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公開番号2024053465
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159774
出願日2022-10-03
発明の名称バクテリオファージ及びその利用
出願人国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 7/00 20060101AFI20240408BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】う蝕原因菌であるS.ミュータンスに感染し、これを特異的に排除することが可能なバクテリオファージを提供する。
【解決手段】配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は配列番号1で示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む、バクテリオファージ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は配列番号1で示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む、バクテリオファージ。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
請求項1記載のバクテリオファージを有効成分とするストレプトコッカス・ミュータンス増殖抑制剤。
【請求項3】
請求項1記載のバクテリオファージを有効成分とする口腔バイオフィルム形成阻害剤。
【請求項4】
請求項1記載のバクテリオファージを有効成分とするう蝕予防剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はストレプトコッカス・ミュータンスに特異的に感染するバクテリオファージに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
人類は、様々な細菌感染症を抗菌薬によって克服してきたが、既に臨床で使用されているほぼ全ての抗菌薬に対して耐性菌が出現している。薬剤耐性菌の出現及び蔓延は世界的に問題視されており、世界各国で薬剤耐性菌に対する対策が講じられている。日本でも2016年に薬剤耐性対策アクションプランが立ちあがり、抗菌薬の適正使用が提唱されているが、それに加えて新しい治療薬の開発も本アクションプランに掲げられている。しかし、抗菌薬の開発は頭打ちの状態であり、新しい観点からの開発が必要である。
【0003】
一方、2014年にnature誌から、ファージを用いた療法の有用性の報告がされた(非特許文献1)。これは薬剤耐性菌の問題を受け、ファージ療法が関心を集め始めていることを表している。ファージとは、細菌に特異的に感染するウイルスのことであり、正式にはバクテリオファージと呼ばれる。ファージが感染した細菌は細胞膜を破壊され、死滅する。自然界には多くのファージが存在することが明らかになっており、細菌に特異的に作用することから人体には無害である。そこで、これまでの抗菌薬に次ぐ第2の抗菌剤として、病原細菌を特異的に殺菌するバクテリオファージの探索が盛んになってきている。
【0004】
ヒトの口腔に常在するミュータンス菌はストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus.mutans;以下、「S.ミュータンス」と称す」)とストレプトコッカス・ソブリヌス(Streptococcus.sobrinus)がある。S.ミュータンスは砂糖の成分であるスクロースを分解し、粘着性が高い不溶性グルカンを産生する。この不溶性グルカンがデンタルプラーク形成には必須の成分であり、S.ミュータンスのみが形成する。また、S.ミュータンスは酸産生能が高く、歯の成分を脱灰することでう蝕を誘発する。したがって、S.ミュータンスを口腔から除去することで、デンタルプラーク形成を抑制し、う蝕の発症を阻害することができ、さらに歯周病発症の抑制にもつながると考えられている。
【0005】
さらに、近年口腔と全身疾患との関連性が着目され、特に口腔細菌が糖尿病、動脈硬化症、関節リウマチ、アルツハイマー病(ALZ)、がんなど様々な疾患との関連が報告されている(非特許文献2)。また、S.ミュータンス自体が脳卒中や認知機能障害などと関連があることも報告されている(非特許文献3)。
したがって、S.ミュータンスの除去は、これらの疾患の予防にも繋がると考えられ、QOLの向上に大きく寄与すると考えられる。
【0006】
これまで、う蝕予防法としてブラッシング、洗口剤などの方法があるが、S.ミュータンスを排除することは困難であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Reardon S. Nature 2014.510(7503):15-16.
Bui FQ, et al. Biomed J. 2019. 42(1):27-35
Watanabe I, et al. Sci Rep. 2016. 6:38561.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、う蝕原因菌であるS.ミュータンスに感染し、これを特異的に排除することが可能なバクテリオファージを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ヒト口腔由来分離株であるS.ミュータンス KSM96株から、S.ミュータンスに感染してその増殖を抑制し、当該菌によるバイオフィルム形成を阻害できる新たなバクテリオファージを見出した。
【0010】
本発明は、以下の1)~4)に係るものである。
1)配列番号1で示される塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は配列番号1で示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を有する塩基配列からなるポリヌクレオチドを含む、バクテリオファージ。
2)1)のバクテリオファージを有効成分とするストレプトコッカス・ミュータンス増殖抑制剤。
3)1)のバクテリオファージを有効成分とする口腔バイオフィルム形成阻害剤。
4)1)のバクテリオファージを有効成分とするう蝕予防剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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