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公開番号2024066772
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-16
出願番号2022176455
出願日2022-11-02
発明の名称軸受装置
出願人日本精工株式会社
代理人個人,個人
主分類G01L 5/00 20060101AFI20240509BHJP(測定;試験)
要約【課題】回転部材を転がり軸受で支持する場合に、回転部材の近傍に測定部を配置せず、且つ、回転部材のラジアル方向の変位またはアキシャル方向の変位を、より正確に測定することができる軸受装置を提供すること。
【解決手段】軸受装置は、回転部材を転がり軸受を介して固定部材に支持し、前記回転部材のラジアル方向変位またはアキシャル方向変位を前記転がり軸受の周囲で前記回転部材と前記固定部材の間の被測定隙間に圧縮気体を供給して測定する変位測定部を備えている。前記変位測定部は、前記被測定隙間に圧縮気体を吐出する圧縮気体吐出ノズルを有する変位検出部と、前記変位検出部に供給する圧縮気体の圧力損失を測定する圧力損失測定部と、前記回転部材の近傍で且つ圧力損失測定部と前記変位検出部の間に設けられた絞り部材(差圧調整部)と、を備える。前記圧縮気体の供給源は、前記圧力損失測定部の高圧側と前記絞り部材とを繋ぐ管路に接続され、前記圧力損失測定部の低圧側は、前記変位検出部と前記絞り部材を繋ぐ管路に接続されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転部材を転がり軸受を介して固定部材に支持し、前記回転部材のラジアル方向変位またはアキシャル方向変位を前記転がり軸受の周囲で前記回転部材と前記固定部材の間の被測定隙間に圧縮気体を供給して測定する変位測定部を備えた軸受装置であって、
前記変位測定部は、
前記被測定隙間に圧縮気体を吐出する圧縮気体吐出ノズルを有する変位検出部と、
前記変位検出部に供給する圧縮気体の圧力損失を測定する圧力損失測定部と、
前記回転部材の近傍で且つ圧力損失測定部と前記変位検出部の間に設けられた絞り部材と、を備え、
前記圧縮気体の供給源は、前記圧力損失測定部の高圧側と前記絞り部材とを繋ぐ管路に接続され、前記圧力損失測定部の低圧側は、前記変位検出部と前記絞り部材を繋ぐ管路に接続されている軸受装置。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記圧縮気体の圧力損失は、前記変位検出部と前記絞り部材の間の圧縮気体の圧力と、前記圧縮気体の供給源から出力される圧縮気体の圧力との差圧である請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記絞り部材の設置位置は固定され、前記圧力損失測定部の設置位置は可動である請求項2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記圧縮気体の供給源が前記圧力損失測定部の高圧側と前記絞り部材とを繋ぐ管路に接続される箇所から、前記圧力損失測定部の高圧側までは、前記圧縮気体の流速がゼロであり、
前記圧力損失測定部の低圧側が前記変位検出部と前記絞り部材を繋ぐ管路に接続される箇所から、前記圧力損失測定部の低圧側までは、前記圧縮気体の流速がゼロである請求項3に記載の軸受装置。
【請求項5】
前記変位検出部は、前記圧縮気体吐出ノズルの軸方向の片側又は両側に、前記圧縮気体吐出ノズルから前記被測定隙間に吐出された圧縮気体を回収する気体回収溝をさらに備えている請求項4に記載の軸受装置。
【請求項6】
前記変位検出部は、前記気体回収溝で回収された圧縮気体を外部に排出する圧縮気体排出部を更に備えている請求項5に記載の軸受装置。
【請求項7】
前記圧力損失測定部で検出した前記差圧に基づいて前記回転部材に負荷される荷重量を演算する演算処理装置をさらに備えている請求項6に記載の軸受装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の軸受装置を備え、当該軸受装置によって主軸を前記回転部材として回転自在に支持し、前記主軸に負荷された荷重を測定する工作機械の主軸装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受装置に関し、より詳細には、転がり軸受で支持する回転軸の変位を検出して軸荷重を測定することができる軸受装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
工作機械のスピンドルにおいて、切削荷重をコントロールし、加工の高速化、高精度化及び軸受の長寿命化に繋げようとする動きが高まっており、その方策の一つとして、工作機械の運転中の軸荷重を測定することに対するニーズが高まっている。
例えば、特許文献1には、軸荷重を直接測定するのではなく、非接触式センサで軸変位量を計測し、軸受等の剛性値を乗算することで軸荷重を算出する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2にも、工作機械から離れた位置に配置した差圧センサを利用して、工作機械の軸の変位及び軸荷重を測定・算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-217167号公報
特許6662499号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、非接触式センサを使用して回転軸の変位を測定する場合には、非接触式センサを計測部近傍へ配置し、それに付属する回路、配線も計測部の近傍へ配置する必要がある。また、工作機械の内部構造の複雑さや加工中の切り屑や切削水の付着による損傷等により適切な計測ができない場合がある。
【0006】
特許文献2に記載された技術では、差圧センサの設置位置によっては差圧及び軸荷重を正確に算出できない場合がある。
本発明は、上記した課題を解決するために、回転部材を転がり軸受で支持する場合に、回転部材の近傍に測定部を配置せず、且つ、回転部材のラジアル方向の変位(またはアキシャル方向の変位)を、より正確に測定することができる軸受装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る軸受装置は、回転部材を転がり軸受を介して固定部材に支持し、前記回転部材のラジアル方向変位またはアキシャル方向変位を前記転がり軸受の周囲で前記回転部材と前記固定部材の間の被測定隙間に圧縮気体を供給して測定する変位測定部を備えた軸受装置であって、前記変位測定部は、前記被測定隙間に圧縮気体を吐出する圧縮気体吐出ノズルを有する変位検出部と、前記変位検出部に供給する圧縮気体の圧力損失を測定する圧力損失測定部と、前記回転部材の近傍で且つ圧力損失測定部と前記変位検出部の間に設けられた絞り部材(差圧調整部)と、を備える。前記圧縮気体の供給源は、前記圧力損失測定部の高圧側と前記絞り部材とを繋ぐ管路に接続され、前記圧力損失測定部の低圧側は、前記変位検出部と前記絞り部材を繋ぐ管路に接続されている。
【0008】
好ましくは、前記圧縮気体の圧力損失は、前記変位検出部と前記絞り部材の間の圧縮気体の圧力と、前記圧縮気体の供給源から出力される圧縮気体の圧力との差圧である。
好ましくは、前記絞り部材の設置位置(前記変位検出部との相対位置)は固定され、前記圧力損失測定部の設置位置(前記変位検出部との相対位置)は可動である。
好ましくは、前記圧縮気体の供給源が前記圧力損失測定部の高圧側と前記絞り部材とを繋ぐ管路に接続される箇所から、前記圧力損失測定部の高圧側までは、前記圧縮気体の流速がゼロである。また、好ましくは、前記圧力損失測定部の低圧側が前記変位検出部と前記絞り部材を繋ぐ管路に接続される箇所から、前記圧力損失測定部の低圧側までは、前記圧縮気体の流速がゼロである。
【0009】
前記変位検出部は、前記圧縮気体吐出ノズルの軸方向の片側又は両側に、前記圧縮気体吐出ノズルから前記被測定隙間に吐出された圧縮気体を回収する気体回収溝をさらに備えてよい。
前記変位検出部は、前記気体回収溝で回収された圧縮気体を外部に排出する圧縮気体排出部を更に備えてよい。
前記軸受装置は、前記圧力損失測定部で検出した前記差圧に基づいて前記回転部材に負荷される荷重量を演算する演算処理装置をさらに備えてよい。
本発明の他の態様によれば、前記軸受装置を備え、前記軸受装置によって主軸を前記回転部材として回転自在に支持し、前記主軸に負荷された荷重を測定する工作機械の主軸装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る軸受装置によれば、転がり軸受で回転部材を支持する場合に、圧縮気体を利用して回転部材のラジアル方向変位またはアキシャル方向変位を測定することができ、且つ、差圧センサの設置位置に関わらず、回転部材のラジアル方向変位またはアキシャル方向変位を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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