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公開番号2024056209
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2022162943
出願日2022-10-11
発明の名称有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置
出願人株式会社クボタ
代理人個人,個人
主分類C02F 3/12 20230101AFI20240416BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】窒素を含有する有機性排水に対して設備コストの増大を伴なうことなく放線菌の発生を効果的に防止できる有機性排水処理方法を提供する。
【解決手段】窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理方法であって、供給された原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、を備えた有機性排水処理装置に対して、前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理方法であって、
供給された原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、を備えた有機性排水処理装置に対して、
前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる有機性排水処理方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整する請求項1記載の有機性排水処理方法。
【請求項3】
窒素を含む有機性排水を活性汚泥中で生物処理する有機性排水処理装置であって、
原水と活性汚泥を攪拌する攪拌機構が設置された無酸素槽と、
膜分離装置が活性汚泥中に浸漬配置された好気槽と、
前記好気槽から前記無酸素槽へ活性汚泥を返送する汚泥返送路と、
前記攪拌機構の作動状態を切替えることにより、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる制御部と、
を備えている有機性排水処理装置。
【請求項4】
前記無酸素槽に原水を供給する原水供給機構は、前記無酸素槽の底部近傍に原水を供給するように構成されるとともに、
前記汚泥返送路は、前記好気槽から返送する汚泥を前記無酸素槽の水面近傍に返送するように構成されている請求項3記載の有機性排水処理装置。
【請求項5】
前記無酸素槽から前記好気槽へ活性汚泥が流下させる連通部は、前記無酸素槽の水面近傍に設けられている請求項4記載の有機性排水処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、酸化還元電位、T-N濃度またはMLSSの何れかを指標にして、前記無酸素槽を一時的に嫌気槽として機能させる周期を調整するように構成されている請求項5記載の有機性排水処理装置。
【請求項7】
前記酸化還元電位を計測する電位センサは、前記無酸素槽を前記嫌気槽として機能させたときに、前記無酸素槽に形成される無酸素領域と嫌気領域の境界に設置されている請求項6記載の有機性排水処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性排水処理方法及び有機性排水処理装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、活性汚泥を利用して窒素やリンを含む例えば下水等の有機性排水を生物処理する有機性排水処理方法として、嫌気槽、無酸素槽、好気槽をこの順に配し、好気槽の汚泥を嫌気槽や無酸素槽に循環供給するA2O法(UCT法)などが広く採用されている。近年では、図6(a),(b)に示すように、固液分離のための沈殿槽に代えて好気槽3に膜分離装置4を浸漬配置し、好気槽3から活性汚泥の一部を無酸素槽2や嫌気槽1に返送するエアリフト方式の汚泥返送路5を備えたMBR法(UCT‐MBRなど)が注目されている。
【0003】
特許文献1には、オキシデーションディッチや長時間曝気法など汚水が曝気槽内にて24時間以上滞留する従来の活性汚泥法を採用した下水処理施設において、系内の好気的汚泥滞留時間を15日以下に設定することにより放線菌を原因微生物とする発泡スカムの発生を抑制することを特徴とする発泡スカムの抑制方法が開示されている。
【0004】
放線菌が好気性細菌であることに着目し、嫌気時間帯や曝気槽中に嫌気ゾーンを設けるなどの手段により、汚泥滞留時間が長い場合でも、放線菌が増殖できる時間を減らすことで、増殖量を減らすようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-309383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したMBR法でも、活性汚泥浮遊物質[mg/リットル](以下、「MLSS」と記す。)が7000~10000[mg/リットル]となるように調整されるのが一般的で、汚泥滞留時間(以下、「SRT」と記す。)が長くなる傾向にある。そして、膜分離装置膜の閉塞を回避するために不可欠となる洗浄用曝気により、好気槽の溶存酸素濃度(以下、「DO濃度」と記す。)が高い状態で推移し易い。そのため、放線菌が発生し易い環境下となる。
【0007】
放線菌が発生して大量のスカムが水面付近に滞留するようになると、汚泥返送路に備えたエアリフトポンプの流れが阻害され、好気槽から無酸素槽への活性汚泥の返送が妨げられるという問題が生じる。また、好気槽から外部に泡状のスカムが流出するトラブルが発生する虞があり、好気槽などに備えたセンサ類の誤検知の原因ともなる。
【0008】
一旦放線菌が発生した場合の対処方として、物理的にスカムを除去する、汚泥を完全に入れ替える、SRTを短縮化する、といった手立てが考えられるが、大規模施設では物理的にスカムを除去する作業は非常に煩雑となり、汚泥の入れ替えやSRTの短縮化なども容易でない。そのため、放線菌を抑制できないまま、運転を継続せざるを得ないのが実情である。
【0009】
このような放線菌の発生を抑制するポイントとして、好気槽に流入する易分解有機物の量を削減することが挙げられる。上述したUCT‐MBRでは、無酸素槽における脱窒反応の促進に加えて、嫌気槽におけるポリリン酸蓄積菌による易分解有機物の消費を促す方法が実用化されている。ポリリン酸蓄積菌は、嫌気状態で酢酸や酪酸などの有機物を取り込み、体内貯蔵物質の蓄積を行なう過程でリン酸をポリリン酸として放出し、好気状態では放出した以上のリン酸をポリリン酸として摂取する特性を有する。
【0010】
この場合、無酸素槽に加えて嫌気槽を設ける必要があり、広い施設面積が必要になる。また、無酸素槽と嫌気槽の其々に撹拌機を設置し、無酸素槽から嫌気槽への汚泥返送路を設置する必要があり、設備コストも嵩むことになる。
(【0011】以降は省略されています)

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