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公開番号2024067819
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022178164
出願日2022-11-07
発明の名称有機性排水の色度除去方法および色度除去装置
出願人水ing株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/52 20230101AFI20240510BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】最適な添加量でアルミニウム系凝集剤を添加することで、有機性排水の色度を除去する方法を提供する。
【解決手段】色度除去方法は、有機性排水を生物処理槽1で生物処理することで、該有機性排水から有機物が除去された生物処理水を生成し、生物処理水を第1ろ過器5でろ過し、第1ろ過器5でろ過された生物処理水の色度を第1色度計6で測定し、第1色度計6で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を決定し、決定された添加量のアルミニウム系凝集剤を生物処理水に添加して、色度処理水を生成し、色度処理水を第2ろ過器12でろ過し、第2ろ過器12でろ過された色度処理水の色度を第2色度計15で測定し、第2色度計15で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を調節する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
有機性排水を生物処理槽で生物処理することで、該有機性排水から有機物が除去された生物処理水を生成し、
前記生物処理水を第1ろ過器でろ過し、
前記第1ろ過器でろ過された前記生物処理水の色度を第1色度計で測定し、
前記第1色度計で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を決定し、
前記決定された添加量のアルミニウム系凝集剤を前記生物処理水に添加して、色度処理水を生成し、
前記色度処理水を第2ろ過器でろ過し、
前記第2ろ過器でろ過された前記色度処理水の色度を第2色度計で測定し、
前記第2色度計で測定された色度に基づいて前記アルミニウム系凝集剤の前記添加量を調節する、有機性排水の色度除去方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記調節された添加量の前記アルミニウム系凝集剤を、前記生物処理槽で生成された後続の生物処理水に添加することで、前記後続の生物処理水の色度を100度以下にする工程をさらに含む、請求項1に記載の有機性排水の色度除去方法。
【請求項3】
前記第1色度計は、第1波長における吸光度を測定し、前記第2色度計は、前記第1波長よりも短い第2波長における吸光度を測定する、請求項1に記載の有機性排水の色度除去方法。
【請求項4】
有機性排水に対して、膜分離槽により膜分離活性汚泥法を行うことで、該有機性排水から有機物および濁質が除去された生物処理水を生成し、
前記生物処理水の色度を第1色度計で測定し、
前記第1色度計で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を決定し、
前記決定された添加量のアルミニウム系凝集剤を前記生物処理水に添加して、色度処理水を生成し、
前記色度処理水をろ過器でろ過し、
前記ろ過器でろ過された前記色度処理水の色度を第2色度計で測定し、
前記第2色度計で測定された色度に基づいて前記アルミニウム系凝集剤の前記添加量を調節する、有機性排水の色度除去方法。
【請求項5】
前記調節された添加量の前記アルミニウム系凝集剤を、前記膜分離槽で生成された後続の生物処理水に添加することで、前記後続の生物処理水の色度を100度以下にする工程をさらに含む、請求項4に記載の有機性排水の色度除去方法。
【請求項6】
前記第1色度計は、第1波長における吸光度を測定し、前記第2色度計は、前記第1波長よりも短い第2波長における吸光度を測定する、請求項4に記載の有機性排水の色度除去方法。
【請求項7】
有機性排水を生物処理することで、該有機性排水から有機物が除去された生物処理水を生成する生物処理槽と、
前記生物処理水をろ過する第1ろ過器と、
前記第1ろ過器でろ過された前記生物処理水の色度を測定する第1色度計と、
前記第1色度計で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を決定する制御装置と、
前記決定された添加量の前記アルミニウム系凝集剤を、前記生物処理水に添加するアルミニウム系凝集剤添加装置と、
前記生物処理水と前記アルミニウム系凝集剤とを撹拌して、色度処理水を生成する色度処理槽と、
前記色度処理水をろ過する第2ろ過器と、
前記第2ろ過器でろ過された前記色度処理水の色度を測定する第2色度計を備え、
前記制御装置は、前記第2色度計で測定された色度に基づいて前記アルミニウム系凝集剤の前記添加量を調節するように構成されている、有機性排水の色度除去装置。
【請求項8】
前記第1色度計は、第1波長における吸光度を測定するように構成され、前記第2色度計は、前記第1波長よりも短い第2波長における吸光度を測定するように構成されている、請求項7に記載の有機性排水の色度除去装置。
【請求項9】
有機性排水に対して膜分離活性汚泥法を行うことで、該有機性排水から有機物および濁質が除去された生物処理水を生成する膜分離槽と、
前記生物処理水の色度を測定する第1色度計と、
前記第1色度計で測定された色度に基づいてアルミニウム系凝集剤の添加量を決定する制御装置と、
前記決定された添加量の前記アルミニウム系凝集剤を、前記生物処理水に添加するアルミニウム系凝集剤添加装置と、
前記生物処理水と前記アルミニウム系凝集剤とを撹拌して、色度処理水を生成する色度処理槽と、
前記色度処理水をろ過するろ過器と、
前記ろ過器でろ過された前記色度処理水の色度を測定する第2色度計を備え、
前記制御装置は、前記第2色度計で測定された色度に基づいて前記アルミニウム系凝集剤の前記添加量を調節するように構成されている、有機性排水の色度除去装置。
【請求項10】
前記第1色度計は、第1波長における吸光度を測定するように構成され、前記第2色度計は、前記第1波長よりも短い第2波長における吸光度を測定するように構成されている、請求項9に記載の有機性排水の色度除去装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食品排水、飲料排水、し尿、浄化槽汚泥等の有機性排水の色度を除去する技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、河川等の水環境保全や安全性の観点から、放流水の色度に対する要求が高まっている。例えば、食品排水、飲料排水、し尿、浄化槽汚泥等の有機性排水は色度成分を含有することが多いため、放流の際に色度を除去することが求められる。しかしながら、食品製造工場や飲料製造工場などで発生する排水は、その生産品目および生産工程に応じて水量や水質が短時間のうちに大きく変動することから、安定した色度処理が困難である。
【0003】
色度除去処理では、凝集剤を有機性排水に添加し、有機性排水中の色度成分である有機物質およびコロイド性物質を凝集させ、除去する手法が多く用いられる。凝集剤の添加量は、ジャーテストによる凝集試験結果から決定することが多い。ただし、ジャーテストで結果を求めるには時間を要するため、リアルタイムでの凝集剤添加率の反映はできない。
【0004】
図4は、従来の色度処理装置の一例を示す模式図である。有機性排水は、まず、生物処理槽501にて生物処理される。その後、有機性排水は、色度処理槽502に送られ、ここで凝集剤が凝集剤添加装置503から有機性排水に添加され、色度処理が行われる。色度処理された有機性排水は、凝集沈殿槽504に送られ、凝集汚泥と凝集処理水に分離される。凝集処理水は放流水として放出される。凝集汚泥は汚泥処理装置505に送られ、ここで凝集汚泥から水が更に分離される。分離された水は生物処理槽501に返送され、再度処理される。
【0005】
従来技術では、図4に示すように、放流水の色度を比色法または分光光度計で測定した後に、凝集剤の添加量を調整するフィードバック制御が採用されている。しかしながら、この制御方法では色度除去処理が間に合わず、放流水の色度が管理基準値を超える場合がある。そのため、放流水の色度が管理基準値を超えないようにするためには、急な高色度排水に対応できるように凝集剤を過剰に添加した状態で運転する必要があり、凝集剤コストおよび汚泥発生量の増大を招き、高い処理コストの要因となっている。
【0006】
図4に示すような色度成分を対象とした凝集沈殿処理では、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、硫酸バンドなどのアルミニウム系凝集剤が用いられる。飲料工場では色度成分を含む排水が間欠的にでるため、高色度排水の発生時に遅延なく対応するために常時アルミニウム系凝集剤を多量に添加して運転する必要があったが、アルミニウム系凝集剤の過剰添加によって以下の問題が発生していた。
【0007】
図4に示すように、汚泥処理装置505で濃縮汚泥から分離された水を生物処理槽501へ返送し、分離水の再処理を行っている。しかしながら、アルミニウム系凝集剤が過剰であるために、分離水に過剰のアルミニウムが残留し、生物処理槽501内のアルミニウム濃度が数10mg/Lと高くなる。これにより、生物処理槽501において、活性汚泥中にゲル状の水酸化アルミニウムとして蓄積し、生物処理を阻害することがある。
【0008】
また、過剰のアルミニウム残留によって活性汚泥中に糸状性生物が多く発生し、糸状性バルキングが頻発することで後段の凝集沈澱槽において固液分離性能が著しく悪化する。
さらに、生物処理槽501内の排水中のリン酸塩などが過剰アルミニウムによって凝集し、生物処理での栄養塩が不足し、処理水質が悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平4-193311号公報
特開2018-161632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1には、排水を色度計で測定し、その色度と排水量から凝集剤添加量を演算添加して脱色処理を行い、更に排水流出口の有機濃度を測定し、凝集剤添加量を補正することが記載されている。しかしながら、処理すべき排水は高濁度であるため色度計の適用が難しい。
(【0011】以降は省略されています)

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