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公開番号2024057217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022163808
出願日2022-10-12
発明の名称揺動式生物硝化方法および揺動式生物硝化装置
出願人三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 3/34 20230101AFI20240417BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】本発明の目的は、高濃度のアンモニア性窒素を含む被処理水を高い硝化速度で処理でき、かつ、処理装置の小型化も可能である揺動式生物硝化方法および揺動式生物硝化装置を提供することである。
【解決手段】下記の要件1-4を満たすこと。
要件1:1つの生物保持体6の立体的な大きさが、最大長さ方向が5mmを超えて、かつ、直径20mmの球体に収まる。
要件2:被処理水供給管4の吐出口の断面積S吐出口と、硝化槽5の底面積S硝化槽との比が、0.01~0.5である。
要件3:被処理水の線速度LV通水[m/h]と硝化槽5内の気体の線速度LVガス[m/h]との線速度比が、0.3~6.0である。
要件4:下式(1)で算出される充填率が、75%以上である。
充填率(%)=(複数の生物保持体のかさ体積)/(硝化槽内の有効水量体積)×100・・・式(1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被処理水のアンモニア性窒素を処理する揺動式生物硝化方法であり、
硝化槽内に装填された複数の生物保持体に前記被処理水を通水する際に、下記の要件1、要件2、要件3および要件4を満たす、揺動式生物硝化方法。
要件1:1つの前記生物保持体の立体的な大きさが、最大長さ方向が5mmを超えて、かつ、直径20mmの球体に収まること。
要件2:前記被処理水の前記硝化槽内への供給管の吐出口の断面積S
吐出口
と、前記硝化槽の底面積S
硝化槽
との比S
吐出口
/S
硝化槽
が、0.01~0.5であること。
要件3:前記被処理水の線速度LV
通水
[m/h]と前記硝化槽内の貯留水中の気体の線速度LV
ガス
[m/h]との線速度比(LV
ガス
/LV
通水
)が、0.3~6.0であること。
要件4:下式(1)で算出される充填率が、75%以上であること。
充填率(%)=(複数の生物保持体のかさ体積)/(硝化槽内の有効水量体積)×100 ・・・式(1)
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記生物保持体が、多孔質の担体と、前記担体に保持された硝化菌とを有する、請求項1に記載の揺動式生物硝化方法。
【請求項3】
前記被処理水を上向流として通水する、請求項1または2に記載の揺動式生物硝化方法。
【請求項4】
複数の生物保持体が装填された硝化槽と、
前記硝化槽内に被処理水を供給する被処理水供給管と、
前記硝化槽内に供給される前記被処理水の流量を調整する通水量調整手段と、
前記硝化槽内の貯留水に気体を供給する気体供給装置と、
少なくとも前記通水量調整手段および前記気体供給装置と電気的に接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、下記の要件3および要件4を満たす制御を実行し、
下記の要件1および要件2を満たす、揺動式生物硝化装置。
要件1:1つの前記生物保持体の立体的な大きさが、最大長さ方向が5mmを超えて、かつ、直径20mmの球体に収まること。
要件2:前記被処理水供給管の吐出口の断面積S
吐出口
と、前記硝化槽の底面積S
硝化槽
との比S
吐出口
/S
硝化槽
が、0.01~0.5であること。
要件3:前記被処理水の線速度LV
通水
[m/h]と前記硝化槽内の貯留水中の気体の線速度LV
ガス
[m/h]との線速度比(LV
ガス
/LV
通水
)が、0.3~6.0であること。
要件4:下式(1)で算出される充填率が、75%以上であること。
充填率(%)=(複数の生物保持体のかさ体積)/(硝化槽内の有効水量体積)×100 ・・・式(1)
【請求項5】
前記被処理水供給管の吐出口の断面積S
吐出口
が、前記被処理水供給管の断面積S
供給管
と同じであるか、または、前記被処理水供給管の断面積S
供給管
より大きい、請求項4に記載の揺動式生物硝化装置。
【請求項6】
複数の前記吐出口が、前記硝化槽内に配置されている、請求項4または5に記載の揺動式生物硝化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動式生物硝化方法および揺動式生物硝化装置に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
被処理水のアンモニア性窒素を微生物によって硝酸性窒素に変換する生物硝化反応が知られている。アンモニア性窒素は、例えば、地下水、井戸水、湖沼水、河川水、工業排水に含まれることがある。
高濃度のアンモニア性窒素を含む被処理水の生物硝化方法として、微生物を保持した担体を硝化槽内で循環流動させながら被処理水を通水する流動床混合流れ方式がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1の図1に示す流動床混合流れ方式の生物硝化装置によれば、硝化槽内の貯留水に散気部から空気を供給しながら、被処理水供給管から被処理水を硝化槽に供給できる。被処理水は硝化槽内に流入すると、貯留水と瞬間的に混合される。結果、貯留水全体の濃度が一様となる。
【0004】
流動床混合流れ方式においては、硝化菌等を担持した生物保持体が硝化槽内の貯留水中で流動している。この生物保持体と被処理水が接触することで、アンモニア性窒素が硝酸性窒素に変換されて処理される。処理水は処理水流出管から槽外に流出する。流動床混合流れ方式によれば、高濃度のアンモニア性窒素を含む被処理水を処理できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-202473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方法においては、有効水量に対する硝化菌担持担体のかさ体積が小さい。特許文献1の実施例1では、かさ体積が30%である。
しかし、本発明者らの検討によれば、かさ体積がこれ以上高くなると、硝化菌担持担体の流動性が低下することで、デッドスペースや短絡流が発生する問題があった。デッドスペースや短絡流の発生は、未反応のアンモニア性窒素が処理水に混入する原因となり得る。結果、被処理水に対して硝化反応を均一に行うことができなくなるおそれがある。
【0007】
硝化速度は硝化槽における硝化菌担持担体の体積比に依存する。特許文献1の方法では硝化菌担持担体の体積比をこれ以上高めることができないため、硝化速度のさらなる向上を図ることができない。
加えて、特許文献1の方法では、1つの硝化槽当たりの硝化速度が低い。高濃度のアンモニア性窒素を含む被処理水を処理するには、硝化槽の数をさらに増やす必要が生じるため、処理装置が大型化するという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、高濃度のアンモニア性窒素を含む被処理水を高い硝化速度で処理でき、かつ、処理装置の小型化も可能である揺動式生物硝化方法および揺動式生物硝化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、(i)生物保持体の大きさ、(ii)被処理水の供給管の吐出口の断面積S
吐出口
と、硝化槽の底面積S
硝化槽
との比S
吐出口
/S
硝化槽
、(iii)被処理水の線速度LV
通水
[m/h]と硝化槽内の貯留水中の気体の線速度LV
ガス
[m/h]との線速度比(LV
ガス
/LV
通水
)、および(iv)生物保持体の充填率を所定の範囲内とすることに想到した。この特定の条件下で硝化反応を行うと、被処理水を均一に分散することが可能であるため高い硝化速度を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、下記の態様を有する。
[1]被処理水のアンモニア性窒素を処理する揺動式生物硝化方法であり;硝化槽内に装填された複数の生物保持体に前記被処理水を通水する際に、下記の要件1、要件2、要件3および要件4を満たす、揺動式生物硝化方法。
要件1:1つの前記生物保持体の立体的な大きさが、最大長さ方向が5mmを超えて、かつ、直径20mmの球体に収まること。
要件2:前記被処理水の前記硝化槽内への供給管の吐出口の断面積S
吐出口
と、前記硝化槽の底面積S
硝化槽
との比S
吐出口
/S
硝化槽
が、0.01~0.5であること。
要件3:前記被処理水の線速度LV
通水
[m/h]と前記硝化槽内の貯留水中の気体の線速度LV
ガス
[m/h]との線速度比(LV
ガス
/LV
通水
)が、0.3~6.0であること。
要件4:下式(1)で算出される充填率が、75%以上であること。
充填率(%)=(複数の生物保持体のかさ体積)/(硝化槽内の有効水量体積)×100 ・・・式(1)
[2]前記生物保持体が、多孔質の担体と、前記担体に保持された硝化菌とを有する、[1]に記載の揺動式生物硝化方法。
[3]前記被処理水を上向流として通水する、[1]または[2]に記載の揺動式生物硝化方法。
[4]複数の生物保持体が装填された硝化槽と;前記硝化槽内に被処理水を供給する被処理水供給管と;前記硝化槽内に供給される前記被処理水の流量を調整する通水量調整手段と;前記硝化槽内の貯留水に気体を供給する気体供給装置と;少なくとも前記通水量調整手段および前記気体供給装置と電気的に接続された制御装置と;を備え;前記制御装置は、下記の要件3および要件4を満たす制御を実行し;下記の要件1および要件2を満たす、揺動式生物硝化装置。
要件1:1つの前記生物保持体の立体的な大きさが、最大長さ方向が5mmを超えて、かつ、直径20mmの球体に収まること。
要件2:前記被処理水供給管の吐出口の断面積S
吐出口
と、前記硝化槽の底面積S
硝化槽
との比S
吐出口
/S
硝化槽
が、0.01~0.5であること。
要件3:前記被処理水の線速度LV
通水
[m/h]と前記硝化槽内の貯留水中の気体の線速度LV
ガス
[m/h]との線速度比(LV
ガス
/LV
通水
)が、0.3~6.0であること。
要件4:下式(1)で算出される充填率が、75%以上であること。
充填率(%)=(複数の生物保持体のかさ体積)/(硝化槽内の有効水量体積)×100 ・・・式(1)
[5]前記被処理水供給管の吐出口の断面積S
吐出口
が、前記被処理水供給管の断面積S
供給管
と同じであるか、または、前記被処理水供給管の断面積S
供給管
より大きい、[4]に記載の揺動式生物硝化装置。
[6]複数の前記吐出口が、前記硝化槽内に配置されている、[4]または[5]に記載の揺動式生物硝化装置。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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