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公開番号2024051522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022157736
出願日2022-09-30
発明の名称プラズマを利用した濁水処理装置及び濁水処理方法
出願人戸田建設株式会社,国立大学法人 熊本大学
代理人個人
主分類C02F 1/48 20230101AFI20240404BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】処理能力が高く、小型化・軽量化が実現でき、メンテナンス性に優れ、且つ環境に配慮したプラズマを利用した濁水処理装置を提供する。
【解決手段】濁水にパルスパワーを印加することでプラズマを発生させるプラズマ発生装置3と、前記プラズマによって濁水中に生成された水素イオンに引き寄せられて水面付近に浮上した細粒土を含む濁水の一部を回収する浮上細粒土回収装置4と、金属製の陽電極板6と陰電極板7とを交互に配列してなる電気凝集装置5とを備える。前記電気凝集装置5の陽電極板6及び陰電極板7が濁水の水面から所定の深さ範囲にのみ設置され、前記プラズマによって濁水中に生成された水素イオンに引き寄せられて浮上した細粒土が、前記電気凝集装置5から遊離した金属イオンと凝集して沈降することにより分離・回収される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
濁水にパルスパワーを印加することでプラズマを発生させるプラズマ発生装置と、前記プラズマによって濁水中に生成された水素イオンに引き寄せられて水面付近に浮上した細粒土を含む濁水の一部を回収する浮上細粒土回収装置と、金属製の陽電極板と陰電極板とを交互に配列してなる電気凝集装置とを備え、
前記電気凝集装置の陽電極板及び陰電極板が濁水の水面から所定の深さ範囲にのみ設置され、前記プラズマによって濁水中に生成された水素イオンに引き寄せられて浮上した細粒土が、前記電気凝集装置から遊離した金属イオンと凝集して沈降することにより分離・回収されることを特徴とするプラズマを利用した濁水処理装置。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記電気凝集装置の陽電極板及び陰電極板は、濁水の水面から20~40cmの深さ範囲にのみ設けられ、それより下方には設けられていない請求項1記載のプラズマを利用した濁水処理装置。
【請求項3】
前記浮上細粒土回収装置によって回収された濁水を脱水する脱水装置が備えられている請求項1記載のプラズマを利用した濁水処理装置。
【請求項4】
濁水にパルスパワーを印加することでプラズマを発生させるとともに、このプラズマによって生成された水素イオンに引き寄せられて濁水中の細粒土を浮上させ、水面付近に浮上した細粒土を含む濁水の一部を回収して脱水装置に送るとともに、その下流側に、金属製の陽極板と陰極板とを交互に配列してなる電気凝集装置を、濁水の水面から所定の深さ範囲にのみ配置することにより、前記プラズマによって濁水中に生成された水素イオンに引き寄せられて浮上した細粒土を、前記電気凝集装置から遊離した金属イオンと凝集して沈降させ、分離・回収することを特徴とするプラズマを利用した濁水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、各種トンネル工事、ダム工事、地盤改良工事、地中連続壁造成工事などの工事において発生する濁水を簡便に且つ環境に配慮した方法で処理するプラズマを利用した濁水処理装置及び濁水処理方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネル又はシールドトンネルなどの各種トンネル工事、ダム工事、地盤改良工事、地中連続壁造成工事などの土木工事においては、削孔、ズリ積み、ズリ運搬による細粒土(粘土及びシルトなど)が湧水や工事用水に混入することで、排水基準(SS(浮遊物質)の基準値は200mg/L)を超える濁水が大量に発生する。
【0003】
この濁水は、処理システムに送られ処理される。一般に、濁水処理システムによる処理は、各種工事現場からの原水(濁水)が先ず原水槽に供給され貯留される。この原水のSSは概ね500~3000mg/Lである。所定量の原水が凝集沈降分離装置(所謂、シックナ)に移送され、ここで、無機凝集剤と高分子凝集剤とが添加されるとともに、中和処理のために炭酸ガスが投入される。前記凝集処理によって濁水中に浮遊する多くの微細粒子群がフロックとなって沈降分離される。この凝集沈降分離工程によって、原水のSSは、概ね10~25mg/Lまで低減される。
【0004】
前記無機凝集剤(例えば、PAC又は硫酸バンド等)は、排泥水中の浮遊物質が帯びている電荷(一般には負に帯電)に反対の電荷を与えて電気的に中性とし、粒子間相互の反発を無くして凝集させるものであり、前記高分子凝集剤(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド陰イオン変性物、ポリアクリルアミド、デンプン等)は、水中に懸濁しているコロイドや微粒子の表面電荷を中和して粒子を凝集させ、吸着架橋作用により大きなフロックを形成するためのものである。これらの凝集剤は単独で使用されることもあるが、凝集沈降効果を上げるために、併用されることが多い。
【0005】
しかし、凝集剤の使用は環境や生態系への影響が懸念されており、特に高分子凝集剤は、魚のえらに付着して窒息死させることがあり、環境への影響が大きく懸念されている。
【0006】
凝集剤の使用量を抑え環境への影響を大幅に低減するため、下記特許文献1には、土砂等の懸濁粒子を含む懸濁排水が供給される懸濁粒子凝集槽と、陽極板及び陰極板が交互に並行配置され前記懸濁粒子凝集槽に沈設される懸濁粒子凝集部と、前記懸濁粒子凝集部の前記陽極板及び前記陰極板の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部とを備えた懸濁粒子凝集装置が開示されている。特許文献1には、懸濁粒子凝集部の陽極板及び陰極板の浸漬深さを調整する浸漬深さ調整部を有するので、陽極板と陰極板の使用範囲を選択して、電極板を無駄なく最後まで効率的に使用することができ、電極板の長寿命性、環境保護性に優れるだけでなく、懸濁排水の処理量や濁質に応じて電極板の浸漬深さを調整することにより、電気凝集の処理能力を切り替えることができ、電極板の無駄な消耗を防ぐことができ、汎用性、懸濁排水処理の効率性に優れることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011-67804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1などに開示される従来の電気凝集装置は、ユニット化されているため、1台あたりの濁水の処理能力が、例えば最大で40~60m
3
/時程度に限られており、処理に時間がかかる欠点があった。
【0009】
また、特許文献1記載の装置は、陽極板と陰極板との間に直流電圧を印加することにより、その間を流れる懸濁排水中の微小粒子を帯電させ、懸濁粒子のフロック化を促して、凝集体の一部を懸濁粒子凝集槽内に沈殿させ、沈殿汚泥水として排出、回収するものであるため、濁水中の細粒土の凝集化を促進させるため、電極板は凝集槽の底部まで達する水深方向のほぼ全長に亘る大型板を用いる必要がある。このため、装置が大型化・高重量化する欠点があるとともに、電極板に付着するスケールに対するメンテナンス性が悪いなどの課題があった。
【0010】
そこで本発明の主たる課題は、処理能力が高く、小型化・軽量化が実現でき、メンテナンス性に優れ、且つ環境に配慮したプラズマを利用した濁水処理装置及び濁水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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