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公開番号2024019906
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-14
出願番号2022122672
出願日2022-08-01
発明の名称γ-アミノ酪酸の製造方法
出願人大塚食品株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12P 13/00 20060101AFI20240206BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の目的は、植物素材からGABAを効率よく富化できる技術を提供することである。
【解決手段】植物の破砕物、搾汁、水抽出物及びそれらの濃縮物からなる群より選択される植物加工物中で、グルタミン酸脱炭酸酵素を産生する乳酸菌と酵母とを培養する工程を含むγ-アミノ酪酸の製造方法によれば、植物素材からGABAを効率よく富化できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
植物の破砕物、搾汁、水抽出物及びそれらの濃縮物からなる群より選択される植物加工物中で、グルタミン酸脱炭酸酵素を産生する乳酸菌と酵母とを培養する工程を含む、γ-アミノ酪酸の製造方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記植物がトマトである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記植物加工物のBrix3%の場合の着色度が0.2超である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記乳酸菌が、レヴィラクトバシラス(Levilactobacillus)属乳酸菌、ラクチプランチバシラス(Lactiplantibacillus)属乳酸菌、及びラクトコッカス(Lactococcus)属乳酸菌からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記乳酸菌が、レヴィラクトバシラス・ブレビス(Levilactobacillus brevis)、ラクチプランチバシラス・プランタラム(Lactiplantibacillus plantarum)、及びラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記酵母が、サッカロマイセス(Saccharomyces)属酵母及びウィッカーハモマイセス(Wickerhamomyces)属酵母からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記酵母が、サッカロマイセス・シェルビッシェ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、及びウィッカーハーモマイセス・アノマラ(Wickerhamomyces anomalus)からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の製造方法によって、γ-アミノ酪酸が富化された植物加工物を得る工程と、
前記γ-アミノ酪酸が富化された植物加工物を用いて飲食品を調理する工程と、を含む、飲食品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、γ-アミノ酪酸の製造方法に関する。具体的には、本発明は、植物から得られる加工物を材料としてγ-アミノ酪酸を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid,以下「GABA」とも記載する。)は、L-グルタミン酸からグルタミン酸脱炭酸酵素(glutamate decarboxylase)による脱炭酸反応で生成する非タンパク性アミノ酸であり、生物界に微量ながら広く存在している。具体的には、GABAは、野菜、果実等の食品素材に含まれており、食生活の中で摂取されている成分の一つである。
【0003】
GABAは、高等動物では、抑制系の神経伝達物質として働くことが判っている。また、GABAは、その生理的作用に関して、血管拡張による血圧低下(上昇抑制)作用(非特許文献1参照)をはじめとして、動脈硬化予防、肝機能改善、腎機能向上、精神安定などの作用を有することが報告されている(非特許文献2参照)。更に、GABAは、中性脂肪増加抑制作用(肥満防止作用);更年期障害症状緩和;記憶改善、学習能力増強などの脳機能改善作用;アルコール代謝促進などの様々な生理機能を有することも知られている(非特許文献3-5参照)。
【0004】
このように有用な生理作用からGABAは機能性食品素材として注目されているが、食品素材中に含まれるGABAは非常に少なく、上記生理活性を果たすための有効量を食品から摂取することは従来困難であった。
【0005】
そこで、食品素材中のGABA含有量を増加させる方法が検討されてきた。ラクトバシラス・ブレビス(レヴィラクトバシラス・ブレビス)、ラクトバシラス・プランタルム(ラクチプランチバシラス・プランタルム)などの乳酸菌が、グルタミン酸脱炭酸酵素を有し、食品素材中のグルタミン酸からGABAを生成する能力を有するものが報告されており(非特許文献6-8)、食品素材中のGABA含有量を増加させる方法においては、通常、乳酸菌が用いられ、さらに、培地にグルタミン酸や酵母エキスが添加される場合もある(特許文献1-5及び非特許文献9-11)。
【0006】
食品素材中のGABA含量を増加させるために、発酵材料として、グルタミン酸含量が多い食品素材を用いることが、一見合理的である。中でもトマトに多くのグルタミン酸が含まれていることから、上記の発酵材料として選択されることがある。しかしながら、このようなトマトを用いた検討において、乳酸発酵においてBrix3%における濾液着色度が0.2より高いトマト処理物を発酵原料とする場合にGABAへの変換率が著しく低下すること(特許文献6)が示されているように、トマトを発酵材料として用いる場合には着色度が十分に低いものを用いる必要があるため、一般的に食品加工に用いるトマトピューレや濃縮トマトペーストを利用できず、グルタミン酸含量が多いというトマトの特性を有効利用できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-210075号公報
特開2004-215529号公報
特開2003-333990号公報
特開2006-314207号公報
特開2007-289008号公報
特開2007-060990号公報
【非特許文献】
【0008】
日本食品科学工学会誌、49、409-415、2002
大阪生物環境科学研究所レポート「GABA高濃度発酵エキス」(2002);上野義栄他、京都M&T総合センター情報、2001.6、研究報告)
Psychopharmacology, 56, 127-132 (1978)
日本食品科学工学会誌、vol.47, 596-603 (2000)
食品と開発、63, 4-6 (2001)
生物工学会誌、vol.75, 239-244 (1997)
Food Microbiology, vol.22 497-504 (2003)
生物工学会誌、vol.85, 109-114 (2007)
J. Brew. Soc. Japan, Vol.98, No.3, p.221-224 (2003)
Food Style, 21, 2003.3 (Vol.7, No.3), p.64-68
Food Style, 21, 2004.3 (Vol.8, No.3), p.64-68
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
植物素材は天然素材であり、発酵材料として用いられる態様のものは多種多様の成分を含む複雑な組成を構築しているため、単純にグルタミン酸が含まれているといっても、酵素が効率的に反応することは困難である。トマトの場合に至っては着色度の高い材料を用いて酵素反応させることができないため、酵素反応の効率性の悪さが顕著な植物素材といえる。このように、トマトをはじめとする植物素材からGABAを効率よく富化することは困難であった。
【0010】
そこで本発明は、植物素材からGABAを効率よく富化できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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