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公開番号2024058816
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166154
出願日2022-10-17
発明の名称リチウムイオン電池用負極材料
出願人大同特殊鋼株式会社,国立大学法人鳥取大学
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類H01M 4/38 20060101AFI20240422BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高容量と高いサイクル特性を両立することができるリチウムイオン電池用負極材料を提供する。
【解決手段】Si相と、少なくとも1種のSi化合物相と、を含み、Si化合物相は、Si、A元素、B元素、C元素の化合物よりなり、A元素は、Crであり、B元素は、VおよびNbより選択され、C元素は、Mo,Ta,W,Fe,Ni,Zr,Nbより選択される、リチウムイオン電池用負極材料とする。ただし、B元素がNbであるとき、C元素はNb以外より選択される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
Si相と、少なくとも1種のSi化合物相と、を含み、
前記Si化合物相は、Si、A元素、B元素、C元素の化合物よりなり、
前記A元素は、Crであり、
前記B元素は、VおよびNbより選択され、
前記C元素は、Mo,Ta,W,Fe,Ni,Zr,Nbより選択される、リチウムイオン電池用負極材料。
ただし、前記B元素がNbであるとき、前記C元素はNb以外より選択される。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記A元素、前記B元素、前記C元素はそれぞれ、単独でSiと化合物を形成していない、請求項1に記載のリチウムイオン電池用負極材料。
【請求項3】
それぞれ原子数比で、
前記A元素、前記B元素、前記C元素の合計に占める前記A元素の割合が、0.3以上0.7以下であり、
前記B元素と前記C元素の合計に占める前記B元素の割合が、0.4以上0.6以下である、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン電池用負極材料。
【請求項4】
前記リチウムイオン電池用負極材料中で前記Si相が占める割合を示すSi相量が、20質量%以上80質量%以下である、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン電池用負極材料。
【請求項5】
前記リチウムイオン電池用負極材料はさらに、Sn,Al,In,Biより選択される少なくとも1種の添加元素を、Siと化合物を形成することなく、前記リチウムイオン電池用負極材料全体の10質量%以下の量で含有する、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン電池用負極材料。
【請求項6】
前記Si相の平均粒径が、500nm以下である、請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン電池用負極材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池用負極材料に関し、さらに詳しくは、Si相と、Si化合物相とを含有するリチウムイオン電池用負極材料に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)等の電動自動車や、スマートフォンやノートパソコン等のモバイル機器には、リチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)が搭載されることが多く、電動自動車の普及やモバイル機器の高性能化に伴い、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化が求められている。リチウムイオン二次電池の負極材料としては、従来一般にはグラファイトが用いられてきた。しかし、グラファイトは理論容量が低いため、グラファイトを負極材料の主成分として用いて、負極の高容量化を達成するのには限界がある。そこで、グラファイトよりも高い理論容量を示す材料の1つとして、Siが負極材料として用いられるようになっている。
【0003】
リチウムイオン電池において、負極は、充電時にリチウムイオンを吸蔵し、放電時にそのリチウムイオンを放出する。Siを負極材料として用いると、上記のように高エネルギー密度化を図れる反面、リチウムイオンの吸蔵・放出時に、著しい膨張と収縮を伴うため、充電・放電のサイクルを繰り返すに従って、電極の崩壊が進行しやすくなる。電極の崩壊が起こると、負極において導電経路が徐々に失われ、リチウムイオン電池の特性が悪化する。
【0004】
リチウムイオン電池の負極材料において、リチウムイオンの吸蔵・放出に伴う電極の崩壊を抑制し、充電・放電のサイクルの繰り返しを経た際の電池特性(サイクル特性)を向上させる方法の1つとして、Siを他の金属元素と合金化させる方法が用いられている。この場合には、Si相に周りを取り囲まれて、Si化合物(シリサイド)の相が形成され、リチウムイオンの吸蔵によってSi相が膨張した際に、膨張応力をSi化合物相が緩和することで、Si相の割れや崩壊が抑制される。例えば、特許文献1に、SiからなるSi主要相と、SiとSi以外の一種以上の元素からなる化合物相を有し、化合物相が、SiとCr、あるいはSiとCrとTiからなる相を含んでなる負極材料が開示されている。また、発明者らの発明による特許文献2に、Si相とSi化合物相とを有する負極材料が開示されている。特許文献2では、Si化合物相が、Si-Cr-VまたはSi-Cr-Nb三元系シリサイドより構成される形態を、主に扱っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-62660号公報
特開2021-22438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり、リチウムイオン電池用の負極材料において、Siを主材料として用いることで、高容量化を図ることができ、さらに、Siの合金化により、Si相とSi化合物相を共存させることで、サイクル特性の向上を図ることができる。しかし、発明者らは、Si化合物相の組成を検討することで、Si化合物相によるサイクル特性向上の効果をさらに高められる可能性があるとの知見を得た。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、高エネルギー密度と高いサイクル特性を両立することができるリチウムイオン電池用負極材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のリチウムイオン電池用負極材料は、以下の構成を有する。
[1]本発明にかかるリチウムイオン電池用負極材料は、Si相と、少なくとも1種のSi化合物相と、を含み、前記Si化合物相は、Si、A元素、B元素、C元素の化合物よりなり、前記A元素は、Crであり、前記B元素は、VおよびNbより選択され、前記C元素は、Mo,Ta,W,Fe,Ni,Zr,Nbより選択される。ただし、前記B元素がNbであるとき、前記C元素はNb以外より選択される。
【0009】
[2]上記[1]の態様において、前記A元素、前記B元素、前記C元素はそれぞれ、単独でSiと化合物を形成していないとよい。
【0010】
[3]上記[1]または[2]の態様において、それぞれ原子数比で、前記A元素、前記B元素、前記C元素の合計に占める前記A元素の割合が、0.3以上0.7以下であり、前記B元素と前記C元素の合計に占める前記B元素の割合が、0.4以上0.6以下であるとよい。
(【0011】以降は省略されています)

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