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公開番号2024059047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166558
出願日2022-10-17
発明の名称スチールピストン
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240422BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高温環境で長時間使用した場合であっても、優れた高温強度が得られる、スチールピストンを提供する。
【解決手段】本開示のスチールピストンの上部は、化学組成が、質量%で、C:0.30~0.50%、Si:0.01~0.30%、Mn:0.10~1.50%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:0.10~0.80%、Mo:0.80~2.50%、V:0.01~0.30%、Ti:0.010~0.049%、Al:0.005~0.100%、N:0.020%以下、及び、O:0.0050%以下を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)を満たし、ピストン上部におけるMC型炭化物の個数密度NDが2.0×1022個/m3以上であり、MC型炭化物を構成するFeを除く金属元素のうちのMo含有量の比率RMoが60原子%以上である。
Mo/(Mo+V+Ti)≧0.89 (1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
スチールピストンであって、
少なくともトップランドを含むピストン上部と、
前記ピストン上部の下方に配置されているピストン下部と、を備え、
前記ピストン上部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.10~0.80%、
Mo:0.80~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Ti:0.010~0.049%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.020%以下、及び、
O:0.0050%以下、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
前記ピストン上部におけるMC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記MC型炭化物において、前記MC型炭化物を構成するFeを除く金属元素のうちのMo含有量の比率R
Mo
が60原子%以上である、
スチールピストン。
Mo/(Mo+V+Ti)≧0.89 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
スチールピストンであって、
少なくともトップランドを含むピストン上部と、
前記ピストン上部の下方に配置されているピストン下部と、を備え、
前記ピストン上部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.10~0.80%、
Mo:0.80~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Ti:0.010~0.049%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.020%以下、及び、
O:0.0050%以下、を含有し、
さらに、第1群~第3群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
前記ピストン上部におけるMC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記MC型炭化物において、前記MC型炭化物を構成するFeを除く金属元素のうちのMo含有量の比率R
Mo
が60原子%以上である、
スチールピストン。
[第1群]
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、及び、
B:0.0100%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Nb:0.100%以下、及び、
Zr:0.300%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.100%以下、
Ca:0.0100%以下、
Mg:0.0100%以下、
Bi:0.300%以下、及び、
Te:0.300%以下、からなる群から選択される1種以上
Mo/(Mo+V+Ti)≧0.89 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項3】
請求項2に記載のスチールピストンであって、
前記第1群を含有する、
スチールピストン。
【請求項4】
請求項2に記載のスチールピストンであって、
前記第2群を含有する、
スチールピストン。
【請求項5】
請求項2に記載のスチールピストンであって、
前記第3群を含有する、
スチールピストン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ピストンに関し、さらに詳しくは、エンジン等に利用されるスチールピストンに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジン等に代表されるエンジンは、ピストンを含む。ピストンは、エンジンのシリンダ内に収納され、シリンダ内を往復移動する。ピストンは、エンジン動作中の燃焼過程において、高温の熱に曝される。
【0003】
従前のピストンの多くは、アルミニウムを鋳造して製造されている。しかしながら近年、エンジンの燃焼効率のさらなる向上が求められている。アルミ鋳造品のピストンでは、使用中の表面温度が240~330℃程度である。
【0004】
最近では、さらに高い燃焼温度域においてピストンを使用して、燃焼効率を高める検討がされている。そのため、使用中のピストンの上部の表面温度が400℃以上、さらには500℃以上となっても、高い強度を有するピストンが求められている。このような要望に応えるために、鋼材を用いて製造されるスチールピストンが提案され始めている。スチールピストンは例えば、特許文献1に提案されている。スチールピストンはアルミ鋳造品のピストンと比較して、素材の融点が高い。そのため、スチールピストンはアルミ鋳造品のピストンと比較して、より高い燃焼温度域でも使用することができる。
【0005】
特開2004-181534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近では、燃焼効率のさらなる向上が求められており、使用中のピストンの上部の表面温度が500℃よりもさらに高まることが予想される。ところで、ピストンは上述の高温環境で長時間使用される。したがって、高温環境で長時間使用した場合であっても、優れた高温強度が得られることが求められる。
【0007】
本開示の目的は、高温環境で長時間使用した場合であっても、優れた高温強度が得られる、スチールピストンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態のスチールピストンは、
少なくともトップランドを含むピストン上部と、
前記ピストン上部の下方に配置されているピストン下部と、を備え、
前記ピストン上部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.10~0.80%、
Mo:0.80~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Ti:0.010~0.049%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.020%以下、及び、
O:0.0050%以下、を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
前記ピストン上部におけるMC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記MC型炭化物において、前記MC型炭化物を構成するFeを除く金属元素のうちのMo含有量の比率R
Mo
が60原子%以上である。
Mo/(Mo+V+Ti)≧0.89 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【0009】
本実施形態のスチールピストンは、
少なくともトップランドを含むピストン上部と、
前記ピストン上部の下方に配置されているピストン下部と、を備え、
前記ピストン上部は、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%、
Si:0.01~0.30%、
Mn:0.10~1.50%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:0.10~0.80%、
Mo:0.80~2.50%、
V:0.01~0.30%、
Ti:0.010~0.049%、
Al:0.005~0.100%、
N:0.020%以下、及び、
O:0.0050%以下、を含有し、
さらに、第1群~第3群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たし、
前記ピストン上部におけるMC型炭化物の個数密度NDが2.0×10
22
個/m

以上であり、
前記MC型炭化物において、前記MC型炭化物を構成するFeを除く金属元素のうちのMo含有量の比率R
Mo
が60原子%以上である。
[第1群]
Cu:0.40%以下、
Ni:0.40%以下、及び、
B:0.0100%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Nb:0.100%以下、及び、
Zr:0.300%以下、からなる群から選択される1種以上
[第3群]
Sn:0.100%以下、
Ca:0.0100%以下、
Mg:0.0100%以下、
Bi:0.300%以下、及び、
Te:0.300%以下、からなる群から選択される1種以上
Mo/(Mo+V+Ti)≧0.89 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態のスチールピストンでは、高温環境で長時間使用した場合であっても、優れた高温強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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