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公開番号2024068179
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2023188354
出願日2023-11-02
発明の名称ハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法及びフッ化物イオンを選択的に吸着する吸着剤
出願人国立大学法人千葉大学,伊勢化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C02F 1/28 20230101AFI20240510BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】フッ化物イオン濃度が他のハロゲン化物イオン濃度に比べて極めて低いハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法及びこれに用いられるフッ化物イオンを選択的に吸着する吸着剤を提供する。
【解決手段】フッ化物イオン、及び他のハロゲンで構成されたイオン成分を含有する被処理液に対して、ジルコニウムを含む酸化物から構成され表面を水酸基により改質した吸着剤によりフッ化物イオンを吸着処理して処理液を作製する第1工程を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
フッ化物イオン、及び他のハロゲンで構成されたイオン成分を含有する被処理液に対して、ジルコニウムを含む酸化物から構成され表面を水酸基により改質した吸着剤により前記フッ化物イオンを吸着処理して処理液を作製する第1工程を有することを特徴とするハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記イオン成分が、ヨウ化物イオンを含むことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項3】
前記被処理液は、前記イオン成分のモル濃度の総和が、前記フッ化物イオンのモル濃度に対して10倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項4】
前記被処理液は、pH調整によりpH6.0以下とされることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項5】
前記被処理液から前記処理液が作製される過程において、常にpH6.0以下であることを特徴とする請求項4に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項6】
前記吸着剤は、水酸化物イオン濃度が1mol/L以上のアルカリ水溶液中で加熱することにより、表面が改質されていることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項7】
前記吸着剤は、水酸化物イオン濃度が1mol/L以上のアルカリ水溶液中で常温保持することにより、表面が改質されていることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項8】
前記吸着剤がジルコニウムを45質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項9】
前記吸着処理後の吸着剤からpH6.0以上の水溶液を用いて前記フッ化物イオンを脱離させた脱離液を作製する第2工程を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
【請求項10】
前記処理液におけるフッ化物イオン濃度を監視し、該処理液におけるフッ化物イオン濃度が予め定めた所定の下限値になったときから、前記脱離液の作製に移行することを特徴とする請求項9に記載のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ化物イオン濃度が他のハロゲン化物イオン濃度に比べて極めて低いハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法及びこれに用いられるフッ化物イオンを選択的に吸着する吸着剤に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
工業廃水、海水等、フッ化物イオンを含む排水は複数存在する。フッ化物イオンは強酸性条件においてフッ酸となり人体に悪影響があるため、排出にはフッ化物イオン濃度の排水基準(8mg/L)を満たす必要がある。そのため、これらの排水におけるフッ化物イオン濃度を下げる処理が行われている。
【0003】
従来、フッ化物イオンを含む排水は、フッ化物イオン濃度を下げるために、カルシウム化合物を添加することによりフッ化カルシウムとして沈殿、分離させるフッ化カルシウム法が用いられてきた。この方法では、フッ化物イオンをフッ化カルシウムとして回収できるため析出物の再利用が可能である。しかしながら、フッ化カルシウム法では、フッ化カルシウムの溶解度以下にフッ化物イオン濃度を低減させることが難しく、一般的なフッ化カルシウム法による処理後のフッ化物イオン濃度は20mg/L程度であることから、上記排水基準を満たすためには大過剰のカルシウム化合物を添加する必要がある。また、処理後の水溶液はフッ化カルシウム飽和状態になるため、以降の工程において処理液中に無機塩の析出、プラント閉塞が起こる懸念がある。
【0004】
また、一般的なフッ化カルシウム法に加えて、ポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を用いて更にフッ素イオン濃度を下げる二段沈殿法が提案されている。しかしながら、二段沈殿法ではフッ化物イオン濃度を十分に下げるために、カルシウム化合物以外に多種類の薬品の添加が必要となり、フッ化カルシウム法と異なり複数の元素を含む塩を生成するため、回収したフッ化カルシウムをリサイクル原料として用いることができず、フッ素を含む多量の産業廃棄物が発生してしまう。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、近年、吸着剤を用いてフッ化物イオンを吸着分離する技術が提案されている。例えば、特許文献1の吸着剤は、酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなり、粒子形状の吸着剤と被処理液を接触させることにより、常温において広い濃度範囲で有害アニオン、例えばフッ素イオン及びテトラフルオロホウ酸等のフッ素とホウ素化合物のイオンを吸着することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2005-118762号公報(第4頁~第6頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、フッ化物イオンに加えて、ヨウ化物イオン等の他のハロゲン化物イオンを含有する被処理水に対して吸着剤を使用すると、フッ化物イオンと共に、フッ化物イオンと特徴の近い他のハロゲン化物イオンが一定の割合で吸着されてしまう虞がある。そのため、特に被処理液中のフッ化物イオン濃度が低く、他のハロゲン化物イオンの濃度が高い場合、フッ化物イオンを選択的に吸着分離することが難しく、被処理液中のフッ化物イオン濃度を効率よく下げられないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、フッ化物イオン濃度が他のハロゲン化物イオン濃度に比べて極めて低いハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法及びこれに用いられるフッ化物イオンを選択的に吸着する吸着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明のハロゲン化物イオン含有水溶液の製造方法は、
フッ化物イオン、及び他のハロゲンで構成されたイオン成分を含有する被処理液に対して、ジルコニウムを含む酸化物から構成され表面を水酸基により改質した吸着剤により前記フッ化物イオンを吸着処理して処理液を作製する第1工程を有することを特徴としている。
この特徴によれば、被処理液中において、ジルコニウムを含む酸化物から構成される吸着剤の表面における水酸基とフッ化物イオンとのイオン交換反応が起こりやすく、他のハロゲン化物イオンとのイオン交換反応が起こりにくいことにより、フッ化物イオン濃度が低い被処理液に対しても吸着剤によりフッ化物イオンが選択的に吸着処理されるため、処理液としてフッ化物イオン濃度が他のハロゲン化物イオン濃度に比べて極めて低いハロゲン化物イオン含有水溶液を得ることができる。
【0010】
前記イオン成分が、ヨウ化物イオンを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、ヨウ化物イオンは、ハロゲン化物イオンの中で、ジルコニウムを含む酸化物から構成される吸着剤の表面における水酸基とイオン交換反応が最も起こりにくいため、処理液としてフッ化物イオン濃度がヨウ化物イオン濃度に比べて極めて低く、かつ被処理液中のヨウ化物イオンが略全て残存したハロゲン化物イオン含有水溶液を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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