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公開番号2024057689
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164498
出願日2022-10-13
発明の名称セレン評価方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類G01N 31/02 20060101AFI20240418BHJP(測定;試験)
要約【課題】試料中に含まれる微量の全セレンを正確に、迅速・簡便に、かつ、安全・クリーン・低コストに評価出来る技術を提供する。
【解決手段】4価セレンと6価セレンを含む溶液にジルコニウム塩を加えてpHを1.5~5.5に調整して前記4価セレンと前記6価セレンを含むジルコニウムの白色ゲルを生成させるpH調整工程と、前記白色ゲルを熟成、沈殿させ、上澄み液と白色ゲルの沈殿物を得る沈殿工程と、前記白色ゲルの沈殿物を濾過して濾別白色ゲルを回収する濾過工程と、前記濾別白色ゲルを溶解して測定検体を得る溶解工程と、前記測定検体を分析機器に導入してセレンの定量結果を得る分析工程とを有することを特徴とするセレン評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
4価セレンと6価セレンを含む溶液にジルコニウム塩を加えてpHを1.5~5.5に調整して前記4価セレンと前記6価セレンを含むジルコニウムの白色ゲルを生成させるpH調整工程と、
前記白色ゲルを熟成、沈殿させ、上澄み液と白色ゲルの沈殿物を得る沈殿工程と、
前記白色ゲルの沈殿物を濾過して濾別白色ゲルを回収する濾過工程と、
前記濾別白色ゲルを溶解して測定検体を得る溶解工程と、
前記測定検体を分析機器に導入してセレンの定量結果を得る分析工程と、
を有することを特徴とするセレン評価方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記ジルコニウム塩のジルコニウムの価数が、4価であることを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項3】
前記ジルコニウム塩が、塩化ジルコニウム(ZrCl

)、塩化酸化ジルコニウム(ZrCl

O)、塩化酸化ジルコニウム・八水和物(ZrCl

O・8H

O)、硝酸酸化ジルコニウム(ZrO(NO



)、及び、硝酸酸化ジルコニウム・二水和物(ZrO(NO



・2H

O)から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項4】
前記pHを2.0~5.0に調整することを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項5】
前記pH調整工程の前に前記溶液に緩衝剤を加えることを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項6】
前記緩衝剤が、酢酸を含むことを特徴とする請求項5に記載のセレン評価方法。
【請求項7】
前記白色ゲルが、Zr(OH)

・nH

O、ZrO(OH)・nH

O、ZrO

・nH

O、[ZrO(OH)

・nH

O]m、及び、(CH

CO

)xZr(OH)yから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項8】
前記溶解が、塩酸、硝酸、及び、過酸化水素から選択される2種以上の溶媒でなされることを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。
【請求項9】
前記分析機器が、ICP発光分光分析装置、ICP質量分析装置、マイクロ波プラズマ原子発光分光分析法、フレーム原子吸光装置、及び、フレームレス原子吸光装置から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のセレン評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セレン評価方法、より詳しくは、溶液中のセレン評価方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
セレンは、有色ガラスの製造など、古くから窯業分野で使われてきたが、現在では、その電気化学的特性から、高純度品が、電池や半導体などの材料として用いられており、通常品も、合金、プラスチック、インク、染料、ゴム、及び、殺虫剤などの材料として多用されている一方で、最近では、代替品の開発による脱セレン化も進んでいる。
また、セレンは、生体にとって、大切な必須ミネラルである反面、摂取可能な濃度範囲が狭いので、注意が必要な元素であり、排水基準などでも有害物質としての規制がなされている。より詳しくは、セレンは、一部地域の地表水のほか、金属製錬などのセレン化合物を産出する業種の排水に含まれており、その排水基準は、0.1mg/L以下と定められている。なお、水中に溶存する溶解性セレンは、4価セレン(HSeO


、SeO


)と6価セレン(SeO

2-
)であることが知られているものの、双方共に安定であり、特に、6価セレンに対しては、現在でも、有効な排水処理技術が確立されておらず、このため、排水中のセレンの濃度を正確に評価して把握することは、極めて重要である。
【0003】
ところで、試料中のセレンを評価出来る方法としては、現在のところ、以下の様な先行技術などが挙げられる。
まず、特許文献1には、ガラス試料をアルカリ性融剤により融解し、得られた溶融物を塩酸、及び、フッ化水素酸を加えて溶解し、放冷後、得られた溶液に共沈剤であるテルル、及び、還元剤である塩化ヒドラジニウムなどを加えて加熱することによりセレンを沈澱させ、更に、セレンを濾過分離した後、得られた分離物を誘導結合プラズマ発光分光分析法により分析することを特徴とする、ガラス中の微量セレンの分析方法が開示されている。
次に、非特許文献1には、海水中の4価セレンを水酸化ジルコニウムと共沈させ、共沈物を酸溶解した後、pH1に調整された溶解液に、2,3-ジアミノナフタレン(DAN)を加えることで生成した、蛍光性のピアセレノール(4価セレン-DAN錯体)をシクロヘキサンで抽出し、シクロヘキサン層の蛍光強度を分光蛍光光度計で測定する、溶媒抽出-蛍光光度法による海水中の微量4価セレンの定量方法が開示されている。
【0004】
次に、非特許文献2には、生体試料を硝酸・過塩素酸で溶解した後、塩酸による還元処理を行い、4価セレンのみを試料中に存在させ、6価セレンが存在しない条件下とし、水素化物発生装置、及び、原子吸光分析装置を用いて測定する、水素化物生成(還元気化)-原子吸光法による生物試料中の微量セレンの定量方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2005-114505号公報
【非特許文献】
【0006】
日本海水学会誌_1991年45巻2号_p83-86
BUNSEKI_KAGAKU_Vol.41(1992)_T77-81
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これらの先行技術文献に記載されたセレン評価方法では、それぞれ以下の様な問題を包含する。
まず、特許文献1の技術では、分析操作の過程で、触れると激しく体を腐食する危険な毒物として知られている、フッ化水素酸を多量に使用しており、安全性が損なわれることがある。
【0008】
次に、非特許文献1の技術では、環境負荷と人体への毒性の懸念から、労働安全衛生法の特定第2類物質、特別有機溶剤等に指定され、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等、及び、管理の改善の促進に関する法律)でも、利用と廃棄が監視される物質でもある、ジクロロメタンを使用しており、引火点や爆発限界濃度などの危険性のほか、慢性毒性、急性毒性といった安全面を考慮する必要があり、クリーンな分析操作を行うことが出来ない。また、文献中において、本技術の分析条件では、6価セレンが水酸化ジルコニウムに共沈されないと記載されており、評価対象となる試料中に、4価セレンだけでなく、6価セレンが含まれる場合には、全セレンとしての正確な分析結果が得られない。
【0009】
次に、非特許文献2の技術では、分析を行う上で、水素化物発生装置(還元気化装置)が必須となるため、導入コストがかかるほか、装置の保守・管理のためのメンテナンスも必要となる。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、試料中に含まれる微量の全セレンを正確に、迅速・簡便に、かつ、安全・クリーン・低コストに評価出来る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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