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公開番号2024058704
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022165957
出願日2022-10-17
発明の名称水砕スラグ製造設備の管理方法及び水砕スラグ製造設備の管理設備
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人クスノキ特許事務所
主分類C21B 3/08 20060101AFI20240422BHJP(鉄冶金)
要約【課題】水砕スラグ製造設備においてスラリーを一時保管する撹拌槽での水蒸気爆発の発生を抑制できるようにすること。
【解決手段】溶融スラグに冷却水を噴射することで溶融スラグを水砕スラグにすることが可能な水砕スラグ化装置と、水砕スラグを含むスラリーを一時保管することが可能な撹拌槽と、撹拌槽で保管されていたスラリーを固液分離することが可能な固液分離装置と、を備える水砕スラグ製造設備において、スラリーより高温の溶融スラグ若しくは水砕スラグが投入される撹拌槽のスラリーの液温を温度センサで測定し、熱バランスを管理する水砕スラグ製造設備の管理方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶融スラグに冷却水を噴射することで溶融スラグを水砕スラグにすることが可能な水砕スラグ化装置と、水砕スラグを含むスラリーを一時保管することが可能な撹拌槽と、撹拌槽で保管されていたスラリーを固液分離することが可能な固液分離装置と、を備える水砕スラグ製造設備において、
スラリーより高温の溶融スラグ若しくは水砕スラグが投入される撹拌槽のスラリーの液温を温度センサで測定し、熱バランスを管理する水砕スラグ製造設備の管理方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
溶融スラグと冷却水の熱バランスを管理する請求項1に記載の水砕スラグ製造設備の管理方法。
【請求項3】
スラリーの液温の異常な上昇がみられた場合に、溶融スラグの単位重量当たりの冷却水の噴射量を増加させる請求項1又は2に記載の水砕スラグ製造設備の管理方法。
【請求項4】
スラリーの液温の異常な上昇がみられた場合に、溶融スラグの排出量と想定されている値と、冷却水の量の比である管理水比値を変更する請求項3に記載の水砕スラグ製造設備の管理方法。
【請求項5】
溶融スラグに冷却水を噴射することで溶融スラグを水砕スラグにすることが可能な水砕スラグ化装置と、水砕スラグを含むスラリーを一時保管することが可能な撹拌槽と、撹拌槽で保管されていたスラリーを固液分離することが可能な固液分離装置と、撹拌槽の液温を測定可能な温度センサと、温度センサで得られた結果が閾値を超えているか否かを判定可能な判定手段を有する管理制御手段と、
を備えた水砕スラグ製造設備の管理設備。
【請求項6】
管理制御手段に、利用者に注意を促す注意喚起手段を備えた請求項5に記載の水砕スラグ製造設備の管理設備。
【請求項7】
管理制御手段に、溶融スラグの排出量と想定されている値と、冷却水の量の比である管理水比値を変更可能な水比変更手段を備えた請求項5又は6に記載の水砕スラグ製造設備の管理設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水砕スラグ製造設備の管理方法及び水砕スラグ製造設備の管理設備に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
高炉工程で生成及び抽出された溶融スラグは、冷却及び粉砕処理により粉体化されることでスラグ製品となる。このスラグ製品の性質は溶融スラグの冷却方法により変化する。そのため水砕処理と徐冷処理の2種類から得られるスラグ製品は異なった性質を持つ。水砕処理とは、溶融スラグを水で急冷することで、水砕スラグを得る処理方法である。この水砕処理を行うことができる設備を水砕スラグ製造設備という。また徐冷処理は、溶融スラグを冷却ヤードにて自然放冷する処理方法である。この処理からは、徐冷スラグが得られる。水砕スラグは急冷によりガラス化率が高く潜在水硬性を有するために徐冷スラグに比べ単価が高く需要もある。その為、溶融スラグ処理方法においては、通常、水砕処理が優先的に実施される。
【0003】
しかし水砕スラグ製造設備のトラブルにより水砕処理が困難となる場合がある。トラブルの発生時に、徐冷処理への柔軟な切り替えを行うことができるとは限らず、水砕スラグ製造設備においてトラブルが発生した場合は、溶融スラグ処理が滞り、高炉の安定操業に影響を与える。したがって、水砕スラグ製造設備におけるトラブル抑制が必要であった。特に水砕スラグ製造設備では水蒸気爆発が発生することを回避できるようにするのが大事である。
【0004】
ところで、特許文献1に記載されていることから理解されるように、溶融スラグの重量と冷却水の重量の比である水比を管理するようなことはなされている。そこで、従来は、水比の値を水蒸気爆発の兆候を把握する指標として活用していた。
【0005】
水蒸気爆発は主に、水砕処理時に熱バランスが崩れ、投入熱量が過大となることで発生する。この熱バランスは、水砕処理時の冷却能力と溶融スラグ熱量によって変化する。水砕処理時の冷却能力は、水砕スラグ処理に使用される冷却水流量によって変化するが、水比を利用する場合、溶融スラグの重量に定数を掛けあわせた冷却水の量にするということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭59-30738号公報
【0007】
しかしながら、このように管理しても水砕スラグを一時保管する撹拌槽で水蒸気爆発が生じる場合があった。そこで、発明者らは、水比は、「その実際値を正確に把握できない」という点と「水比には熱バランス(input条件の溶融スラグ熱量)が考慮されていない」という点から、管理指標として不十分なのではないかと考えた。
【0008】
水比が「その実際値を正確に把握できない」のは、溶融スラグが、センサ類による正確な重量計測ができないほど高温の溶融物だからである。このため従来は、水比に適用する溶融スラグの重量は、溶融スラグを水砕スラグにした後に重量を計測し、その値をフィードバックさせることにより大まかに推定していた。
【0009】
「水比には熱バランス(input条件の溶融スラグ熱量)が考慮されていない」という点については、熱バランスを把握するために、冷却能力の指標となる水比に加えて、溶融スラグ熱量を考慮することが考えられる。しかしながら、溶融スラグ熱量は手測定で計測される溶銑温度を用いた計算によって把握されている。このため、水蒸気爆発の兆候をオンラインで正確に把握する技術としては、確立されていなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような背景でなされた発明であり、本発明が解決しようとする課題は、水砕スラグ製造設備においてスラリーを一時保管する撹拌槽での水蒸気爆発の発生を抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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