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公開番号2024049232
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155574
出願日2022-09-28
発明の名称固液分離装置および活性汚泥処理方法
出願人日本アルシー株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 11/121 20190101AFI20240402BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】省スペースでありつつ処理効率に優れ、余剰汚泥の低減に寄与する固液分離装置を提供する。
【解決手段】固液分離装置20は、無機質系汚泥を含む固液混合水から無機質系汚泥と水とを分離させ、所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバー27を有し、無機質系汚泥を支持する支持部26と、支持部26の平面視において、バー27の延伸方向へとバー27と直交して配置される複数の回転軸29と、回転軸29の軸方向に、バー27と交互に配置されるように回転軸29に固定される複数の回転体28とを備え、回転体28の外周形状は、回転軸29の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状である。
x2/a2+y2/(a2+c2)=1・・・(1)
a2+c2=b2・・・(2)
0<a<b・・・(3)
a+b<S≦2b・・・(4)
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
無機質系汚泥を含む固液混合水から前記無機質系汚泥と水とを分離させる固液分離装置であって、
所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバーを有し、前記無機質系汚泥を支持する支持部と、
前記支持部の平面視において、前記バーの延伸方向へと前記バーと直交して配置される複数の回転軸と、
前記回転軸の軸方向に、前記バーと交互に配置されるように前記回転軸に固定される複数の回転体とを備え、
前記回転体の外周形状は、前記回転軸の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であることを特徴とする固液分離装置。


/a

+y

/(a

+c

)=1・・・(1)


+c

=b

・・・(2)
0<a<b・・・(3)
a+b<S≦2b・・・(4)
x:楕円短軸方向の軸
y:前記楕円短軸方向と直交する楕円長軸方向の軸
a:楕円短軸の長さの1/2
b:楕円長軸の長さの1/2
c:前記回転体の中心と焦点との距離
S:隣接する前記回転軸の中心同士の距離
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記バーの延伸方向に隣接する前記回転体同士の位相差が90°であり、かつ、前記回転軸の軸方向に隣接する前記回転体同士の位相差が90°であることを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
【請求項3】
前記複数の回転体において前記バーの延伸方向に隣接する前記回転体の外周面の間隔Gが、下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項2記載の固液分離装置。
0.01(b-a)<G<0.5(b-a)・・・(5)
【請求項4】
前記回転体における下記式(6)で定義される扁平率fが30%以上90%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
f=((b-a)/b)×100・・・(6)
【請求項5】
前記回転軸の軸方向に隣接し対向する前記回転体の側面同士の面間距離Dsと、前記バーの厚みTbとが、下記式(7)を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
Tb<Ds≦4Tb・・・(7)
【請求項6】
原水曝気調整槽および微生物反応槽を備え、前記微生物反応槽で発生する汚泥含有処理水を前記原水曝気調整槽へ循環する循環システムにより排水を処理する活性汚泥処理方法であって、
前記微生物反応槽より発生する汚泥含有処理水を、前記微生物反応槽と前記原水曝気調整槽との間に設けられた固液分離装置により、無機質系汚泥と処理原水2とに分離する工程1と、
分離された前記処理原水2を前記原水曝気調整槽に供給する工程2と、
前記処理原水2が混合された原水を前記原水曝気調整槽にて、酸化還元電位が正の値になるように曝気調整した後、この調整された処理原水1を前記微生物反応槽に供給する工程3と、
前記微生物反応槽からの放出水を放流水とする工程4とを有し、
前記微生物反応槽は、外槽と、この外槽の内部に配置されて上下に開口部を有する円筒状内槽と、この円筒状内槽上部に設けられて被処理水の槽内循環率を制御する循環率制御装置と、前記円筒状内槽の上部外周に設けられて汚泥を沈降させるための制御円筒と、前記円筒状内槽の外側および内側に設けられた被処理水質測定装置と、前記外槽および内槽内を循環する被処理水の循環経路に設けられた原水供給口および前記外槽の上部に設けられた処理水放出口とを具備してなり、
前記円筒状内槽は、中心部に連通孔を有する隔壁で円筒上部と円筒下部とに分割され、前記円筒上部は、該円筒上部内の前記連通孔周囲および前記隔壁周縁部に複数の空気吹込口が設けられ、前記外槽内に配置される複数の支持柱により前記隔壁が支えられて外槽内部に配置された好気微生物処理槽であり、前記円筒下部は底面に開口部を有する嫌気微生物処理槽であり、
前記好気微生物処理槽内および前記嫌気微生物処理槽内をそれぞれ撹拌する撹拌装置が設けられ、
前記被処理水質測定装置により測定される被処理水の水素イオン濃度、酸化還元電位および溶存酸素量から選ばれた少なくとも1つの測定値を検出する手段と、
前記検出された測定値に応じて前記円筒状内槽上部に配置された前記循環率制御装置内に設けられた、被処理水の水位レベルが液面調節バルブの全開時に最も低くなるよう調節する液面調節バルブの開閉、被処理水の水位レベルが液面調節板の最下位時に最も低くなるよう調節する液面調節制御板の上下動、および前記空気吹込口から吹込まれる空気量から選ばれる少なくとも1つの量を制御することにより、前記被処理水の槽内循環率を3~20に制御する手段とを備え、
前記原水供給口より供給される原水が活性汚泥と共に前記円筒状内槽の内部と、前記円筒状内槽の外周面と、前記外槽下部に沈降した活性汚泥内とを経て槽内を循環することで嫌気微生物処理および好気微生物処理が連続してなされ、
前記固液分離装置が、請求項1または請求項2記載の固液分離装置であることを特徴とする活性汚泥処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固液分離装置およびこの固液分離装置を用いる活性汚泥処理方法に関し、特に無機質系汚泥を多く含む排水の合流式排水処理設備における固液分離装置および活性汚泥処理方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
活性汚泥処理方法は極めて優れた排水処理方法であるため、広く排水処理に用いられ、原水の種類に応じていろいろな処理方式が提案されている。
従来の活性汚泥処理法においては、食物連鎖を利用して土壌細菌から大型の原生動物に至るまで種々の微生物が利用されている。しかし、活性汚泥処理には次の問題がある。(1)曝気槽を大きくして長時間曝気して消化させる方法(ラグーン方式・オキシデーションデッチ)では膨大な容量の曝気槽が必要になること、(2)流入原水中の水素イオン濃度(以下、pHという)を中性にするための薬品が必要になること、(3)活性汚泥を殺菌するような有害物質が流入すると、活性汚泥が損傷を受け、原水の浄化機能を失ったり糸状細菌性バルキングを引き起こしたりしやすくなること、(4)流入処理原水の汚濁物質成分の変動が大きい場合、高速エアレーション活性汚泥処理の場合等にバルキングが発生しやすくなることである。
【0003】
上記問題を解決するために、本出願人は微生物反応槽および排水処理方法(特許文献1)を開発し、多くの分野で排水処理の実績を上げている。
また、余剰汚泥の削減法の1つとして、余剰汚泥にオゾン処理を施した後、曝気槽へ返送する方法が開示されている(非特許文献1)。その他、高温菌で処理したり、機械的に破砕したり、化学的に処理したりした後に、曝気槽に返送する方法が知られている。
しかしながら、排水処理の多様化が進み、環境負荷に対する規制が厳しくなるにつれて、上記各方法による排水処理においても余剰汚泥を少なくすることが困難になる場合がある。
【0004】
上記問題を解決するために、図8に示すように、本出願人は原水曝気調整槽14’および微生物反応槽1’を備え、この微生物反応槽1’で発生する汚泥を原水曝気調整槽14’へ循環する循環システムにより排水を処理する活性汚泥処理方法において、処理前の原水が供給される原水曝気調整槽14’に、微生物反応槽1’より発生する汚泥1を供給する工程1と、汚泥1が混合された原水を原水曝気調整槽14’にて、酸化還元電位が正の値になるように曝気調整した後、この調整された処理原水1を微生物反応槽1’に供給する工程2と、微生物反応槽1’からの放出水を放流水とする工程3とを有することを特徴とする活性汚泥処理方法について開示している(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、この活性汚泥処理方法においても、以下のような懸念がある。
(1)下水道の排水処理方式には、汚水管と雨水管とを別々に布設にして、汚水管から排出される家庭用などの汚水は排水処理をして放流し、雨水管からの雨水はそのまま川や海に流す分流式下水道方式と、家庭用などの汚水と雨水を1つの管路で排水処理設備に送る合流式下水道方式とがある。合流式下水道方式は、分流式下水道方式に比べて、管路が1本で済むので建設費が安くなる。このため、合流式下水道方式は特に発展途上国に多く採用されている。この合流式下水道方式の場合、上記汚泥循環システムを採用しても、微生物反応槽で分解できない無機質系汚泥が多くなると、汚泥の処理が困難になる場合が多くなる。また、汚泥が多くなると処理に伴う悪臭の発生により活性汚泥処理装置を住民が密集する都市部に設置することが困難になる。
(2)無機質系汚泥を多く含む合流式下水道方式による排水処理設備の設置スペースの確保が困難になる。
(3)合流式下水道方式による排水処理の場合、無機質系汚泥を多く含むため、微生物反応槽から排出される汚泥の発生が多く、また、悪臭の発生により、その処理にコストがかかる。
(4)都市部に排水処理装置を設置する場合、省スペースとなることが多く、小型排水処理装置の運転操作に対して多くの経験や技術が要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
安井英斉、化学工学 第66巻第6号、329-331頁、2002年
【特許文献】
【0007】
特許第4142138号
国際公開WO2013/132611
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題に対処するためになされたもので、活性汚泥処理法を用いる排水処理方法に付随して使用でき、無機質系汚泥を多く含む排水(例えば、合流式下水道方式における排水)の排水処理であっても、省スペースでありつつ処理効率に優れ、余剰汚泥の低減に寄与する固液分離装置およびこの固液分離装置を用いる活性汚泥処理方法の提供を目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の固液分離装置は、無機質系汚泥を含む固液混合水から上記無機質系汚泥と水とを分離させる固液分離装置であって、所定の間隔を開けて平行に配置される複数のバーを有し、上記無機質系汚泥を支持する支持部と、上記支持部の平面視において、上記バーの延伸方向へと上記バーと直交して配置される複数の回転軸と、上記回転軸の軸方向に、上記バーと交互に配置されるように上記回転軸に固定される複数の回転体とを備え、上記回転体の外周形状は、上記回転軸の軸方向に見た場合、xy直交座標において、下記式(1)~(4)を満たす楕円形状、または、該楕円形状の一部に凹部若しくは凸部を有する略楕円形状であることを特徴とする。


/a

+y

/(a

+c

)=1・・・(1)


+c

=b

・・・(2)
0<a<b・・・(3)
a+b<S≦2b・・・(4)
x:楕円短軸方向の軸
y:上記楕円短軸方向と直交する楕円長軸方向の軸
a:楕円短軸の長さの1/2
b:楕円長軸の長さの1/2
c:上記回転体の中心と焦点との距離
S:隣接する上記回転軸の中心同士の距離
【0010】
上記バーの延伸方向に隣接する上記回転体同士の位相差が90°であり、かつ、上記回転軸の軸方向に隣接する上記回転体同士の位相差が90°であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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