特許ウォッチ

公開番号2024052575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023151890
出願日2023-09-20
発明の名称化粧料組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類A61K 8/891 20060101AFI20240404BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】皮脂等の油性成分が存在する対象物に適用した場合に、該対象物に対して良好な感触を付与することができ、且つ、洗浄耐久性にも優れる皮膜を形成し得る化粧料組成物を提供する。
【解決手段】下記成分(A)～(D)を含有する、化粧料組成物。
(A)(R¹)₃SiO_1/2(R¹はフッ素置換されていてもよい炭素数1以上12以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のR¹は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。)で表されるM単位及びSiO_4/2で表されるQ単位を含む皮膜形成性ポリマー
(B)前記成分(A)以外の皮膜形成性ポリマー
(C)高分子量オルガノポリシロキサン
(D)ポリアルキレンオキシド部位及びカチオン性基を有する、前記成分(A)～(C)以外のオルガノポリシロキサン
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記成分（Ａ）～（Ｄ）を含有する、化粧料組成物。
（Ａ）（Ｒ
１
）
３
ＳｉＯ
１／２
（Ｒ
１
はフッ素置換されていてもよい炭素数１以上１２以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のＲ
１
は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。）で表されるＭ単位及びＳｉＯ
４／２
で表されるＱ単位を含む皮膜形成性ポリマー
（Ｂ）前記成分（Ａ）以外の皮膜形成性ポリマー
（Ｃ）高分子量オルガノポリシロキサン
（Ｄ）ポリアルキレンオキシド部位及びカチオン性基を有する、前記成分（Ａ）～（Ｃ）以外のオルガノポリシロキサン
続きを表示（約 940 文字）【請求項２】
前記成分（Ｂ）がシリコーン系ポリマーを含む、請求項１に記載の化粧料組成物。
【請求項３】
前記成分（Ｂ）が下記成分（Ｂ１）及び成分（Ｂ２）からなる群から選ばれる１種以上を含む、請求項１又は２に記載の化粧料組成物。
（Ｂ１）Ｒ
１
ＳｉＯ
３／２
で表されるＴ単位を含み、ＳｉＯ
４／２
で表されるＱ単位を実質的に含まないシリコーン樹脂（Ｒ
１
は前記と同じである。）
（Ｂ２）アクリルシリコーンポリマー
【請求項４】
前記成分（Ｂ２）が（アクリレーツ／メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ）コポリマーを含む、請求項３に記載の化粧料組成物。
【請求項５】
前記成分（Ｃ）の重合度が６５０以上である、請求項１～４のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
【請求項６】
前記組成物中の前記成分（Ａ）及び前記成分（Ｂ）の合計含有質量に対する前記成分（Ａ）の含有質量の割合［（Ａ）／｛（Ａ）＋（Ｂ）｝］が１０％以上９５％以下である、請求項１～５のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
【請求項７】
前記組成物中の前記成分（Ａ）～（Ｄ）の合計含有量が３．０質量％以上である、請求項１～６のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
【請求項８】
前記組成物中の前記成分（Ａ）～（Ｃ）の合計含有質量に対する、前記成分（Ａ）及び成分（Ｂ）の合計含有質量の割合［｛（Ａ）＋（Ｂ）｝／｛（Ａ）＋（Ｂ）＋（Ｃ）｝］が７０％以上である、請求項１～７のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
【請求項９】
前記組成物中の前記成分（Ａ）～（Ｄ）の合計含有質量に対する、前記成分（Ｄ）の含有質量の割合［（Ｄ）／｛（Ａ）＋（Ｂ）＋（Ｃ）＋（Ｄ）｝］が０．１％以上２０％以下である、請求項１～８のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
【請求項１０】
前記組成物が、さらに成分（Ｅ）として揮発性溶剤を含有する、請求項１～９のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、化粧料組成物に関する。
続きを表示（約 2,400 文字）【背景技術】
【０００２】
ケラチン物質の一種である毛髪は、日常生活の中での外的要因、パーマやカラー等の化学処理等により損傷し、扱いづらくなることが知られている。このような状態を解消するために、コンディショニング剤やスタイリング剤により、毛髪に光沢や滑らかな感触を付与することが行われている。しかしながらこれらの効果は１回の洗髪により、また、就寝中の毛髪と枕等との摩擦などの日常生活で受ける物理力により失われるものが多く、該効果が持続するような製品が求められている。
【０００３】
そこで近年、化粧料分野において、皮膚、毛髪等のケラチン物質に対し光沢、良好な感触等の各種性能を付与する方法として、疎水性皮膜を形成する技術が検討されている。
疎水性皮膜形成用ポリマーとして、シリコーン系の皮膜形成性ポリマーを用いた技術が知られている。例えば特許文献１には、シリコーン樹脂およびシリコーンゴムを含み、該シリコーン樹脂とシリコーンゴムの混合物が、５０℃を超える軟化点および環境温度における１０
６
Ｐａ以下の弾性率を有する組成物が開示され、該組成物を含む配合物を髪に適用すると、滑らかな感触と強い光沢とを与えられることが開示されている。
【０００４】
また、染毛技術の一つとして、毛髪表面に顔料等の着色剤を含有する皮膜を形成して染毛する一時染毛技術が知られている。一時染毛剤は毛髪へのダメージが少なく簡単に着色できることから広く受け入れられているが、その着色は洗髪により失われやすいことから、洗浄耐久性について改善の余地がある。そのため、簡単に着色でき、且つその着色効果の持続性を向上させる技術が検討されている。
例えば特許文献２には、シリコーン皮膜形成剤、高分子量オルガノポリシロキサン、及び、ポリアルキレンオキシド部位及びカチオン性基を有するオルガノポリシロキサンを含有する化粧料組成物を皮膚又は毛髪等のケラチン物質に適用すると、乾燥状態及び湿潤状態のいずれにおいても良好な感触を付与することができ、摩擦に対する耐久性に優れ、且つ、洗浄後にもこれら効果の持続性に優れることが開示されている。
【０００５】
ところで、皮膚及び毛髪の表面には、皮脂腺から分泌された皮脂が常に薄い膜状に広がっており、物理的又は化学的に皮膚及び毛髪を保護する役割を果たしていることが知られている。さらに皮膚及び毛髪の表面には、皮膚又は毛髪化粧料に含まれる、シリコーン等の油性成分も残留している。したがって化粧料組成物には、油性成分の存在下でも所望の性能を発現し得ることが求められる。
【０００６】
特許文献３には、均一な皮膜ができ、耐水性、耐皮脂性等が良好なアイメークアップ化粧料として、トリメチルシロキシケイ酸、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物とアクリレート及び／またはメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合して得たアクリル－シリコーン系グラフト共重合体、及び、低沸点シリコーン油及び／または低沸点イソパラフィン系炭化水素油を含有することを特徴とするアイメークアップ化粧料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特表２０１６－５０３４３３号公報
特開２０２１－１８７８５０号公報
特開平７－１９６４４９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
特許文献１及び２では、皮脂等の油性成分が存在する対象物に組成物を適用した場合の性能発現については言及されていない。
特許文献３ではアイメークアップ化粧料の耐皮脂性について言及されているが、実施例で評価されている耐皮脂性は、化粧料を塗布した後に人工皮脂を塗布した際の化粧料の耐擦過性を評価したものである。したがって特許文献３でも、皮脂が存在する対象物に化粧料組成物を適用した場合の性能については言及されていない。
【０００９】
本発明の課題は、皮脂等の油性成分が存在する対象物に適用した場合に、該対象物に対して良好な感触を付与することができ、且つ、洗浄耐久性にも優れる皮膜を形成し得る化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明者は、特定の構成単位を有するシリコーン系皮膜形成性ポリマー及び他の皮膜形成性ポリマー、高分子量オルガノポリシロキサン、並びに、ポリアルキレンオキシド部位及びカチオン性基を有するオルガノポリシロキサンを含有する化粧料組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記に関する。
［１］下記成分（Ａ）～（Ｄ）を含有する、化粧料組成物。
（Ａ）（Ｒ
１
）
３
ＳｉＯ
１／２
（Ｒ
１
はフッ素置換されていてもよい炭素数１以上１２以下の炭化水素基又はヒドロキシ基を示す。複数のＲ
１
は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。）で表されるＭ単位及びＳｉＯ
４／２
で表されるＱ単位を含む皮膜形成性ポリマー
（Ｂ）前記成分（Ａ）以外の皮膜形成性ポリマー
（Ｃ）高分子量オルガノポリシロキサン
（Ｄ）ポリアルキレンオキシド部位及びカチオン性基を有する、前記成分（Ａ）～（Ｃ）以外のオルガノポリシロキサン
［２］上記［１］に記載の組成物をケラチン物質に適用し、次いで乾燥させる工程を有する、ケラチン物質の処理方法。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許