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公開番号2024054676
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022161068
出願日2022-10-05
発明の名称廃水の濃縮装置及び濃縮方法
出願人栗田工業株式会社,国立大学法人神戸大学
代理人個人,個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20240410BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】浸透圧補助型逆浸透の給水pHを調整することにより、安定して廃水の濃縮処理を行うことができる廃水の濃縮装置及び濃縮方法を提供する。
【解決手段】浸透圧補助型逆浸透膜で隔てられた一次室及び二次室を有した、浸透圧補助型逆浸透法を行う浸透圧補助型逆浸透装置と、該一次室に被処理水を供給する給水手段とを有する廃水の濃縮装置及び方法において、該給水手段は、浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを第1所定pH~第2所定pH(ただし、第1所定pHがアルカリ性のpH、第2所定pHは酸性のpH)とするように、被処理水の少なくとも一部をカチオン交換装置又はアニオン交換装置で処理する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
浸透圧補助型逆浸透膜で隔てられた一次室及び二次室を有した、浸透圧補助型逆浸透法を行う浸透圧補助型逆浸透装置と、該一次室に被処理水を供給する給水手段とを有する廃水の濃縮装置において、
該給水手段は、イオン交換装置を有することを特徴とする廃水の濃縮装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記被処理水のpHがアルカリ性であり、前記イオン交換装置がカチオン交換装置である請求項1の廃水の濃縮装置。
【請求項3】
前記被処理水のpHが酸性であり、前記イオン交換装置がアニオン交換装置である請求項1の廃水の濃縮装置。
【請求項4】
前記給水手段は、前記イオン交換装置の処理水と、イオン交換処理を行っていない被処理水とを混合して前記浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを第1所定pH~第2所定pH(ただし、第1所定pHはアルカリ性のpH、第2所定pHは酸性のpH)とすることが可能に構成されている、請求項1の廃水の濃縮装置。
【請求項5】
前記給水手段は、
前記イオン交換装置の処理水と、イオン交換処理を行っていない被処理水とを混合して前記浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを第1所定pH~第2所定pH(ただし、第1所定pHはアルカリ性のpH、第2所定pHは酸性のpH)とする流路選択と、
前記イオン交換装置の第1所定pH~第2所定pHの処理水を前記浸透圧補助型逆浸透装置に供給する流路選択と
が切り替え可能に構成されている、請求項1の廃水の濃縮装置。
【請求項6】
前記給水手段は、
前記イオン交換装置の処理水と、イオン交換処理を行っていない被処理水とを混合して前記浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを第1所定pH~第2所定pH(ただし、第1所定pHはアルカリ性のpH、第2所定pHは酸性のpH)とする流路選択と、
前記イオン交換装置からの第1所定pH~第2所定pHの処理水を前記浸透圧補助型逆浸透装置に供給する流路選択と、
前記被処理水のpHが第1所定pH~第2所定pHである場合に該被処理水をそのまま前記浸透圧補助型逆浸透装置に供給する流路選択と
が切り替え可能に構成されている、請求項1の廃水の濃縮装置。
【請求項7】
浸透圧補助型逆浸透膜の材質が酢酸セルロースである請求項1~6のいずれかの廃水の濃縮装置。
【請求項8】
浸透圧補助型逆浸透膜で隔てられた一次室及び二次室を有した浸透圧補助型逆浸透装置と、該一次室に被処理水を供給する、イオン交換装置を有する給水手段とを有する廃水の濃縮装置を用いた廃水の濃縮方法であって、
前記浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを、該イオン交換装置への通水によって調整する工程を有する廃水の濃縮方法。
【請求項9】
前記浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを第1所定pH~第2所定pH(ただし、第1所定pHはアルカリ性のpH、第2所定pHは酸性のpH)とする請求項8の廃水の濃縮方法。
【請求項10】
前記被処理水のpHが第1所定pHよりも高いときには、被処理水の少なくとも一部をカチオン交換装置で処理し、
被処理水のpHが第2所定pHよりも低いときには、被処理水の少なくとも一部をアニオン交換装置で処理する、請求項9の廃水の濃縮方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃水の濃縮装置に係り、特に浸透圧補助型逆浸透法による廃水の濃縮装置に関する。また、本発明は、この濃縮装置を用いた廃水の濃縮方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
廃液を濃縮して、有価物として回収したり、産廃費用を削減する試みが多く見られるようになっている。電子産業では大量のイソプロピルアルコール(IPA)を使用するが、省資源、脱炭素の観点から、これを回収して再利用する動きがある。
【0003】
従来から廃水を濃縮する方法として、一般的にエバポレーターによる蒸発法が用いられている。この方法では、水の相変化を伴うため、エネルギー消費が大きいのが課題である。RO膜を用いると、水の相変化を伴わないため、エネルギー消費量の低減が期待できるが、廃水の浸透圧が高くなると高い圧力をかけなければならず、高圧仕様の装置が必要となる。濃度が1~5wt%程度のIPA水溶液をIPA濃度15wt%以上に濃縮するためには10MPa以上の圧力が必要であり、現実的ではない。
【0004】
高浸透圧の水溶液を逆浸透(RO)膜で濃縮する際に、透過水側に、供給水側よりも低浸透圧の水溶液を流すことで浸透圧差を小さくして、駆動圧力を低くする浸透圧補助型逆浸透法(Osmotically Assisted Reverse Osmosis METHOD(OARO)法)がある(特許文献1等)
OARO法では、透過側にも通液するため、構造上、中空糸RO膜が適しており、東洋紡株式会社より、BC(Brine Concentration)膜として市販されている。BC膜の素材は酢酸セルロースであるため、pHを3~8とする必要がある。
【0005】
廃水の濃縮にBC膜を用いる場合、廃水のpHが3より低い場合や8より高いときにはpH調整を行う必要があり、中和のために必要なアルカリや酸を添加しなければならず、浸透圧の上昇、濃縮塩の増加、薬品代の増加といった問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2019-504763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
浸透圧補助型逆浸透法で廃水を濃縮する際、廃水のpHが8よりも高い場合、あるいは3よりも低い場合がある。pH調整するために、一般的には酸やアルカリの添加が考えられるが、中和によって生成する塩がさらに浸透圧を上昇させることになる。また、有機成分の濃縮を目的としていた場合、生成した塩も同時に濃縮されてしまう。
【0008】
本発明は、浸透圧補助型逆浸透装置への給水のpHを調整することにより、安定して廃水の濃縮処理を行うことができる廃水の濃縮装置及び濃縮方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の廃水の濃縮装置は、浸透圧補助型逆浸透膜で隔てられた一次室及び二次室を有した、浸透圧補助型逆浸透法を行う浸透圧補助型逆浸透装置と、該一次室に被処理水を供給する給水手段とを有する廃水の濃縮装置において、該給水手段は、イオン交換装置を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様の廃水の濃縮装置では、前記被処理水のpHがアルカリ性であり、前記イオン交換装置がカチオン交換装置である。
(【0011】以降は省略されています)

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