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公開番号2024032299
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135882
出願日2022-08-29
発明の名称皮膚指標推定方法
出願人花王株式会社
代理人個人
主分類G01N 21/35 20140101AFI20240305BHJP(測定;試験)
要約【課題】角層の赤外吸収スペクトル情報を用いてより高精度に角層特性又は皮膚表面特性の指標値を推定可能な技術を提供する。
【解決手段】皮膚指標推定方法では、一以上のプロセッサが、被評価者の皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報を取得する工程と、複数のサンプル提供者における皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報と既知の目的指標値との複数のデータセットを用いて得られた推定モデルに、当該赤外吸収スペクトル情報を入力することにより、被評価者の目的指標値を推定する工程とを実行し、当該赤外吸収スペクトル情報は、所定の波数領域における複数の強度値を含み、当該目的指標値は、角層特性又は皮膚表面特性に関する指標値である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
一以上のプロセッサが、
被評価者の皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報を取得する取得工程と、
複数のサンプル提供者における皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報と既知の目的指標値との複数のデータセットを用いて得られた推定モデルに、前記取得された赤外吸収スペクトル情報を入力することにより、前記被評価者の目的指標値を推定する推定工程と、
を実行し、
前記赤外吸収スペクトル情報は、所定の波数領域における複数の強度値を含み、
前記目的指標値は、角層特性又は皮膚表面特性に関する指標値である、
皮膚指標推定方法。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記赤外吸収スペクトル情報は、600cm
-1
以上1800cm
-1
以下の第一波数領域における複数の強度値及び2800cm
-1
以上3700cm
-1
以下の第二波数領域における複数の強度値を少なくとも含む、
請求項1に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項3】
前記赤外吸収スペクトル情報は、前記第一波数領域及び前記第二波数領域の非ピーク領域における複数の強度値を少なくとも含む、
請求項2に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項4】
前記赤外吸収スペクトル情報は、前記第一波数領域から一定波数間隔及び前記第二波数領域から一定波数間隔でそれぞれサンプリングされた複数の強度値を含む、
請求項2又は3に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項5】
前記目的指標値は、角層の重層剥離率、角層細胞面積、角層細胞長さ、又は角層細胞真円率である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項6】
前記目的指標値は、角層細胞間脂質の総量、セラミド量、コレステロール量若しくは遊離脂肪酸量、角層細胞間脂質のセラミド分子種ごとの量、又は角層細胞間脂質のセラミド分子種ごとの量の比率である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項7】
前記目的指標値は、角層水分量又は経皮水分蒸散量である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項8】
前記目的指標値は、皮膚の表面形態測定により得られる鱗屑状態、皮膚の滑らかさ若しくはシワ状態の指標値、又は皮膚の表面形状を再現したレプリカの測定により得られた皮膚表面の粗さ、シワの深さ、シワの本数、シワの体積、シワの面積若しくはシワの面積率の指標値である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の皮膚指標推定方法。
【請求項9】
一以上のプロセッサ及びメモリを少なくとも備える皮膚指標推定装置であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の皮膚指標推定方法を実行可能な皮膚指標推定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外吸収スペクトル情報を用いて皮膚指標を推定する技術に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、皮膚の角層の赤外吸収スペクトルから1610~1570cm
‐1
の波数領域における信号強度A及び蛋白質由来の信号強度Bを観測し、信号強度Aから抽出されたカルボキシレートアニオン逆対称伸縮振動の信号強度A'と信号強度Bとの比から角層中の天然保湿因子NMF量を測定する方法が開示されている。
下記特許文献2には、ヒトの皮膚の角層を対象として赤外分光法によって赤外吸収スペクトルを測定し、この赤外吸収スペクトルにおける蛋白質二次構造に由来するアミドI吸収帯のピークから、αへリックスとランダムコイルの重畳したピーク及びβシートのピークを分割し、αへリックスとランダムコイルの重畳したピークの面積及びβシートのピーク面積を算出して、〔βシートのピーク面積〕/〔αへリックスとランダムコイルの重畳したピークの面積〕で定義されるピーク面積比β/αを算出し、算出された比β/αの値を指標として皮膚の角層の性状を医療行為以外の目的で評価する方法が開示されている。
下記特許文献3から5には、テープ剥離により取得された角層を対象にして得られた赤外吸収スペクトルを用いて角層の性状等を簡便かつ安定的に評価可能とする手法が開示されております。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-210567号公報
特開2013-44525号公報
特開2018-105783号公報
特開2020-193948号公報
特開2021-181987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の各種手法は、角層の赤外吸収スペクトルにおける特定波数領域のピークの信号強度、ピーク形状等に基づいて角層の性状等を評価している。
本発明は、角層の赤外吸収スペクトル情報を用いてより高精度に角層特性又は皮膚表面特性の指標値を推定可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、一以上のプロセッサが、被評価者の皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報を取得する取得工程と、複数のサンプル提供者における皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトル情報と既知の目的指標値との複数のデータセットを用いて得られた推定モデルに、前記取得された赤外吸収スペクトル情報を入力することにより、前記被評価者の目的指標値を推定する推定工程と、を実行し、前記赤外吸収スペクトル情報は、所定の波数領域における複数の強度値を含み、前記目的指標値は、角層特性又は皮膚表面特性に関する指標値である皮膚指標推定方法が提供され得る。
また、一以上のプロセッサ及びメモリを少なくとも備える皮膚指標推定装置であって上述の皮膚指標推定方法を実行可能な皮膚指標推定装置なども提供され得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、角層の赤外吸収スペクトル情報を用いてより高精度に角層特性又は皮膚表面特性の指標値を推定可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態に係る皮膚指標推定方法(本方法)を実行可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
本実施形態に係る皮膚指標推定方法(本方法)のフローチャートである。
皮膚から剥離された角層に関する赤外吸収スペクトルを示すグラフである。
実施例1の推定モデルにおける角層の重層剥離率及び角層の細胞形状に関する目的指標値ごとの推定精度を示す表である。
実施例1の推定モデルにおける角層細胞間脂質に関する目的指標値ごとの推定精度を示す表である。
実施例1の推定モデルにおける角層の水分量に関する目的指標値ごとの推定精度を示す表である。
実施例1の推定モデルにおける皮膚表面特性に関する目的指標値ごとの推定精度を示す表である。
角層特性を目的指標値とする推定モデル(推定式)における各波数成分(各説明変数)の吸光度に対する重み(回帰係数)を示すグラフである。図8(a)は、Skicon(ヤヨイ社製)を用いて測定された角層水分量を目的指標値とする推定モデル(推定式)に関するグラフであり、図8(b)は、経皮水分蒸散量(TEWL)を目的指標値とする推定モデル(推定式)に関するグラフであり、図8(c)は、セラミドNPの量とセラミドNSの量との比率(NP/NS)を目的指標値とする推定モデル(推定式)に関するグラフであり、図8(d)は、角層重層剥離率を目的指標値とする推定モデル(推定式)に関するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好ましい実施形態の例(以降、本実施形態と表記する)について説明する。以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0009】
本実施形態に係る皮膚指標推定方法(以下、本方法と表記する)は、一台以上の情報処理装置が備える一以上のプロセッサにより実行される。
図1は、本方法を実行可能な情報処理装置10のハードウェア構成例を概念的に示す図である。
情報処理装置10は、いわゆるコンピュータであり、CPU11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。情報処理装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)であってもよいし、携帯型のPC、スマートフォン、タブレット等のような携帯端末であってもよいし、専用コンピュータであってもよい。
【0010】
CPU11は、いわゆるプロセッサであり、一般的なCPU(Central Processing Unit)に加えて、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれ得る。メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
入出力I/F13は、表示装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。表示装置15は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置15及び入力装置16は一体化され、タッチパネルとして実現されてもよい。
通信ユニット14は、通信網を介した他のコンピュータとの通信や、プリンタ等の他の機器との信号のやりとり等を行う。通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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