換;
(D)配列番号1の243位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換;
(E)配列番号1の300位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換;
(F)配列番号1の302位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換;
(G)配列番号1の311位又はこれに相当する位置におけるアミノ酸残基の、Arg又はLysへの置換、
を提供する。
また本発明は、配列番号1のアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列からなる親プロテアーゼに対して、前記(A)~(G)からなる群より選択される少なくとも1つの変異を施すことを含む、プロテアーゼの高濃度洗剤液中におけるタンパク質汚れに対する洗浄性能の向上方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の変異プロテアーゼは、高濃度洗剤液(例えば、液体洗剤の原液)中でのタンパク質汚れに対する洗浄性能が向上している。本発明の変異プロテアーゼは、例えば塗布洗浄又は漬け置き洗浄のような、高濃度洗剤液による洗浄に用いるプロテアーゼとして有効である。例えば、本発明の変異プロテアーゼは、液体洗剤の原液又は高濃度洗剤液を汚れに直接接触させることでその汚れを洗浄するための洗剤に配合するプロテアーゼとして有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
変異プロテアーゼの相対塗布洗浄力。
191位変異による塗布洗浄力の向上。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「アミノ酸残基」とは、タンパク質を構成する20種のアミノ酸残基、アラニン(Ala又はA)、アルギニン(Arg又はR)、アスパラギン(Asn又はN)、アスパラギン酸(Asp又はD)、システイン(Cys又はC)、グルタミン(Gln又はQ)、グルタミン酸(Glu又はE)、グリシン(Gly又はG)、ヒスチジン(His又はH)、イソロイシン(Ile又はI)、ロイシン(Leu又はL)、リシン(Lys又はK)、メチオニン(Met又はM)、フェニルアラニン(Phe又はF)、プロリン(Pro又はP)、セリン(Ser又はS)、トレオニン(Thr又はT)、トリプトファン(Trp又はW)、チロシン(Tyr又はY)及びバリン(Val又はV)を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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