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公開番号2024053373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159599
出願日2022-10-03
発明の名称光学式エンコーダ
出願人株式会社ミツトヨ
代理人個人
主分類G01D 5/347 20060101AFI20240408BHJP(測定;試験)
要約【課題】安定的に不要回折光の影響を低減することができる光学式エンコーダの提供。
【解決手段】光学式エンコーダ1は、スケール2と検出ヘッド3とを備える。検出ヘッド3は、光源4と受光面60を有する受光手段6とを備える。受光面60は、干渉縞と同じ周期で測定方向に沿って配列される複数の受光素子70を備える素子列7を有する。ここで、干渉縞による検出信号に含まれる複数の受光素子70の個数が奇数個であることにより生じる誤差を素子数起因誤差とし、所定の許容できる誤差を許容誤差とする。素子列7に含まれる複数の受光素子70の個数は、受光素子70の総数が奇数個であるときは当該総数の受光素子70が機能することにより、または、受光素子70の総数が偶数個であるときは受光素子70の総数より1個少ない個数の受光素子が機能することにより、生じる素子数起因誤差が許容誤差よりも小さくなる個数であることを特徴とする。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
測定方向に沿って所定の周期で形成され入射光を回折させる回折格子として機能する目盛を有する板状のスケールと、測定方向に沿って前記スケールと相対移動可能に設けられる検出ヘッドと、を備える光学式エンコーダであって、
前記検出ヘッドは、
前記スケールに向かって光を照射する光源と、
前記スケールを介して前記光源からの前記光を受光する受光面を有する受光手段と、を備え、
前記スケールを介した光は、前記スケールと前記検出ヘッドとの相対移動に応じて前記目盛の周期に対応して変化する干渉縞を前記受光面上に形成し、
前記受光面は、前記干渉縞と同じ周期で前記測定方向に沿って配列される複数の受光素子を備える素子列を有し、
受光した光から得られる前記干渉縞による検出信号に含まれる前記複数の受光素子の個数が奇数個であることにより生じる誤差を素子数起因誤差とし、所定の許容できる誤差を許容誤差として、
前記素子列に含まれる前記複数の受光素子の個数は、
前記受光素子の総数が奇数個であるときは当該総数の受光素子が機能することにより、または、前記受光素子の総数が偶数個であるときは前記受光素子の総数より1個少ない個数の受光素子が機能することにより、生じる前記素子数起因誤差が前記許容誤差よりも小さくなる個数であることを特徴とする光学式エンコーダ。
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】
前記スケールは、
前記光源から照射された光を少なくとも0次光と±1次光と±2次光とに回折して分割し、
前記光学式エンコーダは、
前記±1次光を信号光とし、それ以外の光は前記素子数起因誤差を生じさせる不要光として、前記±1次光により形成される干渉縞を検出に用い、
前記受光手段に照射される前記±1次光の強度に対する前記不要光の強度について、前記0次光の強度が50%以下、前記±2次光の強度が14%以下に構成され、
前記素子列に含まれる前記複数の受光素子の個数は、
前記許容誤差を0.1%として、前記素子数起因誤差が0.1%以下となる個数である1082個以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
【請求項3】
前記受光手段は、
前記受光面にて受光した前記干渉縞を、前記スケールと前記検出ヘッドとの相対移動に応じて前記目盛の周期に対応して変化する検出信号であって、位相が異なる少なくとも2つの相の検出信号に変換し出力し、
前記受光面は、複数の前記素子列を測定方向と直交する直交方向に沿って少なくとも2列配置する素子列群を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項4】
前記受光手段は、
前記受光面にて受光した前記干渉縞を、前記スケールと前記検出ヘッドとの相対移動に応じて前記目盛の周期に対応して変化する検出信号であって、位相が異なる2つの相の差動の検出信号に変換し出力し、
前記受光面は、
前記目盛に対応する周期にて測定方向に沿って配置される複数の受光素子を備える素子列を有し、複数の前記素子列を測定方向と直交する直交方向に沿って4列並設する素子列群を備え、
前記複数の素子列は、前記2つの相のそれぞれについて、
前記検出信号の1つである正相信号を出力する正相信号素子列と、
前記検出信号の1つである逆相信号を出力する逆相信号素子列と、を備え、
前記2つの相は、所定の位相差にて測定方向に沿ってずらして配置され、
前記素子列群は、
前記受光面における前記直交方向に沿って複数配置され、
前記2つの相における前記正相信号を第1信号と第2信号とし、
前記第1信号の前記逆相信号を第3信号とし、前記第2信号の前記逆相信号を第4信号としたとき、
前記素子列群内の前記複数の素子列は、
測定方向と直交する直交方向に沿って、前記第1信号を出力する前記正相信号素子列、前記第2信号を出力する前記正相信号素子列、前記第3信号を出力する前記逆相信号素子列、前記第4信号を出力する前記逆相信号素子列の順に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学式エンコーダ。
【請求項5】
前記受光手段は、
前記受光面にて受光した前記干渉縞を、前記スケールと前記検出ヘッドとの相対移動に応じて前記目盛の周期に対応して変化する検出信号であって、位相が異なる少なくとも2つの相の差動の検出信号に変換し出力し、
前記受光面は、
前記目盛に対応する周期にて測定方向に沿って配置される複数の受光素子を備える素子列を有し、複数の前記素子列を測定方向と直交する直交方向に沿って少なくとも4列並設する素子列群を備え、
前記複数の素子列は、前記少なくとも2つの相のそれぞれについて、
前記正相信号を出力する前記正相信号素子列と、
前記逆相信号を出力する前記逆相信号素子列と、を備え、
前記少なくとも2つの相は、所定の位相差にて測定方向に沿ってずらして配置され、
前記素子列群内の前記複数の素子列は、
基準位置から前記正相信号素子列までの前記直交方向における距離と、前記基準位置から前記逆相信号素子列までの前記直交方向における距離との和が、前記少なくとも2つの相の全ての相について等しくなる位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学式エンコーダ。
【請求項6】
前記素子列群は、
第1の前記素子列群と、前記第1の素子列群に対して前記受光面における前記直交方向に隣接して並設され、前記第1の素子列群内の前記複数の素子列とは異なる配置の前記複数の素子列を有する第2の前記素子列群と、を備え、
前記第1の素子列群の前記正相信号素子列は、
前記第1の素子列群内の前記複数の素子列の半数であり前記第1の素子列群において前記直交方向の中央から一方側に配置され、前記第1の素子列群において前記直交方向の一端側から中央に向って所定の基準となる順番に配置され、
前記第1の素子列群の前記逆相信号素子列は、
前記第1の素子列群内の前記複数の素子列の半数であり前記第1の素子列群において前記直交方向の中央から他方側に配置され、前記第1の素子列群において前記直交方向の他端側から中央に向かって所定の基準となる順番に配置され、
前記第2の素子列群の前記正相信号素子列は、
前記第2の素子列群内の前記複数の素子列の半数であり前記第2の素子列群において前記直交方向の中央から一方側に配置され、前記第2の素子列群において前記直交方向の一端側から中央に向かって前記所定の基準となる順番とは逆順に配置され、
前記第2の素子列群の前記逆相信号素子列は、
前記第2の素子列群内の前記複数の素子列の半数であり前記第2の素子列群において前記直交方向の中央から他方側に配置され、前記第2の素子列群において前記直交方向の他端側から中央に向かって前記所定の基準となる順番とは逆順に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の光学式エンコーダ。
【請求項7】
前記受光手段は、
前記複数の受光素子の総数の合計面積よりも大きな面積を有するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの受光面上に配置され、光を透過する透過部と光を遮断する非透過部とを有するパターン形成層とを備え、
前記透過部は、
前記干渉縞と同じ周期で前記測定方向に沿って複数形成され、前記複数の受光素子として機能することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項8】
前記検出ヘッドは、
前記スケールにより回折され分割された光を前記受光面に向かって集光する光学素子を備え、
前記光学素子は、
前記スケールと前記受光手段との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
【請求項9】
前記光学素子は、前記スケールの目盛が配置される面と平行な板面を有し、前記板面に所定の方向に沿った複数の格子を有する回折格子板であることを特徴とする請求項8に記載の光学式エンコーダ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式エンコーダに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、目盛を有するスケールと、スケールと相対移動可能に設けられる検出ヘッドと、を備える光学式エンコーダが知られている。例えば、特許文献1の光学式エンコーダの検出ヘッドは、スケールに向かって光を照射する光源と、スケールを介して光源からの光を受光する受光面を有し、受光面にて受光した光を、スケールと検出ヘッドとの相対移動に応じて目盛の周期に対応して変化する検出信号であって、位相が異なる少なくとも2つの相の差動の検出信号に変換し出力する受光手段と、を備える。
【0003】
受光手段の受光面は、目盛に対応する周期にて測定方向に沿って配置される複数の受光素子を有する。光学式エンコーダでは、光源から照射された光は、目盛を介して複数の回折光となる。複数の回折光は、目盛と同じ周期の干渉縞を生成する。受光手段は、この干渉縞を受光することで検出信号を検出し、検出ヘッドは、検出信号からスケールと検出ヘッドとの相対移動量を検出する。
【0004】
このような光学式エンコーダでは、干渉縞を生成する±1次光を信号光とした場合、それ以外の光は不要光となる。不要光が干渉縞に混入すると干渉縞に乱れが生じる。例えば、不要光として0次光が混入すると、信号光となる干渉縞の強度に乱れが生じる。干渉縞の強度の乱れは、スケールと検出ヘッドとの相対移動量の検出において誤差を生じさせるおそれがある。
【0005】
このため、従来は、特許文献2の光学式位置検出器(光学式エンコーダ)のように、光源から照射されスケールを介して受光手段で受光されるまでの光の光路上に不要光を遮蔽する遮蔽物を設け、不要光を物理的に遮蔽していた。しかし、特許文献2の方法では、遮蔽物を設けるための空間を確保しなければならず、光学式エンコーダが大型化するという問題がある。また、遮蔽物を設けるための機構が必要となるため、光学式エンコーダの構造が複雑化するという問題も生じ得る。
【0006】
一方、特許文献3や特許文献4のエンコーダ(光学式エンコーダ)は、不要光を物理的に遮蔽することなく、その影響を抑制している。具体的には、測定方向に沿った複数の受光素子の配置の個数を偶数個にすることで不要光による影響を相殺することができる。これにより、光学式エンコーダは、誤差の原因となる不要光による干渉縞への影響や干渉縞の強度に乱れが生じることを抑制し、安定した検出をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-012064号公報
特開平04-184218号公報
特開2018-105845号公報
特開2019-219347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、複数の受光素子の配置の個数を偶数個とした場合であっても、機能する受光素子が奇数個となり、実質、配置の個数が奇数個となってしまうことがある。具体的には、配置されたいずれかの受光素子の故障を原因として、若しくは、スケールや受光手段、受光素子に汚れ等が付着することで光や検出信号を検出できない受光素子の発生などを原因として、受光素子が機能しなくなることがある。
以下、配置される複数の受光素子の個数が奇数個の場合に生じる問題点について、図3から図6を用いて説明する。
【0009】
図3は、12個の受光素子において±1次光のみの理想的な干渉縞を示すグラフである。図4は、12個の受光素子において±1次光を基準にした際に0次光が50%の強度で、±2次光がそれぞれ14%の強度で混入した場合の干渉縞を示すグラフである。12個の受光素子とは、検出信号として4相信号を検出する場合に各相を検出する受光素子を3個ずつ用いた場合の受光素子の個数である。また、図3と図4において、縦軸は検出信号の振幅を示し、横軸はスケールの変位を示す。なお、図4は、干渉縞の乱れが最も大きくなる初期条件を用いて計算し描画されたグラフである。
【0010】
複数の受光素子は、干渉縞と同じ周期で配置されている。また、複数の受光素子は、A相信号を検出するA相素子と、B相信号を検出するB相素子と、AB相信号を検出するAB相素子と、BB相信号を検出するBB相素子と、を有する。このため、受光手段は、4相信号を検出することができる。
図3に示すように、不要光が混入せず信号光のみにより生成される干渉縞は、一定の周期、かつ、一定の振幅の検出信号として検出される。一方、図4に示すように、信号光に不要光が混入して生成された干渉縞は、検出信号の周期や振幅に乱れが生じる。
(【0011】以降は省略されています)

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