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公開番号2024048985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155194
出願日2022-09-28
発明の名称有価金属の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240402BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】処理炉の損耗を抑制して、廃リチウムイオン電池等を含む原料から有価金属を安全にかつ効率的に回収することができる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有価金属を含む原料からその有価金属を製造する方法であって、少なくとも、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、及び有価金属を含む原料を準備する準備工程と、原料に対して還元熔融処理を施し、有価金属を含有する合金とスラグとを含む還元物を得る還元熔融工程と、還元物からスラグを分離して合金を回収するスラグ分離工程と、を有し、準備工程及び還元熔融工程のいずれか一方又は両方の工程において、その原料に対して、カルシウム(Ca)を含有するフラックスを添加するとともに、マグネシア(MgO)を添加する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
有価金属を含む原料から該有価金属を製造する方法であって、
少なくとも、リチウム(Li)、アルミニウム(Al)、及び有価金属を含む原料を準備する準備工程と、
前記原料に対して還元熔融処理を施し、有価金属を含有する合金とスラグとを含む還元物を得る還元熔融工程と、
前記還元物からスラグを分離して合金を回収するスラグ分離工程と、を有し、
前記準備工程及び前記還元熔融工程のいずれか一方又は両方の工程において、前記原料に対して、カルシウム(Ca)を含有するフラックスを添加するとともに、マグネシア(MgO)を添加する、
有価金属の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記還元熔融工程では、生成するスラグ中の酸化カルシウム/(酸化アルミニウム+酸化カルシウム)の質量比が0.25以上0.33以下、酸化リチウム/(酸化リチウム+酸化アルミニウム)の質量比が0.25以上0.32以下となるようにし、かつ、スラグ加熱温度を1400℃以上1600℃以下として、還元熔融処理を施す、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。
【請求項3】
前記原料は、廃リチウムイオン電池を含む、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。
【請求項4】
前記還元熔融工程での処理において使用する熔融炉には、炉壁を外側から冷却する手段が設けられており、
前記手段により炉壁を冷却しながら還元熔融処理を施す、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。
【請求項5】
前記還元熔融処理に先立ち、前記原料を酸化焙焼して酸化焙焼物とする酸化焙焼工程をさらに有し、得られた酸化焙焼物を該還元熔融処理に供する、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。
【請求項6】
前記還元熔融工程での処理において使用する熔融炉に構成される耐火物には、マグネシア(MgO)が含まれている、
請求項1に記載の有価金属の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池等の原料から有価金属を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が普及している。よく知られているリチウムイオン電池は、外装缶内に負極材と正極材とセパレータと電解液とを封入した構造を有している。
【0003】
例えば、外装缶は、アルミニウム(Al)や鉄(Fe)等の金属からなる。負極材は、負極集電体(銅箔等)に固着させた負極活物質(黒鉛等)からなる。正極材は、正極集電体(アルミニウム箔等)に固着させた正極活物質(ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等)からなる。セパレータは、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等からなる。電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)等の電解質を含む。
【0004】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つに、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。そのため、自動車のライフサイクルにあわせて、搭載されたリチウムイオン電池が将来的に大量に廃棄される見込みとなっている。また、製造中に不良品として廃棄されるリチウムイオン電池がある。このような使用済み電池や製造中に生じた不良品の電池(以下、「廃リチウムイオン電池」と称する)を資源として再利用することが求められている。
【0005】
再利用の手法として、廃リチウムイオン電池を高温炉で全量熔解する乾式製錬プロセスが提案されている。乾式製錬プロセスは、破砕した廃リチウムイオン電池を熔融処理し、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、及び銅(Cu)に代表される回収対象である有価金属と、鉄やアルミニウムに代表される付加価値の低い金属とを、それらの間の酸素親和力の差を利用して分離回収する手法である。この手法では、付加価値の低い金属については極力酸化してスラグとする一方で、有価金属についてはその酸化を極力抑制して合金として回収する。
【0006】
例えば特許文献1には、ニッケルとコバルトを含有するリチウムイオン電池の廃電池からニッケルとコバルトを含む有価金属を回収する方法が開示されている。具体的には、廃電池を熔融して熔融物を得る熔融工程と、熔融物に対して又は熔融工程前の廃電池に対して行われて廃電池を酸化処理する酸化工程と、熔融物からスラグを分離して有価金属を含む合金を回収するスラグ分離工程とを有し、熔融工程では酸化カルシウムを添加してスラグの液相線温度を下げることで有価金属を回収するプロセスを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6819827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の技術でも課題が残されている。例えば、特許文献1に開示の方法では、フラックスを添加してスラグ液相線温度を下げ過ぎると、処理炉の炉壁の耐火物が浸食されてしまうという問題がある。このような浸食が起きると、炉の外側に処理物が漏洩するリスクがあり、安全上問題であるとともに、炉壁の耐火物の保全に要する費用が莫大になり、有価金属を安価に回収することができない。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、処理炉の損耗を抑制して、廃リチウムイオン電池等を含む原料から有価金属を安全にかつ効率的に回収することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意検討を重ねた。その結果、原料を還元熔融処理する際に、フラックスを添加するとともにマグネシア(MgO)を添加して処理することで、処理炉の炉壁に効果的にスラグコーティング層を形成させることができ、炉の損耗を抑制して、安全性高くかつ効率的な処理を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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