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公開番号2024052631
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2023170029
出願日2023-09-29
発明の名称水中のトリハロメタン濃度低減方法
出願人株式会社片山化学工業研究所
代理人弁理士法人WisePlus
主分類C02F 1/72 20230101AFI20240404BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】原水中のトリハロメタン濃度を効果的に低減させることができる水中のトリハロメタン濃度低減方法を提供する。
【解決手段】トリハロメタンを含む原水中に過酢酸及び/又は過酸化水素を含有する薬剤を添加する工程を有することを特徴とする水中のトリハロメタン濃度低減方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
トリハロメタンを含む原水中に過酢酸及び/又は過酸化水素を含有する薬剤を添加する工程を有することを特徴とする水中のトリハロメタン濃度低減方法。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記原水に対する前記薬剤の過酢酸濃度が0.01~10mg/Lである請求項1記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法。
【請求項3】
前記原水に対する前記薬剤の過酸化水素濃度が0.01~10mg/Lである請求項1又は2記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法。
【請求項4】
前記原水中のトリハロメタン濃度が0.001mg/L以上である請求項1又は2記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中のトリハロメタン濃度低減方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
一般の水道水では、浄水場や下水処理場で消毒のため添加される塩素が、水中に存在するフミン質などの有機化合物と反応することにより、発ガン性物質であるトリハロメタンが生成されるという問題があった。
また、発電所、製鉄所、石油化学プラントなどでは、工業用の冷却水として海水が多量に使用されており、海水取水路壁や配管内および熱交換器内には、ムラサキイガイなどのイガイ類やフジツボ類やコケムシ類などの海生生物種が多量に付着して、様々な障害を惹き起こす。これら海生生物種の密集着生(付着)を防止するために、従来から工業用の冷却水に塩素(次亜塩素酸ナトリウム、電解塩素もしくは塩素ガスなどの塩素発生剤)の添加が行われているが、発ガン性物質で環境への影響が大きいトリハロメタンが生成されるという問題があった。
【0003】
このような水中に生成するトリハロメタンの問題に対し、例えば、特許文献1には、過酸によって飲料水の原水中のトリハロメタン等の消毒副産物の前駆体を低減するための方法および組成物が開示されており、過酸として過酢酸が明記されている。
また、例えば、特許文献2には、飲用水にトリハロメタン等の有害な消毒副生成物を生じない消毒剤の一例として過酢酸が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、生成してしまったトリハロメタンの分解除去に、オゾンガスと紫外線とが有効である旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2018/045035号
中国特許出願公開第107821433号明細書
特開平04-363190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、請求項1に記載の通り、まず原水と過酸を接触させ、(後工程で塩素を添加した際に)トリハロメタン等の消毒副産物の生成を低減するものであり、既に生成してしまった原水中のトリハロメタンの濃度を低減する方法とは明確に異なり、特許文献2に記載の方法も既に生成してしまった原水中のトリハロメタンの濃度の低減に過酢酸が有効である旨は一切開示されていない。
更に、特許文献3に記載の技術は、オゾンガス発生装置や紫外線発生装置が必要であるため経済的な課題や設置場所の確保が必要といった課題があり、また、照射する紫外線が行き渡りにくい水(例えば懸濁物質の多い水)や箇所では効果が充分に発揮されないことなどが推測される。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑み、原水中のトリハロメタン濃度を効果的に低減させることができる水中のトリハロメタン濃度低減方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討した結果、過酢酸及び/又は過酸化水素は、原水中に含まれるトリハロメタンを効果的に除去することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
(1)本発明は、トリハロメタンを含む原水中に過酢酸及び/又は過酸化水素を含有する薬剤を添加する工程を有することを特徴とする水中のトリハロメタン濃度低減方法である。
(2)本発明は、上記原水に対する上記薬剤の過酢酸濃度が0.01~10mg/Lである上記(1)記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法である。
(3)本発明は、上記原水に対する上記薬剤の過酸化水素濃度が0.01~10mg/Lである上記(1)又は(2)記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法である。
(4)また、本発明は、上記原水中のトリハロメタン濃度が0.001mg/L以上である上記(1)~(3)のいずれかに記載の水中のトリハロメタン濃度低減方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原水に含まれるトリハロメタン濃度を効果的に低減させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の水中のトリハロメタン濃度低減方法(以下、本発明の方法ともいう)は、トリハロメタンを含む原水中に過酢酸及び/又は過酸化水素を含有する薬剤を添加する工程を有することを特徴とする。
本発明の発明者らは、環境への影響を考慮して、水中のトリハロメタン濃度の低減方法を検討するために実験を重ねた。その結果、本発明者らは、水中に生成したトリハロメタンに対し過酢酸及び/又は過酸化水素を含有する薬剤を添加することで効果的にトリハロメタン濃度を低減させることができることを見出した。
従来、過酸(過酢酸等)を使用して飲料水中にトリハロメタンが生成されることを防止する技術は、特許文献1、2に記載のように種々検討されていたが、これらの技術は、本発明のように原水中に既に生成されたトリハロメタンを除去するものではなかった。
また、特許文献3に記載の技術は、紫外線照射とオゾン添加とを組み合わせることで水中のトリハロメタンの除去を図ることができるが、過酢酸や過酸化水素を含有する薬剤を用いて水中に含まれるトリハロメタンの分解除去を行うことは記載も示唆もされていない。また、特許文献3に記載の技術は、上記の通りオゾンガス発生装置や紫外線発生装置が必要であるため経済的な課題や設置場所の確保が必要といった課題があり、また、照射する紫外線が行き渡りにくい水(例えば懸濁物質の多い水)や箇所では効果が充分に発揮されないという課題があるが、本発明の方法は、原水に直接薬剤を添加するだけで実施でき、新たな装置・設備を必要とせず、懸濁物質の多い水や、紫外線の行き届かない箇所でも効果を発揮できる。
(【0011】以降は省略されています)

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