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公開番号2024045053
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2023150686
出願日2023-09-19
発明の名称経口用組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A23L 33/115 20160101AFI20240326BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】分岐脂肪酸の不快臭が抑制された経口用組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)及び(B);
(A)分岐鎖脂肪酸 0.00005~40質量ppm、及び
(B)ピラジン類
を含み、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.015以上である、固体経口用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(A)及び(B);
(A)分岐脂肪酸 0.00005~40質量ppm、及び
(B)ピラジン類
を含み、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.015以上である、
固体経口用組成物。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
成分(A)が、イソ酪酸、2-メチル酪酸及びイソ吉草酸から選択される1又は2以上である、請求項1記載の固体経口用組成物。
【請求項3】
成分(B)が、ピラジン、メチルピラジン、エチルピラジン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、エチルメチルピラジン、イソブチルメチルピラジン、エチルジメチルピラジン、ジメチルエチルピラジン、ジエチルメチルピラジン、アセチルピラジン、メトキシメチルピラジン及びイソブチルメトキシピラジンから選択される1又は2以上である、請求項1又は2記載の固体経口用組成物。
【請求項4】
成分(B)の含有量が、0.004~60質量ppmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の固体経口用組成物。
【請求項5】
更に、成分(C)として4-ビニルグラヤコールを含み、成分(A)及び成分(C)の総量と成分(B)との質量比[(B)/{(A)+(C)}]が0.01以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体経口用組成物。
【請求項6】
成分(B)と成分(C)との質量比[(B)/(C)]が0.03~8である、請求項1~5のいずれか1項に記載の固体経口用組成物。
【請求項7】
ピラジン類を有効成分とする、分岐脂肪酸又は4-ビニルグラヤコールの不快臭抑制剤。
【請求項8】
(A)分岐脂肪酸に対して(B)ピラジン類を、0.015以上の質量比[(B)/(A)]で共存させる、分岐脂肪酸の不快臭抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、経口用組成物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
飲食品の美味しさは、味と香りが一体となって感じられるため、香りは飲食品の嗜好性を決する上で重要な要素である。そこで、従来、飲食品の風味を改善する技術が種々検討されている。例えば、テオブロミンに対してピラジン類を一定量含有させることにより、カカオバターを含む植物油脂にピラジン類が分散し、従来のカカオ原料に対して濃厚なカカオ風味を付与でき、更にイソ吉草酸をピラジン類とともに含有させることで、従来のカカオ原料に対して少量でも濃厚なカカオ風味を付与できることが報告されている(特許文献1)。また、従来果実様香気物質と考えられていたワインラクトンを、コーヒー、ココア、ほうじ茶、番茶、玄米茶、麦茶、焙煎玄米、ハトムギ茶、そば茶、ブラックマテ茶等の焙煎嗜好飲料に微量で添加することで、風味の余韻を付与できるとの報告がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-156433号公報
特開2006-20526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、イソ吉草酸がピラジン類とともにカカオ風味の増強に寄与する成分として記載されている。しかし、イソ吉草酸等の分岐脂肪酸は、通常不快臭の原因物質として認識されており、分岐脂肪酸を含有する経口用組成物を摂取したときや摂取後に独特な臭いによって不快感ないし嫌悪感を伴う。
本発明の課題は、分岐脂肪酸の不快臭が抑制された経口用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、分岐脂肪酸に対してピラジン類を一定以上の量比で含有させることにより、分岐脂肪酸の不快臭を抑制できることを見出した。更に不快臭の原因物質として知られている4-ビニルグアイアコールを含有する場合であっても、分岐脂肪酸と4-ビニルグアイアコールとの総量に対してピラジン類を一定以上の量比で含有させることにより、分岐脂肪酸と4-ビニルグアイアコールの不快臭を同時に抑制できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔10〕を提供するものである。
〔1〕次の成分(A)及び(B);
(A)分岐脂肪酸 0.00005~40質量ppm、及び
(B)ピラジン類
を含み、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.015以上である、
経口用組成物。
〔2〕成分(A)が、イソ酪酸、2-メチル酪酸及びイソ吉草酸から選択される1又は2以上である、前記〔1〕記載の経口用組成物。
〔3〕成分(B)が、ピラジン、メチルピラジン、エチルピラジン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、エチルメチルピラジン、イソブチルメチルピラジン、エチルジメチルピラジン、ジメチルエチルピラジン、ジエチルメチルピラジン、アセチルピラジン、メトキシメチルピラジン及びイソブチルメトキシピラジンから選択される1又は2以上である、前記〔1〕又は〔2〕記載の経口用組成物。
〔4〕成分(B)の含有量が、0.004~60質量ppmである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔5〕更に、成分(C)として4-ビニルグラヤコールを含み、成分(A)及び成分(C)の総量と成分(B)との質量比[(B)/{(A)+(C)}]が0.01以上である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔6〕成分(B)と成分(C)との質量比[(B)/(C)]が0.03~8である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔7〕固体経口用組成物である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔8〕液体経口用組成物である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の経口用組成物。
〔9〕ピラジン類を有効成分とする、分岐脂肪酸又は4-ビニルグラヤコールの不快臭抑制剤。
〔10〕(A)分岐脂肪酸に対して(B)ピラジン類を、0.015以上の質量比[(B)/(A)]で共存させる、分岐脂肪酸の不快臭抑制方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分岐脂肪酸の不快臭が抑制された経口用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔経口用組成物〕
本発明の経口用組成物は、成分(A)として分岐脂肪酸を含有する。ここで、本明細書において「分岐脂肪酸」とは、分岐鎖を有する脂肪酸をいう。
成分(A)は、不快臭を有すれば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでも構わないが、本発明の効果を享受しやすい点で、短鎖分岐飽和脂肪酸が好ましい。ここで、本明細書において「短鎖分岐飽和脂肪酸」とは、炭素数が7以下である分岐鎖状の飽和脂肪酸をいう。短鎖分岐飽和脂肪酸の炭素数は、5以下が好ましい。
【0009】
成分(A)の具体例としては、例えば、イソ酪酸、2-メチル酪酸、イソ吉草酸を挙げることができる。成分(A)は、1種又は2種以上を含有することができる。なお、イソ酪酸、2-メチル酪酸及びイソ吉草酸は、いわゆる納豆臭の原因物質として知られており、更にイソ吉草酸は、汗臭、足臭、加齢臭等の不快感を伴う刺激臭があり、生乾き臭や足の裏の臭いの原因物質であることが知られている。
中でも、成分(A)としては、本発明の効果を享受しやすい点で、イソ酪酸、2-メチル酪酸及びイソ吉草酸から選択される1又は2以上が好ましく、イソ吉草酸が更に好ましい。
【0010】
成分(A)としては、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を含む植物の抽出物を使用することもできる。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。また、植物抽出物は、濃縮物でも、乾燥物でもよく、純度を高めた精製物でも構わない。濃縮、乾燥及び精製の各方法は、公知の方法を採用すればよい。
植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選択される1以上が好ましく、生コーヒー豆が更に好ましい。ここで、本明細書において「浅焙煎コーヒー豆」とは、L値が30以上60以下の焙煎コーヒー豆をいう。このようなL値の浅焙煎コーヒー豆は、コーヒー飲料に特有の焙煎香を有しない。浅焙煎コーヒー豆のL値は、成分(A)の不快臭抑制、生理効果の観点から、好ましくは32以上であり、より好ましくは34以上であり、更に好ましくは36以上であり、より更に好ましくは38以上であり、より更に好ましくは40以上である。なお、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。コーヒー豆の豆種及び産地は、特に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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