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公開番号2024053446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159742
出願日2022-10-03
発明の名称金属回収方法
出願人JX金属株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240408BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】リチウムイオン電池廃棄物から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を金属塩として有効に回収することができる金属回収方法を提供する。
【解決手段】リチウムイオン電池廃棄物の電池粉から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を含む金属を回収する方法であって、前記電池粉を酸で浸出させ、前記一種以上の対象金属が溶解した浸出後液としての金属含有溶液を得る浸出工程と、前記金属含有溶液のpHを上昇させ、前記一種以上の対象金属を含む中和残渣を得る中和工程とを含み、前記中和残渣を前記浸出工程で前記電池粉とともに浸出させ、前記浸出工程及び前記中和工程を含む一連の工程を繰り返すことにより、前記金属含有溶液中の前記一種以上の対象金属の濃度を上昇させ、前記浸出工程の後で前記中和工程の前に、前記金属含有溶液から前記一種以上の対象金属を析出させ、前記一種以上の対象金属を含む金属塩を得る晶析工程をさらに含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムイオン電池廃棄物の電池粉から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を含む金属を回収する方法であって、
前記電池粉を酸で浸出させ、前記一種以上の対象金属が溶解した浸出後液としての金属含有溶液を得る浸出工程と、前記金属含有溶液のpHを上昇させ、前記一種以上の対象金属を含む中和残渣を得る中和工程とを含み、
前記中和残渣を前記浸出工程で前記電池粉とともに浸出させ、前記浸出工程及び前記中和工程を含む一連の工程を繰り返すことにより、前記金属含有溶液中の前記一種以上の対象金属の濃度を上昇させ、
前記浸出工程の後で前記中和工程の前に、前記金属含有溶液から前記一種以上の対象金属を析出させ、前記一種以上の対象金属を含む金属塩を得る晶析工程を含む金属回収方法。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記一種以上の対象金属が、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される二種以上の対象金属である請求項1に記載の金属回収方法。
【請求項3】
前記一種以上の対象金属が、コバルト、ニッケル及びマンガンの三種の対象金属である請求項2に記載の金属回収方法。
【請求項4】
前記浸出後液としての金属含有溶液にリチウムが溶解しており、
前記中和工程で、リチウムが溶解したリチウム含有溶液が得られ、
前記リチウム含有溶液から水酸化リチウム溶液を得る水酸化工程を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の金属回収方法。
【請求項5】
前記水酸化リチウム溶液を、前記中和工程でpH調整剤として使用する請求項4に記載の金属回収方法。
【請求項6】
前記中和残渣が、前記一種以上の対象金属の水酸化物を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の金属回収方法。
【請求項7】
前記浸出後液としての金属含有溶液に、アルミニウム及び/又は鉄が溶解しており、
前記一連の工程が、前記浸出工程と前記中和工程との間に、当該金属含有溶液のpHを上昇させ、アルミニウム及び/又は鉄を析出させて除去する不純物除去工程をさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の金属回収方法。
【請求項8】
前記一連の工程の繰返しにより、前記金属含有溶液のコバルトイオン濃度が50g/L以上になった場合、ニッケルイオン濃度が50g/L以上になった場合、及び/又は、マンガンイオン濃度が50g/L以上になった場合に、前記晶析工程を行う請求項1~3のいずれか一項に記載の金属回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書は、金属回収方法を開示するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年は、製品寿命もしくは製造不良その他の理由より廃棄されたリチウムイオン二次電池の廃棄物から、そこに含まれ得るコバルトやニッケル等の有価金属を湿式処理により回収することが、資源の有効活用の観点から広く検討されている。
【0003】
リチウムイオン電池廃棄物から有価金属を回収するプロセスでは、たとえば、リチウムイオン電池廃棄物に対して焙焼等の前処理を行った後の電池粉を酸で浸出させ、電池粉に含まれ得る金属が溶解した浸出後液として金属含有溶液を得る。その後、たとえば特許文献1に記載されているように、中和や溶媒抽出等により、金属含有溶液中の各金属イオンを分離させ、有価金属を回収する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/181816号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したような金属の回収プロセスでは、回収対象のコバルト、ニッケル及びマンガンのうちの一種以上の対象金属を含む金属塩の状態で回収できれば、それを直接的にリチウムイオン電池の正極材の製造原料等として使用できる可能性がある。例えば、コバルト、ニッケル及びマンガンの三種の対象金属の金属塩を含む混合金属塩が得られた場合、それを直接的にリチウムイオン二次電池の三元系正極材の製造原料等として使用できると考えられる。この場合、工程の簡略化、コストの大幅な削減が見込まれる。
【0006】
この明細書では、リチウムイオン電池廃棄物から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を金属塩として有効に回収することができる金属回収方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この明細書で開示する金属回収方法は、リチウムイオン電池廃棄物の電池粉から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を含む金属を回収する方法であって、前記電池粉を酸で浸出させ、前記一種以上の対象金属が溶解した浸出後液としての金属含有溶液を得る浸出工程と、前記金属含有溶液のpHを上昇させ、前記一種以上の対象金属を含む中和残渣を得る中和工程とを含み、前記中和残渣を前記浸出工程で前記電池粉とともに浸出させ、前記浸出工程及び前記中和工程を含む一連の工程を繰り返すことにより、前記金属含有溶液中の前記一種以上の対象金属の濃度を上昇させ、前記浸出工程の後で前記中和工程の前に、前記金属含有溶液から前記一種以上の対象金属を析出させ、前記一種以上の対象金属を含む金属塩を得る晶析工程を含むものである。
【発明の効果】
【0008】
上述した金属回収方法によれば、リチウムイオン電池廃棄物から、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を金属塩として有効に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一の実施形態の金属回収方法を示すフロー図である。
リチウムイオン電池廃棄物から電池粉を得る前処理工程の一例を示すフロー図である。
効果の検証のための液温に対する各金属の飽和濃度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、上述した金属回収方法の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態の金属回収方法は、リチウムイオン電池廃棄物の電池粉から、回収対象の金属として、コバルト、ニッケル及びマンガンからなる群から選択される一種以上の対象金属を含む金属を回収する方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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