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公開番号2024046632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2023152739
出願日2023-09-20
発明の名称リン回収装置及びリン回収方法
出願人国立大学法人鳥取大学
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/465 20230101AFI20240327BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】浮遊物質を含む被処理水からより効率的にリンを回収する装置を提供すること。
【解決手段】リンおよび浮遊物質を含む被処理水と、リン結晶化剤とを収容可能な電解槽、ならびに
前記被処理水に通電可能な陰極および陽極を備える通電部を備え、
前記電解槽内にて、前記被処理水中にて発生する気泡によって前記浮遊物質が前記被処理水の表層領域に浮上可能となっており、
前記被処理水は、前記通電中にて、前記浮遊物質が相対的に少ない第1領域と、前記浮遊物質が相対的に多い第2領域とを備えることが可能であり、
前記リン結晶化剤は、通電中にて、少なくとも前記第1領域に存在する、リン回収装置。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
リンおよび浮遊物質を含む被処理水と、リン結晶化剤とを収容可能な電解槽、ならびに
前記被処理水に通電可能な陰極および陽極を備える通電部を備え、
前記電解槽内にて、前記被処理水中にて発生する気泡によって前記浮遊物質が前記被処理水の表層領域に浮上可能となっており、
前記被処理水は、前記通電中にて、前記浮遊物質が相対的に少ない第1領域と、前記浮遊物質が相対的に多い第2領域とを備えることが可能であり、
前記リン結晶化剤は、通電中にて、少なくとも前記第1領域に存在する、リン回収装置。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記気泡が、前記通電による前記被処理水の電解によって前記陽極および前記陰極の少なくとも一方から発生する気泡である、請求項1に記載のリン回収装置。
【請求項3】
前記被処理水に前記リン結晶化剤を供給する供給部をさらに備え、
前記供給部は、通電中にて、前記第1領域に前記リン結晶化剤を供給可能に構成されている、請求項1に記載のリン回収装置。
【請求項4】
前記第1領域が、前記気泡によって前記浮遊物質が減じられた領域である、請求項3に記載のリン回収装置。
【請求項5】
前記電解槽が、前記リン結晶化剤を収容可能なリン結晶化剤収容部をさらに備え、
前記第1領域が、前記リン結晶化剤収容部の内部領域である、請求項1に記載のリン回収装置。
【請求項6】
前記リン結晶化剤収容部が輪郭壁を備え、
前記輪郭壁の少なくとも一部が、前記リン結晶化剤収容部の内部と外部との間でイオン移動可能となっている、請求項5に記載のリン回収装置。
【請求項7】
リンおよび浮遊物質を含む被処理水を電解槽に供給し、前記被処理水に陽極および陰極を浸漬することと、
前記被処理水中に気泡を発生させ、前記被処理水の表層領域に前記浮遊物質を浮上させることと、
前記被処理水を、前記浮遊物質が相対的に少ない第1領域と、前記浮遊物質が相対的に多い第2領域とに分離することと、
少なくとも前記第1領域にリン結晶化剤が位置付けられた状態で前記被処理水に通電することとを含む、リン回収方法。
【請求項8】
前記気泡によって前記電解槽の内部に前記第2領域を形成することと、
通電中にて、前記第1領域にリン結晶化剤を供給することとを含む、請求項7に記載のリン回収方法。
【請求項9】
前記陽極および前記リン結晶化剤を収容したリン結晶化剤収容部を前記被処理水に浸漬することによって、前記リン結晶化剤収容部の内部に前記第1領域を形成する、請求項7に記載のリン回収方法。
【請求項10】
前記通電の開始後、所定時間の経過後に前記陽極および前記陰極を極性反転させることをさらに含む、請求項7に記載のリン回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、リン回収装置およびリン回収方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
リンは、日常生活や産業などの様々な場面で広く利用されている、需要の高い資源である。その一方で、リンは代替不可能で有限であるため、資源循環の観点から、効率的なリンの回収および再利用の方法が求められている。
【0003】
消費されたリンの多くは、生活排水や産業排水として、排水処理場に流入する。非特許文献1では、排水処理場に流入した排水からリンを回収するため、カルシウム塩を用いて電解晶析を行い、リン含有結晶を析出沈殿させる試みが為されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Lei Y., Narsing S., Saakes M., van der Weijden, R.D., Buisman, C.J.N., "Calcium Carbonate Packed Electrochemical Precipitation Column: New Concept of Phosphate Removal and Recovery," Environ. Sci. Technol. Vol. 53, 10774-10780, 2019.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、従来のリン回収方法に克服すべき課題があることに気づき、そのための対策をとる必要性を見出した。具体的には、以下の課題があることを見出した。
【0006】
一般に、生活排水および産業排水には、汚泥残渣などの浮遊物質が含まれる。浮遊物質は、リン含有結晶の析出を阻害し得ることに加え、回収されるリン含有結晶の純度を低下させる虞がある。そのため、非特許文献1では、排水処理プラントにおける流入下水を処理前にろ過することで、被処理水中の浮遊物質を除去している。しかしながら、ろ過処理による浮遊物質の除去は、処理時間の増大および被処理水量の制限などの問題があるため、下水処理施設における大規模なリンの回収方法には向いていない。
【0007】
本開示は、かかる課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本開示の主たる目的は、浮遊物質を含む被処理水からより効率的にリンを回収する装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の一実施形態では、
リンおよび浮遊物質を含む被処理水と、リン結晶化剤とを収容可能な電解槽、ならびに
前記被処理水に通電可能な陰極および陽極を備える通電部を備え、
前記電解槽内にて、前記被処理水中にて発生する気泡によって前記浮遊物質が前記被処理水の表層領域に浮上可能となっており、
前記被処理水は、前記通電中にて、前記浮遊物質が相対的に少ない第1領域と、前記浮遊物質が相対的に多い第2領域とを備えることが可能であり、
前記リン結晶化剤は、通電中にて、少なくとも前記第1領域に存在する、リン回収装置が提供される。
【0009】
また、本開示の一実施形態では、
リンおよび浮遊物質を含む被処理水を電解槽に供給し、前記被処理水に陽極および陰極を浸漬することと、
前記被処理水中に気泡を発生させ、前記被処理水の表層領域に前記浮遊物質を浮上させることと、
前記被処理水を、前記浮遊物質が相対的に少ない第1領域と、前記浮遊物質が相対的に多い第2領域とに分離することと、
少なくとも前記第1領域にリン結晶化剤が位置付けられた状態で前記被処理水に通電することとを含む、リン回収方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態に係るリン回収装置およびリン回収方法によれば、浮遊物質を含む排水からより効率的にリンを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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