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公開番号2024057775
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164668
出願日2022-10-13
発明の名称紫外線照射装置における調光制御方法及び紫外線照射装置
出願人株式会社日本フォトサイエンス,水道機工株式会社
代理人個人
主分類C02F 1/32 20230101AFI20240418BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】適切なUV調光制御を効率的且つシンプルな手法で行う。
【解決手段】紫外線照射装置においては、所定の処理性能を確保するために必要な基準調光率が所定の基準流量(Fr)に対して予め規定されている。UV光源の点灯初期段階において、該基準調光率でUV調光した状態で被処理液体に紫外線を照射し、測定したUV照度に基づき基準照度情報(UV100)を取得する。被処理液体の実際の処理流量(Fp)と基準流量(Fr)との関係(例えば両者の比R = Fp/Fr)に基づき基準照度情報(UV100)を修正することにより、実際の処理流量(Fp)のための目標照度情報(IcL)を算出する。測定されるUV照度(Id)が該目標照度情報(IcL)に基づく照度条件を満たすように、UV調光率を可変制御する。例えば、照度条件として、目標照度情報(IcL)を目標照度下限値とし、それより幾分高い目標値(Ic)、更に幾分高い目標照度上限値(IcH)を設定し、調光制御に用いる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
紫外線光源から発した紫外線を被処理液体に照射する紫外線照射装置における調光制御方法であって、前記紫外線照射装置においては、所定の処理性能を確保するために必要な前記紫外線光源の基準調光率が、所定の基準流量に対して予め規定されており、かつ、前記紫外線照射装置は、前記被処理液体に照射される紫外線の照度を測定する測定装置を具備しており、前記方法は、
前記紫外線光源の点灯初期段階において、前記基準調光率で前記紫外線光源を調光した状態で前記被処理液体に紫外線を照射し、前記測定装置により測定した紫外線照度に基づき基準照度情報を取得することと、
前記紫外線照射装置における前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係に基づき前記基準照度情報を修正することにより、該実際の処理流量のための目標照度情報を算出することと、
前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度情報に基づく照度条件を満たすように、前記紫外線光源の調光率を可変制御すること、
からなる方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係とは、該処理流量と該基準流量との比である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記目標照度情報は、目標照度下限値であり、
前記紫外線光源の調光率を可変制御することは、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度下限値以上の所定の制御照度範囲に収まるように、前記紫外線光源の調光率を可変制御することからなる、請求項1又は2の方法。
【請求項4】
前記紫外線光源の調光率を可変制御することは、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度下限値より低下した場合、前記紫外線光源の調光率を上昇させることを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度下限値より低下した場合、前記紫外線光源の調光率を上昇させることは、該調光率を最大調光率に設定することからなる、請求項4の方法。
【請求項6】
前記基準調光率は最大調光率であり、前記所定の基準流量は、該最大調光率で紫外線照射したときに前記紫外線照射装置が前記所定の処理性能を確保し得る最大流量である、請求項1又は2の方法。
【請求項7】
被処理液体を収容する容器と、
前記容器内において前記被処理液体に紫外線を照射する紫外線光源と、
前記容器内において前記被処理液体に照射される紫外線の照度を測定する測定装置と、
前記紫外線光源の調光率を制御する制御装置と
を具備する紫外線照射装置であって、該紫外線照射装置においては、所定の処理性能を確保するために必要な前記紫外線光源の基準調光率が、所定の基準流量に対して予め規定されており、
前記制御装置は、
前記紫外線光源の点灯初期段階において、前記基準調光率で前記紫外線光源を調光した状態で前記被処理液体に紫外線を照射し、前記測定装置により測定した紫外線照度に基づき基準照度情報を取得することと、
前記紫外線照射装置における前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係に基づき前記基準照度情報を修正することにより、該実際の処理流量のための目標照度情報を算出することと、
前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度情報に基づく照度条件を満たすように、前記紫外線光源の調光率を可変制御すること、
を行うように構成されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項8】
前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係とは、該処理流量と該基準流量との比である、請求項7の紫外線照射装置。
【請求項9】
前記目標照度情報は、目標照度下限値であり、
前記制御装置は、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度下限値以上の所定の制御照度範囲に収まるように、前記紫外線光源の調光率を可変制御するように構成されている、請求項7又は8の紫外線照射装置。
【請求項10】
前記基準調光率は最大調光率であり、前記所定の基準流量は、該最大調光率で紫外線照射したときに前記紫外線照射装置が前記所定の処理性能を確保し得る最大流量である、請求項7又は8の紫外線照射装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線を水等の液体に照射することにより、細菌、ウイルス、カビ類などの微生物の殺菌(不活化)や耐塩素性生物のクリプトスポリジウム、ジアルジア等の原虫の不活化処理或いは有機物分解等の処理を行う紫外線照射装置に関し、特に、紫外線の調光制御のための方法及び装置に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、浄水場において、水道原水に存在する耐塩素性生物対策に紫外線照射装置が使用されている。このような紫外線照射装置において、紫外線の過剰な照射による資源の無駄遣い(電力の過剰消費や紫外線ランプ寿命の低下等)を防ぐために、あるいは様々な影響因子の変化に応じて適切な紫外線照射を行う等のために、調光制御が行われる。たとえば、紫外線照射装置の入口側又は出口側のどちらかで被処理水の水質(例えばTOC(全有機体炭素)濃度)を測定し、紫外線照射後の水質を一定の水準に保つように調光制御する手法が知られている(例えば特許文献1)。また、紫外線照射装置に使用する光源ランプの経時劣化による紫外線照度維持率の低下に応じて、紫外線ランプの交換などを行うことにより調光制御する手法が知られている(例えば特許文献2、3、4)。
【0003】
さらに、特許文献5あるいは6は、被処理水の流量に応じて必要な紫外線を照射するように紫外線ランプの点灯数を増減調整することを示している。また、特許文献7は、被処理水の紫外線透過率を測定し、測定した紫外線透過率に応じて紫外線照度と被処理水の流量を制御する技術を示している。特許文献8は、紫外線照射装置において、紫外線照度をモニターし、紫外線照度が基準値より低下した場合に警告を発することを示している。特許文献9は、紫外線照射装置において、紫外線照度をモニターし、紫外線ランプの調光又は間引き点灯などの制御を行うことを示している。特許文献10は、被処理水の濁度状況を測定し、測定した濁度状況に応じて紫外線照度を制御する技術を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2009/122884
実開平4-91794
特開平5-50061
特開2003-24774
特開2005-177721
特開2007-245097
特開2001-47040
特開2011-183295
特開2018-99652
特開2004-249207
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、紫外線照射装置において、適切な調光制御を効率的且つシンプルに行う方法を提供しようとするものであり、また、そのための装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る紫外線照射装置における調光制御方法は、紫外線光源から発した紫外線を被処理液体に照射する紫外線照射装置における調光制御方法であって、前記紫外線照射装置においては、所定の処理性能を確保するために必要な前記紫外線光源の基準調光率が、所定の基準流量に対して予め規定されており、かつ、前記紫外線照射装置は、前記被処理液体に照射される紫外線の照度を測定する測定装置を具備しており、前記方法は、前記紫外線光源の点灯初期段階において、前記基準調光率で前記紫外線光源を調光した状態で前記被処理液体に紫外線を照射し、前記測定装置により測定した紫外線照度に基づき基準照度情報を取得することと、前記紫外線照射装置における前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係に基づき前記基準照度情報を修正することにより、該実際の処理流量のための目標照度情報を算出することと、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度情報に基づく照度条件を満たすように、前記紫外線光源の調光率を可変制御すること、からなる。
【0007】
前記紫外線照射装置は、前記基準調光率で調光して前記所定の基準流量の被処理液体を処理したとき、所定の処理性能を確保することができるように構成されている。これは、装置の定格として、一般的に知られている概念に基づいている。一例として、前記基準調光率は最大調光率(つまり調光率100%)であり得、前記所定の基準流量は、該最大調光率で紫外線照射したときに該紫外線照射装置が前記所定の処理性能を確保し得る最大流量であり得る。所定の処理性能を確保するとは、該紫外線照射装置が実現しようとする細菌、ウイルス、カビ類などの微生物の殺菌(不活化)や耐塩素性生物のクリプトスポリジウム、ジアルジア等の原虫の不活化処理或いは有機物分解等の処理が、目標とする性能/効果を達成し得ることを意味する。
【0008】
通常知られているように、紫外線照射装置の稼働時には、紫外線光源が点灯され、任意の処理流量の被処理液体が流される。本発明によれば、該紫外線光源の点灯初期段階において、基準調光率で紫外線光源を調光した状態で該被処理液体に紫外線を照射し、測定装置による測定照度に基づき基準照度情報を取得する(ステップ1)。このステップ1で取得される前記基準照度情報が示す基準照度は、紫外線照射装置の実際の紫外線処理環境(例えば被処理液体の水温及びUV透過率、被処理液体を収納する容器壁面の反射度合い、紫外線光源の経年劣化度合い及び/又は個体差など)を反映している。しかし、紫外線照射は前記基準調光率で行われるのに対して、被処理液体の実際の処理流量は前記所定の基準流量(例えば前記最大流量)とは限らないので、このステップ1で取得される前記基準照度情報が示す基準照度は、前記所定の処理性能を確保するのに適した照度を示しているとは限らない。例えば、実際の処理流量が前記所定の基準流量より少ないとすると、前記基準調光率で行われた紫外線照射は過剰な照射を含んでいるので、前記基準照度情報が示す基準照度は該過剰な照射を反映している。反対に、実際の処理流量が前記所定の基準流量より多いとすると、前記基準調光率で行われた紫外線照射は不足をもたらすので、前記基準照度情報が示す基準照度は該不足する照射を反映している。
【0009】
本発明によれば、前記紫外線照射装置における前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係に基づき前記基準照度情報を修正することにより、該実際の処理流量のための目標照度情報を算出する(ステップ2)。上述のように前記基準照度情報が示す基準照度は前記所定の処理性能を確保するのに適した照度を示しているとは限らないことに鑑みると、このステップ2で該実際の処理流量と前記基準流量との関係に基づき前記基準照度情報を修正することにより算出される前記目標照度情報は、前記所定の処理性能を確保するのに適した指針となりものとなる。例えば、実際の処理流量が前記所定の基準流量より少ないとすると、前述のように過剰な照射を反映している前記基準照度が修正されることにより、過剰な照射を減少するように、該基準照度より小さな値を前記目標照度情報とすることができる。反対に、実際の処理流量が前記所定の基準流量より多いとすると、前述のように不足する照射を反映している前記基準照度が修正されることにより、不足する照射を増加するように、該基準照度より大きな値を前記目標照度情報とすることができる。こうして算出される前記目標照度情報は、前記所定の処理性能を確保するのに適した指針となり得るものであり、かつ、当該紫外線照射装置の実際の紫外線処理環境を反映しているものである。すなわち、このような目標照度情報は、比較的シンプルな装置構成及びアルゴリズムに従って生成されるものでありながら、所定の処理性能を確保し且つ実際の紫外線処理環境を反映している、という適切な性格を有している。なお、一例として、前記被処理液体の実際の処理流量と前記基準流量との関係とは、該処理流量と該基準流量との比であってよい。あるいは、比に限らず、該処理流量と該基準流量との相関関数に基づくものであってもよい。
【0010】
本発明によれば、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度情報に基づく照度条件を満たすように、前記紫外線光源の調光率を可変制御する(ステップ3)。すなわち、前記紫外線光源の調光率を可変制御することは、前記測定装置によって測定される紫外線照度が前記目標照度情報に基づく照度条件を満たすようにする適宜のフィードバック制御として行われ得る。前記目標照度情報は前述したように適切な性格を持つ情報であるから、この目標照度情報に基づく照度条件を満たすように紫外線照度のフィードバック制御を行うことにより、前記所定の処理性能を確保し、かつ、当該紫外線照射装置の実際の紫外線処理環境を反映した調光制御を実現することができる。従って、本発明によれば、適切な調光制御を効率的且つシンプルに行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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