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公開番号2024049127
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155401
出願日2022-09-28
発明の名称肌のくすみ改善剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 36/61 20060101AFI20240402BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ロリクリンの発現を促進する、ロリクリン発現促進剤、角層形成促進剤及び肌のくすみ改善剤の提供。
【解決手段】ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とするロリクリン発現促進剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とするロリクリン発現促進剤。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とする角層形成促進剤。
【請求項3】
ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とする肌のくすみ改善剤。
【請求項4】
ツツジ科スノキ属植物がビルベリーである請求項1~3のいずれか1項記載の剤。
【請求項5】
ユーカリ又はその抽出物とツツジ科スノキ属植物又はその抽出物の質量比(ユーカリ又はその抽出物の固形分換算/ツツジ科スノキ属植物又はその抽出物の固形分換算)が0.1以上300以下である、請求項1~4のいずれか1項記載の剤。
【請求項6】
製剤形態が皮膚外用剤である請求項1~5のいずれか1項記載の剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロリクリン発現促進剤、角層形成促進剤及び肌のくすみ改善剤に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚の水分保持能改善、肌荒れの防止及び改善、並びにしわの形成やきめ模様の減少等の皮膚老化の予防改善には、皮膚の表皮細胞に作用し、表皮細胞の角化を促進し、健全な角層の形成を促して、外界からの刺激や生体を防御するための角層バリア機能を健全にすることがよいとされている。
また、健全な角層の形成は肌のくすみの改善にもつながる(非特許文献1)。肌のくすみとは、顔全体又は眼のまわりや頬等の部位に生じる現象であり、肌の透明感が減少して暗く見える状態で、境界は不明瞭である。肌のくすみの発生要因は複数考えられているが、その一つに角層の肥厚等による透明性(光透過性)の低下が挙げられる(非特許文献2)。
【0003】
角層の肥厚とは角層の厚さが正常より厚くなった状態を示し、角層重層化ともいう。角層が肥厚する原因としては、加齢、乾燥、紫外線等の影響によりターンオーバーが乱れ角層細胞の形成や剥離に異常が生じることが考えられる。ここで、ターンオーバーとは、基底層におけるケラチノサイト(表皮角化細胞)の増殖と、角化の過程、角層の剥離の間断ない繰り返しのことをいう。このケラチノサイトは、角化の過程において基底細胞、有棘細胞、顆粒細胞、角層細胞と順次外部に向かって変化しながら、各層を形成している。そして、有棘層上層から顆粒層にかけてコーニファイドエンベロープ(CE)を構成する蛋白質が合成されている。さらに角層に至る過程で、酵素トランスグルタミナーゼによってケラチノサイトの細胞膜にインボルクリン、ロリクリン、シスタチン等の基質蛋白質が結合し、不溶化したCEが形成される。さらに不溶化したCEにはセラミド等が共有結合し、角層バリア機能の基礎を形成する。最終的には角層の表層に至る過程で、角質細胞の接着力が低下し、垢となって剥がれ落ちる。
従ってターンオーバーの乱れは、異常な角層の形成と剥離が異常な不全角化を引き起こし、角層の肥厚の一因となる。従来、ターンオーバーの乱れに起因する皮膚トラブルに対しては、セラミドを含有するクリーム等により解決してきた。しかし、表皮細胞の角化を促進し、角層の健全化を促す改善作用は十分ではなく、健全な角層の形成を促進する成分の開発が望まれている。
【0004】
上記基質蛋白質のうちロリクリンはCEの主要成分であり、天然保湿因子の形成をはじめ種々の角層機能に関わる。ロリクリン遺伝子変異による疾病はロリクリン角化症と総称され、角化の異常を伴うびまん性の角質肥厚等の症状がみられる(非特許文献3)。ヒト表皮角化細胞の株細胞であるHaCaT細胞にロリクリン遺伝子をトランスフェクションすると終末角化と関連するプログラム細胞死に陥り、ロリクリンが正常な角化に重要な分子であることも報告されている(非特許文献4)。従って、表皮細胞におけるロリクリンの発現促進は、ケラチノサイトの正常角化及び健全な角層の形成を促して、角層の肥厚を改善し、その結果、肌のくすみの改善を図ることができると考えられる。近年、ロリクリンは表皮細胞の分化マーカーとして着目されている。
【0005】
一方、フトモモ科ユーカリ属のユーカリ(Eucalyptus globulus)は、その抽出物がインボルクリン発現促進による角層形成促進作用を有し、皮膚の水分保持能の改善(保湿効果)、毛穴目立ちの改善に有用であることが報告されている(特許文献1)。
また、ツツジ科スノキ属のビルベリーは、その抽出物が表皮下部におけるミネラルの代謝異常を改善し、表皮細胞の増殖と表皮ターンオーバーを正常化することが報告されている(特許文献2)。
しかしながら、ユーカリとツツジ科スノキ属植物の併用によるロリクリン発現に対する作用については何ら報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-277149号公報
特開2021-155410号公報
【非特許文献】
【0007】
T. Ishida et al. J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. 54 (3): 258-63 (2020)
長沼雅子 日本香粧品学会誌 Vol. 39, No. 4, pp. 275-285 (2015)
A. I-Yamamoto. J. Dermatol. Sci. 31 (1): 3-8 (2003)
K. Yoneda et al. J. Dermatol. 37 (11): 956-964 (2010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ロリクリンの発現を促進する、ロリクリン発現促進剤、角層形成促進剤及び肌のくすみ改善剤を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、ユーカリ抽出物とツツジ科スノキ属の植物抽出物を組み合わせると、ロリクリンのタンパク質発現を相乗的に増強し、これらが角層形成促進及び肌のくすみの改善に有用であることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の1)~3)に係るものである。
1)ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とするロリクリン発現促進剤。
2)ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とする角層形成促進剤。
3)ユーカリ又はその抽出物、及びツツジ科スノキ属植物又はその抽出物を有効成分とする肌のくすみ改善剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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