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公開番号2024043236
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022148305
出願日2022-09-16
発明の名称アルミニウム合金箔
出願人MAアルミニウム株式会社
代理人個人
主分類C22C 21/00 20060101AFI20240322BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】箔の伸びを確保しつつ、良好な成形性を有するアルミニウム合金箔を提供する。
【解決手段】Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、Marciniak法を用いたひずみ付与成形試験にて、相当塑性ひずみ0.25以上の高い成形性を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、Marciniak法を用いたひずみ付与成形試験にて、相当塑性ひずみ0.25以上であるアルミニウム合金箔。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
方位差15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒の平均粒径が15μm以下であり、前記結晶粒に関し、最大結晶粒径/平均結晶粒径≦3.0である請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項3】
Cu方位密度が30以上であり、Cube方位密度が6以下である請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項4】
前記相当塑性ひずみが、前記ひずみ付与成形試験機で、ひずみ比-0.05~1.0の領域で測定されている請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔。
【請求項5】
前記相当塑性ひずみが、前記ひずみ付与成形試験機で、ひずみ比-0.05~1.0の領域で測定されている請求項3に記載のアルミニウム合金箔。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、成形加工に供することができるアルミニウム合金箔に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
圧延性に優れる8000系アルミニウム合金は、医薬品や食品、リチウムイオン電池等の包装材など成形加工用のアルミニウム合金箔として広く用いられている。昨今、小さく薄い材料の加工が求められており、また、難加工形状を含む多岐にわたる形状の製品が存在する。これら厳しい条件での加工においても破断しないための成形性向上が要求されている。
例えば、特許文献1では、成分範囲を規定するとともに、結晶粒の粒径を規定し、さらに、Cube方位の面積率を規定することで成形性を高めるとしている。
また、特許文献2では、(111)面、(100)面、(110)面、および、(311)面のそれぞれを示す各回折強度の比率を規定する成形性を高めるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-115376号公報
特開2012-052158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
我々は、成形性の良好な材料の開発に取組んでいる。従来から、成形性を示すパラメータとして伸びが挙げられるが、実際のプレス成形性とは必ずしも一致しない事がある。この理由として変形挙動の違いが挙げられ、薄い材料のプレス成形性を簡便に評価できる手法とそれによって評価される高成形材料が求められている。
鋼板等の成形限界を評価する手法として代表的なものに、平頭ポンチと駆動板を用いるMarciniak法がある。これは張出し試験をベースとした評価法であり、試験片の幅を変化させる事で、様々なひずみ比の変形を付与する事ができる。このMarciniak法を用いる事で、試験片とポンチが直接接触しない無摩擦状態で変形させる事が可能で、材料固有の本質的な変形限界を求める事ができる。
開発を推進していく中で成形性が良好な材料の特徴の1つとして、Marciniak法によるひずみ比が-0.05~1.0の領域での、相当塑性ひずみが高いことが挙げられることを見出した。つまり、成形性が高い箔材料には相当塑性ひずみが高い事が求められると思われる。
「相当塑性ひずみ」については後に詳述するが、ここでは箔などの平面材料を加工する際の加工限界、つまり材料一部に亀裂が発生した時点において、当該部分におけるひずみを単軸引張ひずみに相当する量として換算したものである。
【0005】
本発明は上記課題を背景としてなされたものであり、相当塑性ひずみが高い事を特徴としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のアルミニウム合金箔のうち、第1の形態は、Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、Marciniak法を用いたひずみ付与成形試験にて、相当塑性ひずみ0.25以上の高い成形性を有する事を特徴とする。
他の形態のアルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、さらに方位差15°以上の大傾角粒界で囲まれた結晶粒の平均粒径が15μm以下であり、前記結晶粒に関し、最大結晶粒径/平均結晶粒径≦3.0であることを特徴とする。
他の形態のアルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、さらにCu方位密度が30以上であり、Cube方位密度が6以下であることを特徴とする。
他の形態の方法の発明は、Marciniak試験を用い、ひずみ比-0.05~1.0の領域で箔の成形性を評価する。
【0007】
以下に、本発明で規定する内容について説明する。
【0008】
Marciniak法を用いたひずみ付与成形試験にて、相当塑性ひずみが0.25以上である。相当塑性ひずみは、ひずみ比によって値が異なるが、ひずみ比-0.05~1.0の間では角筒成形時の成形高さと相関が見られ、0.25以上である事により角筒成形時の良好な成形性が得られる。上記値が0.25未満であると、角筒成形時に成形高さを十分に得ることができない。なお、ひずみ比0.8~1.0の領域での相当塑性ひずみが0.4以上であることが一層望ましい。相当塑性ひずみは、供試材をMarciniak法にてひずみを付与し、スクライブドサークル法やDIC(デジタル画像相関法 Digital Image Correlation)を用いた解析により求める事ができる。
【0009】
Marciniak法は、平頭張出しとして一般に知られており、駆動板を用いることで天面部が無摩擦となる。摩擦、割れがないように、適切な駆動板の選定が必要である。駆動板としては、好適には、フッ素樹脂を用いることができ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好適に用いられる。厚さは特に限定されないが、例えば10~200μm厚のものを用いることができる。供試材と駆動板の表裏面には表面潤滑油を塗布することができる。駆動板の形状は特に限定されないが、円形、ISO比例形状(ドッグボーン型)などを用いることができる。
試験前に、供試材に予めスクライブドサークルの図示や、スプレーにてランダムパターンを付与しておき、Marciniak法による塑性変形前後でのひずみの増減を測定することで評価することができる。
【0010】
スクライブドサークル法では、供試材に所定の大きさの円を予め描いておき、変形前後の円を測定し、最大長さと最小長さから面内最大主ひずみ、面内最小主ひずみを求めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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