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公開番号2024059023
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166498
出願日2022-10-17
発明の名称鋼摺動部品及び鋼摺動部品の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類F16C 33/58 20060101AFI20240422BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】摩擦係数を低減可能な鋼摺動部品を提供する。
【解決手段】本実施形態の鋼摺動部品(10)は、中心軸に垂直な断面が円形状又は円環形状であり、摺動面を有し、摺動面の試験力1kNでのビッカース硬さが500HV以上であり、中心軸を含む鋼摺動部品(10)の断面のうち、摺動面を含み摺動面から深さ10μm、幅50μmの最表層矩形域において、摺動面と平行な方向の結晶方位解析により得られる{203}結晶方位の面積率が7.0%以上である特定集合組織領域を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
中心軸に垂直な断面が円形状又は円環形状である鋼摺動部品であって、
摺動面を有し、
試験力1kNでのビッカース硬さが500HV以上であり、
前記中心軸を含む前記鋼摺動部品の断面のうち、前記摺動面を含み前記摺動面から深さ10μm、幅50μmの最表層矩形域において、前記摺動面と平行な方向の結晶方位解析により得られる{203}結晶方位の面積率が7.0%以上である特定集合組織領域を含む、
鋼摺動部品。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の鋼摺動部品であって、
前記鋼摺動部品は軸受の外輪、内輪、軌道盤、及びころのいずれかである、
鋼摺動部品。
【請求項3】
請求項1に記載の鋼摺動部品であって、
前記{203}結晶方位の面積率が10.0%以上である、
鋼摺動部品。
【請求項4】
請求項1に記載の鋼摺動部品であって、
前記{203}結晶方位の面積率が12.5%以上である、
鋼摺動部品。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の鋼摺動部品の製造方法であって、
中心軸に垂直な断面が円形状又は円環形状であり、試験力1kNでのビッカース硬さが500HV以上であり、前記最表層矩形域の残留オーステナイトの体積率が10.0~40.0%であり、JIS B 0601:2013に準拠した前記摺動面の算術平均粗さRaが0.05~2.00μmであり、前記最表層矩形域のKAM値が0.40°以上である中間品を準備する、中間品準備工程と、
前記中間品を前記中心軸周りに回転させて、前記中間品の前記摺動面に、前記中間品よりも硬い圧下工具を8.5~15.0GPaの圧力で押し当てながら、前記圧下工具を前記摺動面上で前記中間品の回転方向に対して垂直な方向に相対的に摺動させて、前記摺動面を含む表層を塑性変形させ、前記特定集合組織領域を形成する、最表層結晶方位調整工程とを備える、
鋼摺動部品の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の鋼摺動部品の製造方法であって、
前記中間品準備工程は、
鋼材を加工する加工工程と、
加工された前記鋼材に対して焼入れ及び焼戻しを実施して、前記中間品の試験力1kNでのビッカース硬さを500HV以上とし、かつ、前記最表層矩形域の残留オーステナイトの体積率を10.0~40.0%とする調質工程とを含む、
鋼摺動部品の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の鋼摺動部品の製造方法であって、
前記中間品準備工程はさらに、
前記調質工程後の前記中間品の前記摺動面を機械加工して、JIS B 0601:2013に準拠した前記摺動面の算術平均粗さRaを0.05~2.00μmとし、かつ、前記摺動面の前記最表層矩形域のKAM値を0.40°以上とする表層調整工程を含む、
鋼摺動部品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼摺動部品及び鋼摺動部品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
軸受の外輪、内輪、軌道盤及びころに代表される摺動部品は、例えば、自動車のトランスミッションの部品として利用される。これらの部品の多くは、鋼からなる。以降の説明において、鋼からなる摺動部品を「鋼摺動部品」という。
【0003】
上述の用途に用いられる鋼摺動部品には、高い疲労強度が求められる。これらの鋼摺動部品の疲労強度を高める手段として、調質処理(焼入れ及び焼戻し)が知られている。
【0004】
調質処理された鋼摺動部品は、マルテンサイト組織となる。マルテンサイト組織により、鋼部品の表層の硬さが高まる。そのため、鋼摺動部品の疲労強度が高まる。調質処理により疲労強度を高めた鋼摺動部品は、例えば、特開2013-112861号公報(特許文献1)に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-112861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近、自動車の燃費のさらなる向上が求められている。トランスミッションでのエネルギー損失を抑制できれば、燃費のさらなる向上が実現できる。トランスミッションでのエネルギー損失のうちの一つに、動力伝達の摩擦損失がある。この摩擦損失を低減できれば、エネルギー損失を低減できる。
【0007】
動力伝達の摩擦損失を低減するためには、動力伝達に関与する鋼摺動部品の摩擦係数(静止摩擦係数及び動摩擦係数)を低減することが有効である。ここで、静止摩擦係数とは、鋼摺動部品が回転等の動作を開始するときに、その動作を妨げるように作用する摩擦力に比例する係数である。動摩擦係数とは、鋼摺動部品が回転中に、その動作を妨げるように作用する摩擦力に比例する係数である。摩擦係数(静止摩擦係数及び動摩擦係数)を抑えることができれば、静止摩擦力及び動摩擦力が抑えられる。その結果、動力伝達の摩擦損失を低減できる。
【0008】
本開示の目的は、摩擦係数を低減可能な鋼摺動部品及び鋼摺動部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による鋼摺動部品は、次の構成を有する。
【0010】
中心軸に垂直な断面が円形状又は円環形状である鋼摺動部品であって、
摺動面を有し、
試験力1kNでのビッカース硬さが500HV以上であり、
前記中心軸を含む前記鋼摺動部品の断面のうち、前記摺動面を含み前記摺動面から深さ10μm、幅50μmの最表層矩形域において、前記摺動面と平行な方向の結晶方位解析により得られる{203}結晶方位の面積率が7.0%以上である特定集合組織領域を含む、
鋼摺動部品。
(【0011】以降は省略されています)

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