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公開番号2024059941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2024031477,2021063467
出願日2024-03-01,2021-04-02
発明の名称抗原をカップリングさせた免疫試薬
出願人セル アイディーエックス, インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 33/531 20060101AFI20240423BHJP(測定;試験)
要約【課題】抗原をカップリングさせた免疫試薬の提供。
【解決手段】本開示は、様々な免疫学的アッセイおよび他の関連技術に使用される、高性能の免疫試薬を提供する。免疫試薬は、一次抗体および架橋抗原を含み、架橋抗原が、検出可能な二次抗体により高親和性で認識される。複数の異なる標的抗原に特異的な免疫試薬のパネルを含む組成物、および一次免疫試薬とそれらの相補的な検出可能な二次抗体のペアを含む組成物もまた提供される。ペアになった一次免疫試薬と二次抗体は、様々な免疫学的アッセイ、特に、高度に多重化されたアッセイにおいて有用であり、単一アッセイにおいて標的抗原の多重性を同時に検出することができる免疫試薬の多重性が提供されるように、架橋抗原の構造は、検出可能な二次抗体のバリエーションと並行して変わる。免疫試薬を含むキット、本開示の免疫試薬を使用する免疫学的アッセイの方法、および免疫試薬の調製方法もまた提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋抗原とカップリングした一次抗体であって、前記架橋抗原が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8から選択される配列からなるペプチドを含む、一次抗体と、
検出可能な二次抗体と
を含む免疫試薬組成物であって、
前記検出可能な二次抗体が、前記ペプチドに特異的であるウサギモノクロナール抗体である、免疫試薬組成物。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記架橋抗原が、前記ペプチドの複数のコピーを含む、請求項1に記載の免疫試薬組成物。
【請求項3】
前記複数のコピーの前記ペプチドが、線状反復構造において配置される、請求項2に記載の免疫試薬組成物。
【請求項4】
前記架橋抗原が分岐型構造を含む、請求項3に記載の免疫試薬組成物。
【請求項5】
前記一次抗体および前記架橋抗原が、コンジュゲーション部分を介して化学的カップリング反応によりカップリングしている、請求項1に記載の免疫試薬組成物。
【請求項6】
前記一次抗体および前記架橋抗原が高効率コンジュゲーション部分を介してカップリングしており、前記効率コンジュゲーション部分が、前記一次抗体と前記架橋抗原とをカップリングすることにおいて少なくとも50%効率的である、請求項5に記載の免疫試薬組成物。
【請求項7】
前記高効率コンジュゲーション部分がシッフ塩基である、請求項6に記載の免疫試薬組成物。
【請求項8】
前記シッフ塩基がヒドラゾンまたはオキシムである、請求項7に記載の免疫試薬組成物。
【請求項9】
前記高効率コンジュゲーション部分がクリック反応によって形成される、請求項6に記載の免疫試薬組成物。
【請求項10】
前記コンジュゲーション部分が切断可能なリンカーを含む、請求項5に記載の免疫試薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/113,141号、および2015年10月28日に出願された米国仮特許出願第62/247,415号の利益を主張し、この米国仮特許出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書において援用される。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
免疫学的アッセイの使用、特に免疫組織化学(IHC)染色の使用は、がん性腫瘍細胞を含む異常細胞の分析などの病理学的状態の分析において決定的な重要性をもつ。IHCにおいて、罹患組織に存在し得る特異抗原を認識する免疫グロブリンまたは抗体が、生検により得られたその組織の薄切片に適用される。その後、抗体のそれの同族の抗原への結合が、組織切片内で、典型的には、免疫グロブリンと共局在化している、ペルオキシダーゼなどの酵素により生成される色素形成酵素生成物の分布を画像化することにより、検出される。組織学的染色の分布と比較して、酵素生成物の分布を調べることにより、組織切片における抗原の分布の評価が可能になる。他の免疫学的アッセイにおいて、抗原への抗体の結合が、光学シグナル、電気シグナル、または化学シグナルを含む他の手段により検出され得る。特異抗原は、特定の細胞事象、例えば、感染、傷害、細胞増殖、炎症、または薬物応答を特徴付け得る。免疫学的アッセイはまた、細胞または生物学的組織の異なる部分に差次的に発現するタンパク質などのバイオマーカーとしての役割を果たす抗原の分布および局在化を理解するため、ならびに生化学的アッセイにおいてそれらの抗原を同定および定量するための、基礎研究において広く使用される。したがって、免疫学的アッセイは、例えば、ブロット、サンドイッチアッセイ、免疫吸着アッセイ、免疫細胞化学的アッセイ、および他の関連方法に有用である。これらの方法の全てが、免疫化学的試薬の改善から恩恵を受けることができる。
【0003】
臨床病理における組織分析の現在の方法は、単一の顕微鏡スライド上で実施される単一抗原の決定に本質的に制限される。重要なことには、抗体とそれの抗原の間の1対1の対応があり、そのことが、抗体の結合または結合の欠如により抗原の即時の決定を可能にする。各抗体がペルオキシダーゼまたは他の酵素と連結している場合、抗原の存在は、代理としてのそれぞれの組織切片上の酵素生成物の量および分布により決定することができる。しかしながら、特定の分析を完了するために評価されなければならない1つより多い抗原が存在する場合が多い。例えば、乳がんにおいて、治療を各患者へ最適にマッチさせるために、生検標本の最小限の抗原プロファイルが、腫瘍の悪性細胞における少なくとも3個の抗原:Her2/neu受容体(HER2)、エストロゲン受容体(ER)、およびプロゲステロン受容体(PR)の存在および存在量の評価を含む。したがって、分析を実施することは、その3つの別個の免疫グロブリンのそれぞれについてのアッセイを必要とし、その免疫グロブリンのそれぞれが、典型的には、その3個の抗原の1個のみを検出する能力がある単一特異性モノクローナル抗体である。したがって、その3個の異なる免疫グロブリンの悪性細胞への結合の度合を従来のアッセイを使用して調べるために、3つの異なるIHC試験が、腫瘍材料の同じブロックに由来する3つの異なる組織切片上で実施される必要がある。加えて、日常的な組織分析に現在、典型的に使用されているような、従来の酵素に基づいたアッセイに関して、各スライドは、所定の抗原の存在または非存在および発現のレベルを決定するために定性的スコアリングシステムを使用して、病理学者により評価されなければならない。その後、その3つの試験からの結果が組み合わされて、プロファイルが決定されるべきであり、それが、予後情報を提供し、治療の選択を助ける。そのようなアッセイの効率、精度、および信頼性は、その分野において大きな重要性をもつ。
【0004】
検査室間にわたり高レベルの再現性が必要であるため、免疫組織化学的分析は、典型的には、酵素的検出などの標準方法、および十分特徴付けられた抗体により認識されるような少数の十分研究された抗原に依拠する(Moriyaら(2006年)Med. Mol. Morphol. 39巻:8~13頁;Payneら(2008年)Histopathology 52巻:82~90頁;YehおよびMies(2008年)Arch. Pathol. Lab. Med. 132巻:349~57頁)。一次抗体に会合したペルオキシダーゼの直接的検出は場合によっては使用されるが、ペルオキシダーゼ連結二次抗体により、またはビオチンおよびアビジンなどの高親和性小分子/結合タンパク質ペアでタグ付けされた一次抗体を通しての間接的検出を使用して、シグナルを増幅し、それにしたがって、アッセイの感度を向上させることができる。しかしながら、これらの場合のそれぞれにおいて、シグナルの強度は、典型的には、主観的に判断され、したがって、アッセイの診断的および予後的価値を制限している。
【0005】
米国において、典型的には、乳房のしこりを発生している女性において、1年あたり約160万の乳房生検が実施されている。生検は、皮膚を通しての細針吸引もしくはコア針、または開放手術によりしこりの組織をサンプリングすることを必要とする。その後、得られた組織は、悪性細胞の存在を検出するために調べられる。そのような生検の大部分は、組織学技術を使用する組織の検査に基づいて良性と見なされる。2010年において、組織学的分析により、260,000個の生検が悪性を示すことが決定された。これらのうち、およそ200,000人の女性は浸潤性乳がんを有し、他の女性は、がん細胞が周囲組織に浸潤していない非浸潤性乳管癌(DCIS)として記載された。原発性腫瘍の早期検出および根治的処置の進歩が、乳がん生存統計を劇的に向上させている。しかしそれでも、多くの腫瘍が早期検出を逃れ、または効果的な一次治療にもかかわらず、乳がん死亡率の主な原因である遠隔転移を発生し続ける。乳がんの分子分析における現在の努力の多くは、新しいバイオマーカーを同定すること、ならびに予後および予測の機構的決定因子を定義することに向けられている。いかなるそのような新規な疾患マーカーも、組織生検の日常的な免疫組織化学染色へ容易に組み入れることができるならば、有益であると予想される。
【0006】
上記で言及されているように、酵素コンジュゲートを使用する検出の限界のため、各標的抗原が、別々の組織学的切片上で評価される場合が多く、内部対照が容易には実行されない。結果として、定量、共局在化の評価、および細胞以下の分解能が問題である。免疫組織化学検査における検出のための酵素コンジュゲートの、十分確立された代替物は、蛍光標識プローブを使用する。このアプローチの主要な利点は、多重化の可能性にある。手短に言えば、その抗体自体か、または、より典型的には、二次抗体もしくは他の間接的検出試薬のいずれかが、蛍光基、タンパク質、または既知の分光学的性質をもつ他の材料で標識される。蛍光標識の励起波長の光での試料の照射により、特定の発光波長の蛍光シグナルの存在、および組織切片内の部位におけるそのシグナルの局在化が観察される。したがって、蛍光シグナルは、抗原の量および分布に関する情報を提供することにおいて、色素形成酵素生成物と同じ目的を果たす。
【0007】
蛍光抗体を形成するための免疫グロブリンの化学反応性蛍光試薬での共有結合的修飾、および抗原の検出における蛍光抗体の使用は、現在、十分確立されており、1941年に、フルオレセインイソチオシアネートでの特定の免疫グロブリンのCoonsの修飾により実証されている。Coonsら(1941年)Proc Soc Exp Biol.
47巻:200~2頁。その後まもなく、別個の蛍光色、フルオレセインおよびローダミンで標識された抗体による2個の抗原の同時検出が続いた。現代化学は、紫外から赤外まで及ぶ励起および発光スペクトルを有する幅広い範囲の化学反応性フルオロフォアを提供している。次には、現代のコーティング方法は、特定の励起および発光バンドを選択することにより、10よりはるかに高いシグナル対ノイズ比を有する、可視光スペクトルにわたる4つまたはそれ超の異なるフルオロフォアを容易に区別することができる干渉フィルターを生み出している。
【0008】
蛍光に基づいた免疫学的アッセイは、病理学的切片の染色およびサイトメトリにおいて、少なくとも一部、複数の、異なって標識された蛍光抗体の使用を通して複数の抗原を区別する能力のために、重要性が増している。これらのアプローチにおいて、異なる抗体は、例えば、異なる波長で放射される蛍光を測定することにより、区別可能である。異なるフルオロフォアの他の分光学的性質もまた、結合した抗体を区別するために使用される可能性があり得る。蛍光に基づいたアッセイが、単一組織上で3つより多い抗原を検出するために使用される可能性があり得ることは認識されている一方で、蛍光標識一次抗体を用いる現在の方法は、十分な感度を提供していない。特に、5つより多いフルオロフォアの抗体への取り込みでの蛍光クエンチングまたは免疫反応性の低下により、3~5つだけのフルオロフォアが、単一抗体へコンジュゲートすることができる。さらに、モノクローナル抗体は、任意の標的抗原上の単一のエピトープと結合し、それゆえにさらに、抗原上の複数部位への複数の抗体の結合によるシグナルのいかなる可能な増幅も制限する。
【0009】
対照的に、蛍光標識ポリクローナル二次抗体は、複数の二次抗体が各一次抗体分子上に提示された別個のエピトープと結合することができるため、蛍光標識一次抗体より強いシグナルを生じることができる。しかしながら、このアプローチは、典型的には、一次抗体の大部分が2つの種、マウスおよびウサギにおいてのみ産生されているため、1個または2個だけの標的の検出に限定される。
【0010】
1つの種由来の抗体を使用する多重化を可能にするための1つのアプローチは、ハプテン修飾抗体および蛍光標識抗ハプテン抗体の使用であった。しかしながら、通常の試薬を使用して、この方法は、蛍光標識二次抗体により生じるシグナルより有意に低い強度であるシグナルを生成し、これは、おそらく、小分子ハプテンに対する市販抗体の相対的に低い親和性のためである。
(【0011】以降は省略されています)

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