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公開番号2024055766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2023130894
出願日2023-08-10
発明の名称被還元性評価方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 23/046 20180101AFI20240411BHJP(測定;試験)
要約【課題】被還元性を有する多孔質材料の被還元性をより正確に評価すること。
【解決手段】本発明は、被還元性を有する多孔質材料の被還元性を評価する方法であり、前記多孔質材料の三次元形状及び構成組織を表す輝度値で構成された画像であるX線CT画像を取得するX線CT画像取得ステップと、取得した前記X線CT画像から、当該X線CT画像のグレースケール画像を取得するグレースケール画像取得ステップと、前記多孔質材料と、前記材料の還元反応に用いられる還元性物質との反応性を示す指標を算出する反応性指標算出ステップと、取得した前記グレースケール画像に基づき、前記多孔質材料に対応する部分を構成する画素の輝度値を用いて平均輝度値を算出する平均輝度値算出ステップと、前記反応性を示す指標と、前記平均輝度値と、の積に基づき、前記多孔質材料の被還元性を評価する被還元性評価ステップとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被還元性を有する多孔質材料の被還元性を評価する方法であって、
前記多孔質材料の三次元形状及び構成組織を表す輝度値で構成された画像であるX線CT画像を取得するX線CT画像取得ステップと、
取得した前記X線CT画像から、当該X線CT画像のグレースケール画像を取得するグレースケール画像取得ステップと、
前記多孔質材料と、前記材料の還元反応に用いられる還元性物質との反応性を示す指標を算出する反応性指標算出ステップと、
取得した前記グレースケール画像に基づき、前記多孔質材料に対応する部分を構成する画素の輝度値を用いて平均輝度値を算出する平均輝度値算出ステップと、
前記反応性を示す指標と、前記平均輝度値と、の積に基づき、前記多孔質材料の被還元性を評価する被還元性評価ステップと、
を含む、被還元性評価方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記平均輝度値算出ステップは、前記平均輝度値として、前記材料の表面から、所定深さの位置までの領域の平均輝度値を算出する、請求項1に記載の被還元性評価方法。
【請求項3】
前記平均輝度値算出ステップは、前記材料の表面から、深さ方向に100μm以上500μm以下の位置までの領域に着目して、前記平均輝度値を算出する、請求項2に記載の被還元性評価方法。
【請求項4】
前記多孔質材料は、鉄鉱石、鉄鉱石ペレット又は焼結鉱である、請求項1に記載の被還元性評価方法。
【請求項5】
前記反応性指標算出ステップは、取得した前記グレースケール画像に基づき、前記反応性を示す指標を算出する、請求項1~4の何れか1項に記載の被還元性評価方法。
【請求項6】
前記反応性指標算出ステップは、
前記多孔質材料を、JIS Z8830:2013に規定された比表面積測定BET法によって測定して、BET比表面積を求め、
求めた前記BET比表面積を、前記反応性を示す指標として用いる、請求項1~4の何れか1項に記載の被還元性評価方法。
【請求項7】
前記反応性指標算出ステップは、
前記グレースケール画像から、前記多孔質材料の全体積と、前記多孔質材料の外部と繋がっている気孔が存在する領域である開気孔領域と、を識別し、識別した前記開気孔領域の体積と、前記多孔質材料の全体積と、から、前記開気孔領域の体積分率である開気孔率を算出し、
前記反応性を示す指標として、前記開気孔率を用いる、請求項5に記載の被還元性評価方法。
【請求項8】
前記反応性指標算出ステップは、
前記グレースケール画像から、前記多孔質材料の全体積と、前記多孔質材料の表面積と、を特定して、前記多孔質材料の表面積を前記多孔質材料の全体積で除した値である比表面積を算出し、
前記反応性を示す指標として、前記比表面積を用いる、請求項5に記載の被還元性評価方法。
【請求項9】
前記反応性指標算出ステップは、
前記グレースケール画像から、前記多孔質材料の全体積と、前記多孔質材料の外部と繋がっている気孔が存在する領域である開気孔領域と、を識別し、識別した前記開気孔領域の体積と、前記多孔質材料の全体積と、から、前記開気孔領域の体積分率である開気孔率を算出するとともに、
前記グレースケール画像から、前記多孔質材料の全体積と、前記多孔質材料の表面積と、を特定して、前記多孔質材料の表面積を前記多孔質材料の全体積で除した値である比表面積を算出し、
前記反応性を示す指標として、前記開気孔率と前記比表面積との積を用いる、請求項5に記載の被還元性評価方法。
【請求項10】
前記反応性指標算出ステップは、
前記グレースケール画像に対してClosing処理を実施し、予め定めた最大気孔径以下の気孔径を有する部位を、前記多孔質材料の外部と繋がっている気孔が存在する領域である開気孔領域として識別し、
前記開気孔領域に関する識別結果を用いて、前記反応性を示す指標を算出する、請求項5に記載の被還元性評価方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被還元性評価方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
被還元性を有する多孔質材料について、その被還元性を適切に評価することは、多孔質材料を用いた様々な処理について検討を行ううえで重要である。鉄鋼業における製鉄原料の一つである焼結鉱は、上記のような被還元性を有する多孔質材料の一例であるが、焼結鉱が有する被還元性に応じて、高炉に装入される焼結鉱の量を制御する必要がある。そのため、鉄鋼材料の生産性を考慮するにあたって、従来、焼結鉱の被還元性を適切に評価するための様々な方法が、各種提案されている。
【0003】
例えば、以下の特許文献1では、焼結鉱の被還元性に及ぼす要因として、焼結鉱の気孔率と鉱物組成を挙げている。その上で、特許文献1では、焼結鉱の鉱物組成が被還元性に及ぼす影響は小さいと指摘し、焼結鉱の被還元性を、焼結鉱の気孔率に基づき予測・制御する方法を提案している。
【0004】
また、特許文献1で言及されている気孔率に関して、近年、材料を破壊することなく、材料の三次元形状を表す画像を取得可能なX線CT測定を利用して、多孔質材料の気孔率を測定する方法も提案されている(例えば、以下の特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭61-217534号公報
特開2019-82388号公報
【非特許文献】
【0006】
山岡洋次郎ら、鉄と鋼、Vol 66(1980)、No.13、p1850-1859
細谷陽三ら、鉄と鋼、Vol 83(1997)、No.2、p97-102
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、上記特許文献2で用いられているようなX線CT測定を利用して、焼結鉱をはじめとする被還元性を有する多孔質材料について、その被還元性を評価する方法の検討を行ってきた。その結果、本発明者は、X線CT測定を用い、得られたX線CT画像に対して適切な画像処理を施すことで、多孔質材料の気孔率をより正確に把握することが可能であるとの知見を得ることができた。これにより、着目する多孔質材料の被還元性をより正確に評価可能となることが、期待された。
【0008】
しかしながら、本発明者が、上記の着想に基づき更なる検討を行った結果、得られた気孔率と被還元性との間で良好な相関関係を見出すことができたが、かかる相関関係に若干のバラツキが存在していることを新たに知見した。このように、X線CT測定を用いて、被還元性を有する多孔質材料の被還元性を評価するにあたっては、未だ改良の余地があることが判明した。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、被還元性を有する多孔質材料の被還元性を、より正確に評価することが可能な、被還元性評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討を行った結果、X線CT測定に基づく被還元性の評価方法において、上記特許文献1において被還元性に及ぼす効果は小さいと言及されていた多孔質材料の組成に関する知見を、敢えて評価方法に取り込むことに想到した。
かかる知見に基づき本発明者が更なる検討を行った結果、完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)

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