TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024048991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155201
出願日2022-09-28
発明の名称細胞凍結保存液、及び細胞凍結方法
出願人株式会社アビー
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類C12N 1/04 20060101AFI20240402BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】解凍後の細胞生存率が高く、安全性に優れた安価で、原料の入手が容易な細胞凍結保存液を提供する。
【解決手段】生理食塩水を溶媒とし、主添加剤と副添加剤とを含み、主添加剤は、フルクトオリゴ糖であり、副添加剤は、オボアルブミン、コンドロイチン硫酸、及びコラーゲンペプチドのいずれか一つである細胞凍結保存液としている。好ましくは、生理食塩水の中に10wt%以上30wt%以下の割合でフルクトオリゴ糖が含まれるフルクトオリゴ糖溶液に副添加剤が添加されてなり、当該副添加剤が0.1wt%以上10wt%以下の割合で添加されてなる細胞凍結保存液とすることである。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
生理食塩水であるD-PBSを溶媒とし、主添加剤と副添加剤とを含み、
前記主添加剤は、フルクトオリゴ糖であり、
前記副添加剤は、オボアルブミン、コンドロイチン硫酸、及びコラーゲンペプチドのいずれか一つである、
細胞凍結保存液。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
請求項1に記載の細胞凍結保存液であって、前記生理食塩水の中に10wt%以上30wt%以下の割合で前記フルクトオリゴ糖が含まれるフルクトオリゴ糖溶液に前記副添加剤が添加されてなり、当該副添加剤が0.1vol%以上10vol%以下の割合で含まれている、細胞凍結保存液。
【請求項3】
請求項2に記載の細胞凍結保存液であって、前記オボアルブミンが0.5vol%以上1.0vol%以下の割合で含まれている、細胞凍結保存液。
【請求項4】
請求項2に記載の細胞凍結保存液であって、前記コンドロイチン硫酸が3.0vol%以上10.0vol%以下の割合で含まれている、細胞凍結保存液。
【請求項5】
請求項2に記載の細胞凍結保存液であって、前記コラーゲンペプチドが5.0vol%以上10.0vol%以下の割合で含まれている、細胞凍結保存液。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の細胞凍結保存液を用いて細胞を凍結させる方法であって、
凍結対象となる細胞に前記細胞凍結保存液を加えた細胞懸濁液をサンプルとして作製するサンプル作製ステップと、
前記サンプルが収納された第1の容器を、2-プロパノールで満たされた第2の容器内に設置するするサンプル設置ステップと、
前記サンプル設置ステップに次いで、前記第2の容器を冷凍庫内に載置して前記サンプルを凍結させる凍結ステップと、
を含み、
前記凍結ステップでは、前記サンプルを載置した前記冷凍庫内を、前記サンプルが超過冷却状態となる温度まで徐冷するとともに、当該温度で所定時間維持する、
細胞凍結方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は細胞凍結保存液、及び細胞凍結方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、各種臓器の細胞組織や多能性細胞等を凍結保存しておき、移植等の治療時に凍結保存しておいた細胞を解凍して利用する、細胞凍結技術が注目されている。細胞組織の一般的な凍結方法は、例えば、細胞組織に、生理食塩水に各種添加剤を添加した凍結保存液を加えた細胞懸濁液を作製し、その細胞懸濁液が入った容器(クライオチューブなど)を、2-プロパノールで満たされた細胞凍結容器内に設置し、その細胞凍結容器を、冷凍装置の冷凍庫内に保持することで行われる。
【0003】
より具体的は、プログラムフリーザーなどを用いて所定の降温速度(例えば、1℃/min等)で所定の温度(例えば、-80℃)まで冷却することで行われる。あるいは、細胞凍結容器を所定の温度(例えば、-80℃)に設定された冷凍庫内に所定時間(例えば、24H)保持することで行われる。そして、凍結後の細胞懸濁液が入った容器を液体窒素に浸漬して凍結細胞を保存する。
【0004】
なお、以下の非特許文献1や2にはiPS細胞の凍結保存技術について記載されている。また以下の非特許文献3には、iPS細胞などの細胞組織の凍結保存方法や細胞組織用の凍結保存液の概略について記載されている。以下の特許文献1や非特許文献4には、細胞毒性が低い細胞凍結保存液である細胞凍結保存用組成物について記載されている。
【0005】
また、以下の特許文献2、3には、糖類を含む細胞凍結保存液について記載され、以下の非特許文献5には本願発明に関連して、豚精子を凍結保存する際の各種糖類による凍害防禦効果について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-115837号公報
特開2022-79113号公報
特開2022-104240号公報
【非特許文献】
【0007】
京都大学、”ヒトiPS細胞の効果的凍結保存法の確立”、[online]、[令和4年9月15日検索]、インターネット<URL:http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2010/101201_3.htm>
公益社団法人日本生物工学会、” 霊長類ES/iPS細胞の凍結保存”、[online]、[令和4年9月15日検索]、インターネット<URL:https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9009/9009_tokushu-1_3.pdf>
ゼノジェンファーマ株式会社、”STEM-CELLBANKER GMP grade 製品案内(「STEM-CELLBANKER」は登録商標)”、[online]、[令和4年9月15日検索]、インターネット<URL:https://www.zenogenpharma.com/stem-cellbanker.html>
ナカライテスク株式会社、”細胞保存液 Cell Reservoir One”、[online]、[令和4年9月15日検索]、インターネット<URL:https://www.nacalai.co.jp/products/entry/d001007.html>
日本養豚学会、”学会誌第30巻1号「凍結豚精子の生存及び頭帽の形態維持に対するフラクトオリゴ糖の効果」”、[online]、[令和4年9月13日検索]、インターネット<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/youton1987/30/1/30_1_11/_pdf/-char/ja>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般的な細胞凍結保存液は、非特許文献3に記載されているように、添加剤としてジメチルスルホキシド(DMSO)を含んでいる。しかし、DSMOには細胞毒性があることが知られている。したがって、現在の実験レベルや臨床レベルにある、医療用途の細胞凍結保存技術を、今後の実用レベルにまで移行させていくことを考慮すると、細胞凍結保存液にはより高い安全性が求められる。もちろん、細胞凍結保存液には、安全性ととともに、解凍時に高い細胞生存率を有することも求められている。
【0009】
上記特許文献1や非特許文献4に記載の細胞凍結保存液は、絹タンパク質であるセリシンを主とした添加剤を含み、さらに、これらの文献にはDSMOを含まないものについても開示されている。しかしながら、セリシンは、マユ由来の絹タンパク質を原料とし、製糸過程の製錬工程で発生する排水中から抽出して精製して得ることから、より低いコストで製造することが難しい。また、原料の入手先も限定される。
【0010】
医療用途の細胞凍結技術を実用レベルにまで引き上げるためには、安全性が高く、かつ安価で入手が容易な原料を用いつつ、細胞生存率の向上も期待できる細胞凍結保存液を得ることが必要である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社アビー
細胞凍結保存液、及び細胞凍結方法
1か月前
個人
DNA増幅システム
1か月前
東洋紡株式会社
逆転写反応用組成物
17日前
三菱製紙株式会社
パルプの糖化方法
1か月前
株式会社ブラスト
細胞培養装置
1か月前
学校法人近畿大学
高感度PCR法
1か月前
株式会社ブラスト
密閉チャンバー
1か月前
国立大学法人 東京大学
ゲノム編集技術
1か月前
相生ユニビオ株式会社
ウイスキーの製造方法
23日前
学校法人立命館
紐状構造物の製造方法
16日前
小林製薬株式会社
黒ずみ形成方法
1か月前
株式会社パウレック
培養装置及び培養方法
1か月前
個人
急性ストレス評価用データの生成方法
3日前
松谷化学工業株式会社
アルコール飲料及びその製造方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
株式会社東海ヒット
完全閉鎖型灌流液送液系
23日前
国立大学法人東京海洋大学
熱処理リゾチーム組成物
22日前
株式会社デンソー
バイオセンサ装置
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
国立大学法人神戸大学
機能的免疫賦活乳酸菌
2か月前
学校法人 中央大学
ナノ粒子検出方法
1か月前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
花王株式会社
リパーゼの探索方法
1か月前
横河電機株式会社
核酸抽出方法
3日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
株式会社ヤマザキエンジニアリング
製麹装置及び製麹方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
29日前
横河電機株式会社
誘電泳動装置
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
続きを見る