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公開番号2024054580
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160885
出願日2022-10-05
発明の名称水処理装置および水処理方法
出願人三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/76 20230101AFI20240410BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】二価鉄とアンモニアとを含む原水の処理において、塩素系酸化剤の添加量を低減して水回収率を高めることができる水処理装置および水処理方法を提供すること。
【解決手段】二価鉄とアンモニアを含む原水を処理する水処理装置1であって、原水W1に塩素系酸化剤を添加する酸化剤添加装置11と、酸化剤添加装置11による塩素系酸化剤の添加量を制御する制御装置12と、前記塩素系酸化剤を添加した処理水中の不純物を除去する除濁装置14とを備え、原水W1中の二価鉄濃度をMFe(mg/L)、原水W1中のアンモニア態窒素濃度をMN(mg/L)、前記塩素系酸化剤由来の塩素注入量をMCl(mg/L)としたとき、制御装置12により、0.83×MFe≦MCl<0.83×MFe+6.23×MNを満たす範囲内で前記塩素系酸化剤の添加量が制御される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二価鉄とアンモニアを含む原水を処理する水処理装置であって、
前記原水に塩素系酸化剤を添加する酸化剤添加装置と、
前記酸化剤添加装置による塩素系酸化剤の添加量を制御する制御装置と、
前記塩素系酸化剤を添加した処理水中の不純物を除去する除濁装置と、
を備え、
前記原水中の二価鉄濃度をM
Fe
(mg/L)、前記原水中のアンモニア態窒素濃度をM

(mg/L)、前記塩素系酸化剤由来の塩素注入量をM
Cl
(mg/L)としたとき、
前記制御装置により、0.83×M
Fe
≦M
Cl
<0.83×M
Fe
+6.23×M

を満たす範囲内で前記塩素系酸化剤の添加量が制御されることを特徴とする、水処理装置。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
除濁処理後の処理水を逆浸透膜によって膜濾過する逆浸透膜処理装置をさらに備える、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記原水にさらにマンガンが含まれている、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩の少なくとも一方である、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記酸化剤添加装置と前記除濁装置との間に、還元剤添加装置がさらに設置されている、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記除濁装置として、限外濾過膜および精密濾過膜の少なくとも一方を備えた膜濾過装置が設けられている、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項7】
二価鉄とアンモニアを含む原水を処理する水処理方法であって、
前記原水に塩素系酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、
前記酸化剤添加工程後の処理水に含まれる不純物を除去する除濁工程と、
を含み、
前記酸化剤添加工程において、前記原水中の二価鉄濃度をM
Fe
(mg/L)、前記原水中のアンモニア態窒素濃度をM

(mg/L)、前記塩素系酸化剤由来の塩素注入量をM
Cl
(mg/L)としたとき、0.83×M
Fe
≦M
Cl
<0.83×M
Fe
+6.23×M

を満たす範囲内で前記塩素系酸化剤の添加量を制御することを特徴とする、水処理方法。
【請求項8】
前記除濁工程後の処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜処理工程をさらに含む、請求項7に記載の水処理方法。
【請求項9】
前記酸化剤添加工程において、前記処理水の遊離塩素濃度を0.1mg/L以下に制御する、請求項7または8に記載の水処理方法。
【請求項10】
前記原水にさらにマンガンが含まれている、請求項7または8に記載の水処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
地下水、河川水、湖沼水等には、通常、鉄、マンガンなどの金属イオンやアンモニアが含まれており、水資源として利用する際にはこれらを除去する処理が行われる。水処理方法としては、逆浸透膜を用いて濾過する方法が知られている。
特許文献1には、次亜塩素酸塩等の塩素系酸化剤を用いて被処理水中の鉄やマンガン等の金属イオンを酸化し、固形分として沈殿させて除去した後に、逆浸透膜に通水する方法が開示されている。
【0003】
アンモニアを含む原水の処理に塩素系酸化剤を利用する場合、塩素がアンモニアによって消費されるため、金属イオンの酸化が不充分になるおそれがある。
例えばアンモニアを含む水に次亜塩素酸または次亜塩素酸塩を添加すると、下記式(1)~(3)の反応によって塩素が消費され、クロラミン、ジクロラミン、トリクロラミンが生成する。
NH

+HClO→NH

Cl+H

O ・・・式(1)
NH

Cl+HClO→NHCl

+H

O ・・・式(2)
NHCl

+HClO→NCl

+H

O ・・・式(3)
【0004】
塩素注入量を横軸、残留塩素濃度を縦軸としたグラフで見ると、図3に示すように、最初のうちは残留塩素として測定されるクロラミン(結合塩素)が生じて残留塩素濃度が高くなるが、ある点から式(2)、式(3)の反応でクロラミンが減少し、残留塩素濃度が極小点を示す。極小点ではアンモニア態窒素がすべて消費されており、それ以降は塩素注入につれて残留塩素濃度(遊離塩素濃度)が高くなる。アンモニア態窒素の反応が終了する極小点は不連続点(ブレークポイント)と言われている。塩素を用いた水処理においては、不連続点が原水の水質によっても変化することから、一般にはアンモニア態窒素の約10倍の塩素注入を見込む(非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-192482号公報
【非特許文献】
【0006】
浄水技術ガイドライン2010((財)水道技術研究センター、平成22年10月発行)、115頁
水処理薬品ハンドブック(技報堂出版株式会社、2003年10月25日 1版1刷発行)、61~63頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、二価鉄とアンモニアを含む水に対する従来の水処理方法では、二価鉄を充分に酸化させるために大量の塩素系酸化剤を使用している。そのため、酸化処理後の処理水中の固形分を除去するための除濁装置を逆洗する際、逆洗排水が多量になることから、全体的な水回収率が低下する。
【0008】
本発明は、二価鉄とアンモニアとを含む原水の処理において、塩素系酸化剤の添加量を低減して水回収率を高めることができる水処理装置および水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]二価鉄とアンモニアを含む原水を処理する水処理装置であって、
前記原水に塩素系酸化剤を添加する酸化剤添加装置と、
前記酸化剤添加装置による塩素系酸化剤の添加量を制御する制御装置と、
前記塩素系酸化剤を添加した処理水中の不純物を除去する除濁装置と、
を備え、
前記原水中の二価鉄濃度をM
Fe
(mg/L)、前記原水中のアンモニア態窒素濃度をM

(mg/L)、前記塩素系酸化剤由来の塩素注入量をM
Cl
(mg/L)としたとき、
前記制御装置により、0.83×M
Fe
≦M
Cl
<0.83×M
Fe
+6.23×M

を満たす範囲内で前記塩素系酸化剤の添加量が制御されることを特徴とする、水処理装置。
[2]除濁処理後の処理水を逆浸透膜によって膜濾過する逆浸透膜処理装置をさらに備える、[1]に記載の水処理装置。
[3]前記原水にさらにマンガンが含まれている、[1]または[2]に記載の水処理装置。
[4]前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩の少なくとも一方である、[1]~[3]のいずれかに記載の水処理装置。
[5]前記酸化剤添加装置と前記除濁装置の間に、還元剤添加装置がさらに設置されている、[1]~[4]のいずれかに記載の水処理装置。
[6]前記除濁装置として、限外濾過膜および精密濾過膜の少なくとも一方を備えた膜濾過装置が設けられている、[1]~[5]のいずれかに記載の水処理装置。
[7]二価鉄とアンモニアを含む原水を処理する水処理方法であって、
前記原水に塩素系酸化剤を添加する酸化剤添加工程と、
前記酸化剤添加工程後の処理水に含まれる不純物を除去する除濁工程と、
を含み、
前記酸化剤添加工程において、前記原水中の二価鉄濃度をM
Fe
(mg/L)、前記原水中のアンモニア態窒素濃度をM

(mg/L)、前記塩素系酸化剤由来の塩素注入量をM
Cl
(mg/L)としたとき、0.83×M
Fe
≦M
Cl
<0.83×M
Fe
+6.23×M

を満たす範囲内で前記塩素系酸化剤の添加量を制御することを特徴とする、水処理方法。
[8]前記除濁工程後の処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜処理工程をさらに含む、[7]に記載の水処理方法。
[9]前記酸化剤添加工程において、前記処理水の遊離塩素濃度を0.1mg/L以下に制御する、[7]または[8]に記載の水処理方法。
[10]前記原水にさらにマンガンが含まれている、[7]~[9]に記載の水処理方法。
[11]前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩の少なくとも一方である、[7]~[10]のいずれかに記載の水処理方法。
[12]前記酸化剤添加工程と前記除濁工程の間に、還元剤を添加する還元剤添加工程をさらに含む、[7]~[11]のいずれかに記載の水処理方法。
[13]前記還元剤添加工程において、還元処理水の全残留塩素の濃度が0mg/Lとなるように前記還元剤を添加する、[12]に記載の水処理方法。
[14]前記除濁工程として、限外濾過膜および精密濾過膜の少なくとも一方による濾過を行う、[7]~[13]に記載の水処理方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二価鉄とアンモニアとを含む原水の処理において、塩素系酸化剤の添加量を低減して水回収率を高めることができる水処理装置および水処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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