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公開番号2024046546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151986
出願日2022-09-22
発明の名称吸収性物品用不織布
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人イイダアンドパートナーズ,個人,個人,個人
主分類D04H 1/4374 20120101AFI20240327BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】クッション性及び液透過性を共に優れたものとし得る吸収性物品用不織布を提供する。
【解決手段】厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層と前記第2繊維層とは互いの繊維同士の前記繊維融着部によって一体化されており、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記壁部は、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在し、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層の構成繊維は、前記第1繊維層の構成繊維よりも繊維径が小さく、前記開孔部において前記第1繊維層の側に露出した状態にされている、吸収性物品用不織布。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、
前記第1繊維層と前記第2繊維層とは互いの繊維同士の前記繊維融着部によって一体化されており、
前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記壁部は、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在し、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、
前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、
前記第2繊維層の構成繊維は、前記第1繊維層の構成繊維よりも繊維径が小さく、前記開孔部において前記第1繊維層の側に露出した状態にされている、吸収性物品用不織布。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、請求項1記載の吸収性物品用不織布。
【請求項3】
前記隆起部は、前記第1繊維層の側から視認可能である、請求項2記載の吸収性物品用不織布。
【請求項4】
前記隆起部の裾部が、前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域に接続されている、請求項2又は3記載の吸収性物品用不織布。
【請求項5】
前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記第2繊維層の繊維が平面方向に配向し、前記隆起部の裾部の表面の繊維が、前記壁部の繊維とは異なる繊維配向を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項6】
前記第2繊維層の構成繊維の親水度が、前記第1繊維層の構成繊維の親水度よりも高い、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項7】
前記第2繊維層の構成繊維の繊維径と前記第1繊維層の構成繊維の繊維径との差が、2μm以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項8】
前記第2繊維層の単位面積当たりの繊維本数が、前記第1繊維層における前記頂部の単位面積当たりの繊維本数よりも大きい、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項9】
前記第2繊維層の前記第1繊維層との対向面側は、平面方向に延在する連続繊維層となっている、請求項1~8のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
【請求項10】
前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記壁部の繊維と前記第2繊維層の繊維との交差部における繊維融着部を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品用不織布に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
不織布は、おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材など様々な用途に用いられており、様々な構造を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、吸収性物品の表面シートとして、複数の畝部と底部とを有し、前記底部に開孔部を配した凹凸構造の不織布が記載されている。特許文献2には、第1不織布層と第2不織布層とが積層された不織布が記載されている。前記第1不織布層は凹凸構造を有し、第2不織布層は略平坦な形状とされている。特許文献3には、吸収性物品の表面シートとして、上層及び下層の繊維層からなる不織布が記載されており、上層は肌当接面側に突出する凸部を複数有する。前記凸部は、その頂部に丸みを帯び、側壁部から凸部底部にかけてなだらかな側面を有するドーム形状である。前記凸部間の凹部はエンボス加工により形成されており、該凹部において上層の繊維層と下層の繊維層とが接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-467号公報
特開2019-44293号公報
特開2009-172354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2記載の不織布は、垂直な壁部にて凸部頂部が支持されることで、特許文献3記載の凸部の壁面角度がなだらかな不織布に比して、クッション性に優れる。また、特許文献1記載の不織布は、吸収性物品の表面シート等として用いた場合、前記壁部に沿って排泄液を降下させて底部の開孔部から下層へと迅速に透過させることができる。これにより、特許文献1記載の不織布は厚み方向の液透過性に優れ、吸収性物品の液吸収性を高めることができる。
しかし、特許文献1記載の不織布を表面シートとして下層部材と接合する際に一般的にはホットメルト型等の接着剤が用いられ、該接着剤が前記開孔部に露出しやすい。開孔部を介して表面に露出する接着剤の存在は液吸収性に影響を与えかねない。また前記接合の際、開孔部周辺にある垂直な壁部にて下層部材と接合するため該壁部の構造が崩れやすく、十分な接合強度が得られ難い。そのため、この不織布について、吸収性物品に組み込んだ場合においても前述のクッション性及び液透過性を十分に機能させる観点から、更なる改善の余地がある。
この点、特許文献3記載の不織布では、凸部は、壁面角度がなだらかであることで前述の接合の際に崩れ難い。しかし、前記凸部の壁面角度がなだらかであることで、開孔が無いことと相俟って液(例えば、吸収性物品における尿や流動性のある軟便)の表面流れが生じやすい。また、特許文献2及び3記載の不織布では、開孔部が無く2層からなることで、上下層間の接合面積を確保しやすく凸部の構造が保持されやすい。しかし、液透過速度や液残り防止性の点で十分とは言えず、更なる向上が望まれる。
このように従来の不織布において、クッション性と液透過性とを共に向上させることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、クッション性及び液透過性を共に優れたものとし得る吸収性物品用不織布に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層と前記第2繊維層とは互いの繊維同士の前記繊維融着部によって一体化されており、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記壁部は、前記不織布の平面方向に対して垂直に延在し、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層の構成繊維は、前記第1繊維層の構成繊維よりも繊維径が小さく、前記開孔部において前記第1繊維層の側に露出した状態にされている、吸収性物品用不織布を提供する。
【0007】
また、本発明は、複数の突起と該突起間の凹部とを備えた凹凸形状の支持体上に第1繊維ウエブを載置し、前記凹部に沿って、前記第1繊維ウエブを、押し込み部材の押し込み部によって押し込んで賦形すると共に、前記突起に対応する箇所を開孔し、前記支持体と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブを形成する、押し込み工程と、前記支持体から前記押込み部材を取り外した後、前記凹凸開孔繊維ウエブに第1の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布を得る工程と、前記第1繊維ウエブよりも構成繊維の繊維径が小さい第2繊維ウエブを供給して、前記凹凸開孔不織布の開孔面側に積層させる工程と、第2の熱風を吹き付けて前記凹凸不織布と前記第2繊維ウエブとの繊維同士を融着させ、かつ前記第2繊維ウエブ中の繊維同士を融着する熱融着工程と、を有する吸収性物品用不織布の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸収性物品用不織布は、クッション性及び液透過性を共に優れたものとすることができる。本発明の吸収性物品用不織布の製造方法によれば、上記の本発明の吸収性物品用不織布を好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態を模式的に示す断面図である。
(A)は、図1に示す本実施形態の吸収性物品用不織布を吸収性物品の構成部材として着用者の体に沿わせるよう傾斜させた状態における第1繊維層の凹凸構造と液表面流れとの関係を模式的に示す説明図であり、(B)は、従来の凹凸構造の吸収性物品用不織布を吸収性物品の構成部材として着用者の体に沿わせるよう傾斜させた状態を模式的に示す断面図である。
本実施形態の吸収性物品用不織布における開孔部から第1繊維層に進入する第2繊維層の隆起部の例を示す図面代用写真である。
本実施形態の吸収性物品用不織布の具体例を一方の面側から模式的に示す平面図である。
図4に示す吸収性物品用不織布のR1-R1線断面図である。
図4に示す吸収性物品用不織布のR2-R2線断面図である。
図4に示す吸収性物品用不織布のR3-R3線断面図である。
本発明に係る吸収性物品用不織布の製造方法の好ましい一実施形態を模式的に示す説明図であり、(A)は押し込み工程を示し、(B)は第1の熱風により凹凸開孔不織布を得る工程を示し、(C)は第2繊維ウエブを凹凸開孔不織布に積層する工程を示し、(D)は第2の熱風により凹凸開孔不織布と第2繊維ウエブとを一体化し、第2繊維ウエブを不織布化する工程を示している。
支持体の平面図である。
押し込み部材の平面図である。
支持体と押し込み部材とを組み合わせた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら、以下に説明する。なお、本明細書において、吸収性物品用不織布を単に不織布ということがある。
本実施形態の不織布10は、繊維同士の交差部に繊維融着部を有する、いわゆるサーマルボンド不織布である。例えば、エアスルー法によって前記繊維融着部を形成したエアスルー不織布が挙げられる。そのため、不織布10は構成繊維に熱可塑性繊維を含む。すなわち、不織布10を構成する後述の第1繊維層M1及び第2繊維層M2は構成繊維に熱可塑性繊維を含み、前記繊維融着部を形成した不織布である。第1繊維層M1と第2繊維層M2とは互いの繊維同士の交差部における繊維融着部によって一体化されている。
(【0011】以降は省略されています)

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