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公開番号2024066059
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022175302
出願日2022-11-01
発明の名称軟磁性金属粉体及びその製造方法
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240508BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】室温での磁気特性を良好に維持しつつ広い温度範囲で安定した磁気特性を有する軟磁性金属粉体及びその製造方法の提供。
【解決手段】軟磁性金属粉体は、質量%で、Feに、Al:6.0~8.0wt%、Si:8.0~10.0wt%を不可避的不純物とともに含有する成分組成を有し、再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状体からなる。軟磁性金属粉体の製造方法は、上記した成分組成の粒状体からなる溶融凝固粉粉体を圧縮加工して加工歪みを導入し、600~900℃の範囲内の温度で磁気焼鈍し再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状体からなる粉体とする。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、Feに、Al:6.0~8.0wt%、Si:8.0~10.0wt%を不可避的不純物とともに含有する成分組成を有し、
再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状体からなることを特徴とする軟磁性金属粉体。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
磁性コアに加工して、磁束密度0.1T、周波数100kHzの条件で測定したコアロスが600kW/m

以下であることを特徴とする請求項1記載の軟磁性金属粉体。
【請求項3】
質量%で、Feに、Al:6.0~8.0wt%、Si:8.0~10.0wt%を不可避的不純物とともに含む成分組成の粒状体からなる溶融凝固粉体を圧縮加工して加工歪みを導入し、600~900℃の範囲内の温度で磁気焼鈍し再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状体からなる粉体とすることを特徴とする軟磁性金属粉体の製造方法。
【請求項4】
前記加工歪みの導入は、前記溶融凝固粉体を閉空間内に収容して2~12t/cm

の範囲内の面圧を与えて圧縮加工することを特徴とする請求項2記載の軟磁性金属粉体の製造方法。
【請求項5】
磁性コアに加工して、磁束密度0.1T、周波数100kHzの条件で測定したコアロスが600kW/m

以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の軟磁性金属粉体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Fe-Si-Al合金からなるFe基軟磁性金属粉体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
電力変換回路に使用されるパワーインダクタやリアクトルの磁性コアには、センダスト合金や、アモルファス又はアモルファス+ナノ結晶組織を利用した合金からなる軟磁性合金が使用されている。かかる合金では、鉄損、すなわち、磁性コアでの発熱によるエネルギー損失を低く抑え、高い電力効率や発熱抑制が可能となっている。一方、近年、電気自動車の車載電気回路における電力変換機構の昇圧リアクトルなどにも軟磁性合金が使用されているが、動作環境が従来以上に過酷となり、例えば、電気自動車では、-40~125℃といった広い温度範囲における安定性が要求されることになる。
【0003】
例えば、特許文献1では、通信機器や電子機器の使用時の周辺温度の変化や発熱に対して安定した磁気特性、例えば、自動車では-40~150℃、その他では-40~85℃での磁気特性の安定性が要求されることを述べた上で、-40~85℃の温度範囲における透磁率の温度係数Kを調整したFe-Si-Al合金からなるFe基軟磁性金属粉体を開示している。Fe中に、Al:6~7.5wt%、Si:8.5~9.5wt%を含有し、かつ、AlとSiの合計含有量を15~16.5wt%とした成分組成の母合金をアトマイズ法などで粉体に成形し、アトライターなどで扁平化処理後、500~900℃で歪取り熱処理を行って、平均粒子径、アスペクト比、かさ密度/真密度比を調整して、所定の温度範囲での温度係数Kを調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-111766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、典型的には、Feに、Al:5.5wt%、Si:9.5wt%を含有させたセンダスト合金は、広く通信機器や電子機器に使用されてきたが、電気自動車の車載電気回路での使用にも耐えるよう、室温での良好な磁気特性を維持しつつ、広い温度範囲での磁気特性、特に、損失特性の安定性が求められた。
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、室温での良好な磁気特性を維持しつつ広い温度範囲で安定した磁気特性を有する軟磁性金属粉体及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による軟磁性金属粉体は、質量%で、Feに、Al:6.0~8.0%、Si:8.0~10.0%を不可避的不純物とともに含有する成分組成を有し、
再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状粉体からなることを特徴とする。
【0008】
かかる特徴によれば、母材の磁気異方性と、歪みによる磁気異方性とをバランスさせて室温での磁気特性を良好に維持しつつ、広い温度範囲で安定した磁気特性を示すのである。
【0009】
上記した発明において、磁性コアに加工して、磁束密度0.1T、周波数100kHzの条件で測定したコアロスが600kW/m

以下であることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、室温での磁気特性を良好に維持できて、広い温度範囲で安定した磁気特性を示すのである。
【0010】
また、本発明による軟磁性金属粉体の製造方法は、質量%で、Feに、Al:6.0~8.0%、Si:8.0~10.0%を不可避的不純物とともに含む成分組成の粒状体からなる溶融凝固粉体を圧縮加工して加工歪みを導入し、600~900℃の範囲内の温度で磁気焼鈍して再結晶化を伴う加工歪み組織にてKAM値を0.30~0.70°とした粒状体からなる粉体とすることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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