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公開番号2024053692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160066
出願日2022-10-04
発明の名称ホウ素除去された純水の製造方法、純水製造装置、超純水製造システム
出願人野村マイクロ・サイエンス株式会社
代理人個人
主分類C02F 1/44 20230101AFI20240409BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】逆浸透膜のスケール閉塞を抑制することで、長期間安定的かつ効率的に純水を製造することのできる純水製造装置及び純水製造方法の提供。
【解決手段】原水を2段以上の逆浸透膜に順に通水してホウ素の除去された純水を得る純水製造方法において、1段の逆浸透膜にアルカリ性の被処理水が通水されるアルカリ処理工程と、他の1段の逆浸透膜に酸性の被処理水が通水される酸処理工程と、が所定の順序で行われ、アルカリ処理工程で第1の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第2の逆浸透膜が用いられる第1の処理期間と、アルカリ処理工程で第2の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第1の逆浸透膜が用いられる第2の処理期間と、を第1の逆浸透膜と第2の逆浸透膜を入れ替えることで、所定の間隔で繰り返す方法。
【選択図】図3



特許請求の範囲【請求項1】
原水を2段以上の逆浸透膜に順に通水してホウ素の除去された純水を得る純水製造方法において、
前記逆浸透膜のうち1段の逆浸透膜にアルカリ性の被処理水が通水されるアルカリ処理工程と、
前記逆浸透膜のうち他の1段の逆浸透膜に酸性の被処理水が通水される酸処理工程と、が所定の順序で行われ、
アルカリ処理工程で第1の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第2の逆浸透膜が用いられる第1の処理期間と、
アルカリ処理工程で第2の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第1の逆浸透膜が用いられる第2の処理期間と、を
第1の逆浸透膜と第2の逆浸透膜を入れ替えることで、所定の間隔で繰り返すことを特徴とする、
純水製造方法。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記第1の処理期間において、アルカリ性の被処理水が前記第1の逆浸透膜に通水されてアルカリ処理工程が行われ、前記第1の逆浸透膜の透過水が酸性に調整され、生成した酸性の被処理水が前記第2の逆浸透膜に通水されて前記酸処理工程が行われ、
前記第2の処理期間において、アルカリ性の被処理水が前記第2の逆浸透膜に通水されて、アルカリ処理工程が行われ、前記第2の逆浸透膜の透過水が酸性に調整され、生成した酸性の被処理水が前記第1の逆浸透膜に通水されて前記酸処理工程が行われ、
前記アルカリ性の被処理水のpHは9.0以上11.0以下であり、
前記酸性の被処理水のpHは5.0以下である、
請求項1に記載の純水製造方法。
【請求項3】
さらに、前記アルカリ処理工程の前に、
第3の逆浸透膜装置にpH5.0以上7.5以下の原水が通水される工程を有する、請求項2に記載の純水製造方法。
【請求項4】
前記第1の処理期間において、酸性の被処理水が前記第2の逆浸透膜に通水されて前記酸処理工程が行われ、前記第2の逆浸透膜の透過水がアルカリ性に調整され、生成したアルカリ性の被処理水が第1の逆浸透膜に通水されてアルカリ処理工程が行われ、
前記第2の処理期間において、酸性の被処理水が前記第1の逆浸透膜に通水されて前記酸処理工程が行われ、第1の逆浸透膜の透過水がアルカリ性に調整され、生成したアルカリ性の被処理水が前記第2の逆浸透膜に通水されてアルカリ処理工程が行われ、
前記アルカリ性の被処理水のpHは9.0以上11.0以下であり、
前記酸性の被処理水のpHは5.0以上6.0以下である、
請求項1に記載の純水製造方法。
【請求項5】
直列に接続された2以上の逆浸透膜装置を有してホウ素の除去された純水を製造する純水製造装置であって、
原水を供給する原水供給管と、
第1の逆浸透膜装置と、第2の逆浸透膜装置と、
被処理水をアルカリ性又は酸性に調整する第1の調整機構と、
被処理水を酸性とアルカリ性のうち第1の調整機構と異なる液性に調整する第2の調整機構と、
原水を、第1の調整機構、第1の逆浸透膜装置、第2の調整機構、第2の逆浸透膜装置にこの順に通流させる第1の処理経路と、
原水を、第1の調整機構、第2の逆浸透膜装置、第2の調整機構、第1の逆浸透膜装置にこの順に通流させる第2の処理経路と、
第1の処理経路と第2の処理経路とを切替可能な切替機構と、
所定の処理期間経過ごとに、前記切替機構を制御して、第1の処理経路と第2の処理経路とを切り替える制御機構と、
を有することを特徴とする純水製造装置。
【請求項6】
前記第1の調整機構が、原水をアルカリ性に調整するアルカリ調整機構であり、
前記第2の調整機構が、被処理水を酸性に調整する酸調整機構である、
請求項5に記載の純水製造装置。
【請求項7】
前記第1の処理経路は、
原水を第1の逆浸透膜装置の供給側に供給する第1の供給管と、
第1の逆浸透膜装置の透過水を前記第2の調整機構に供給する第2の供給管と、
前記第2の調整機構を経た被処理水を前記第2の逆浸透膜装置の供給側に供給する第3の供給管と、
前記第2の逆浸透膜装置の透過水を後段へ送る第4の供給管と、
前記第1乃至第4の供給管にそれぞれ介装された4つの切替弁と、を有し、前記第1の調整機構は前記第1の供給管の切替弁の上流側に設置されて成り、
前記第2の処理経路は、
原水を第2の逆浸透膜装置の供給側に供給する第5の供給管と、
第2の逆浸透膜装置の透過水を前記第2の調整機構に供給する第6の供給管と、
前記第2の調整機構を経た被処理水を前記第1の逆浸透膜装置の供給側に供給する第7の供給管と、
前記第1の逆浸透膜装置の透過水を後段へ送る第8の供給管と、
前記第5乃至第8の供給管にそれぞれ介装された4つの切替弁と、
を有し、前記第1の調整機構は前記第6の供給管の切替弁の上流側に設置されて成り、
前記制御機構は、8つの前記切替弁を制御して第1の処理経路と第2の処理経路とを切り替える、請求項5又は6に記載の純水製造装置。
【請求項8】
前記第1の調整機構が、原水を弱酸性に調整する酸調整機構であり、
前記第2の調整機構が、被処理水をアルカリ性に調整するアルカリ調整機構である、
請求項5に記載の純水製造装置。
【請求項9】
一次純水システムと二次純水システムをこの順に備える超純水製造システムであって、
前記一次純水システムは、請求項5又は6に記載の純水製造装置と、その後段に、紫外線酸化装置と、電気式脱イオン装置とを備え、
前記二次純水システムは、紫外線酸化装置、非再生式ポリッシャー、膜脱気装置及び限外ろ過装置をこの順に備え、
ホウ素濃度が0.1μg/L以下の超純水を製造する
超純水製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ホウ素の除去された純水の製造方法、純水製造装置、及びこれを用いた超純水製造システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ホウ素を含有する原水を処理して純水を製造する方法として、原水にアルカリを添加してpHを9.2以上に調整したのち、逆浸透膜処理を行う純水製造方法が知られている。この方法では、ホウ素の除去された透過水に酸を添加し、さらに逆浸透膜処理することで、処理水の比抵抗を高めることも行われている(例えば、特許文献1、2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-128921号
特開平11-128922号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水のpHを10以上に高めることでホウ素除去率は向上するものの、pHが高くなるほど、逆浸透膜において、カルシウムやマグネシウムなどの硬度によるスケール閉塞が起こりやすくなる。このため、従来のホウ素を除去する純水の製造方法では、前段に硬度除去機構や、脱炭酸機能の高い脱気装置を設けることで、スケール閉塞の抑制が図られている。これに対し、逆浸透膜の供給水のpHを5以下に調整すると、硬度スケールの生成は抑制されるものの、シリカスケールが発生しやすくなる。
【0005】
硬度スケール閉塞が生じた場合、例えばpH=1~3程度の酸系の洗浄剤を逆浸透膜に通液させてスケール洗浄が行われる。シリカスケール閉塞が生じた場合には、例えばpH=11.5~13のアルカリ系の洗浄剤を逆浸透膜に通液させてスケール洗浄が行われる。
【0006】
硬度スケール閉塞及びシリカスケール閉塞いずれの場合も、スケール閉塞を完全に防ぐことは困難であり、原水の水質や運転条件によっては短期運転でのスケール閉塞が起こる。スケール閉塞が進行すると、逆浸透膜の逆洗や洗浄、洗浄設備の設置、膜交換のために装置停止をせざるを得ず、純水製造効率が低下する。そのため、例えば、半年から1年以上の期間で可能な限り逆浸透膜の洗浄を避けて継続運転し、例えば、透過水流量の著しい低下や供給側と透過側の差圧の著しい上昇により、運転の継続が困難になってきたときに洗浄することが多い。しかし、このような運転手法では、運転の継続が困難になってきたときの逆浸透膜表面には、スケール成分の強固な結晶が成長し、かつ、結晶が成長する間に膜表面の物性が変わって劣化してしまう場合がある。
【0007】
このようなハードなスケールが逆浸透膜表面に形成された場合には、高濃度の薬剤による、長時間の洗浄が行われることから、逆浸透膜の薬剤による劣化が進みやすい。また、洗浄を行っても、通水時の結晶成長と同時に生じた膜表面の劣化は回復しないので、洗浄後の逆浸透膜の処理水質悪化は避けられない。
【0008】
これに対し、ハードなスケールを形成させないように、頻繁に洗浄を繰り返すことも可能ではある。しかし、この手法では、頻繁に運転を停止させることとなるだけでなく、洗浄の繰り返しによる排水量が多くなりすぎ、かつ、排水の再利用も困難であるため、実用的ではない。すなわち、逆浸透膜の劣化の抑制や薬剤使用量の低減の観点からも、スケール洗浄及び純水製造装置の停止を行わずに、高い水回収率で純水を製造できる方法が望まれている。
【0009】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、逆浸透膜のスケール閉塞を抑制することで、逆浸透膜の洗浄を行わずに、長期間安定的かつ効率的に純水を製造することのできる純水製造装置及び純水製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の純水製造方法は、原水を2段以上の逆浸透膜に順に通水してホウ素の除去された純水を得る純水製造方法において、前記逆浸透膜のうち1段の逆浸透膜にアルカリ性の被処理水が通水されるアルカリ処理工程と、前記逆浸透膜のうち他の1段の逆浸透膜に酸性の被処理水が通水される酸処理工程と、が所定の順序で行われ、アルカリ処理工程で第1の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第2の逆浸透膜が用いられる第1の処理期間と、アルカリ処理工程で第2の逆浸透膜が用いられるとともに、酸処理工程で第1の逆浸透膜が用いられる第2の処理期間と、を第1の逆浸透膜と第2の逆浸透膜を入れ替えることで、所定の間隔で繰り返すことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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