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公開番号2024044728
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022150442
出願日2022-09-21
発明の名称鉄源の製造方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人
主分類C21B 13/00 20060101AFI20240326BHJP(鉄冶金)
要約【課題】鉄鉱石中に存在するリンが鉄と結合している場合であっても、リンを十分に除去できる、鉄源の製造方法を提供する。
【解決手段】リンを0.05質量%以上含有する鉄鉱石を含む、焙焼用組成物であって、前記焙焼用組成物に含まれる元素を酸化物換算したときの、Al2O3とSiO2の合計量が5.0質量%以上である焙焼用組成物を、準備する準備工程と、前記焙焼用組成物を焙焼して焙焼物を得る焙焼工程と、前記焙焼物を、COガスと水素ガスの少なくとも1つを含む雰囲気で還元して、還元鉄相とスラグ相を含む還元物を得る還元工程と、前記還元物を粉砕して、還元物を構成するスラグ相の少なくとも一部が分離した還元鉄相含有物を含む、粉砕物を得る粉砕工程と、前記粉砕物から前記還元鉄相含有物を選別回収する選別回収工程とを含む、鉄源の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リンを0.05質量%以上含有する鉄鉱石を含む、焙焼用組成物であって、
前記焙焼用組成物に含まれる元素を酸化物換算したときの、Al



とSiO

の合計量が5.0質量%以上である焙焼用組成物を、準備する準備工程と、
前記焙焼用組成物を焙焼して焙焼物を得る焙焼工程と、
前記焙焼物を、COガスと水素ガスの少なくとも1つを含む雰囲気で還元して、還元鉄相とスラグ相を含む還元物を得る還元工程と、
前記還元物を粉砕して、還元物を構成するスラグ相の少なくとも一部が分離した還元鉄相含有物を含む、粉砕物を得る粉砕工程と、
前記粉砕物から前記還元鉄相含有物を選別回収する選別回収工程と
を含む、鉄源の製造方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記焙焼用組成物は、前記鉄鉱石からなる、請求項1に記載の鉄源の製造方法。
【請求項3】
前記焙焼用組成物は、前記鉄鉱石とフラックスを含む、請求項1に記載の鉄源の製造方法。
【請求項4】
前記フラックスは、Al



とSiO

のうちの1以上を含む、請求項3に記載の鉄源の製造方法。
【請求項5】
前記選別回収工程で、選別回収する方法として磁力選別を行う、請求項1~4のいずれかに記載の鉄源の製造方法。
【請求項6】
前記焙焼用組成物の塩基度CaO/SiO

は1.0未満である、請求項1~4のいずれかに記載の鉄源の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は鉄源の製造方法に関する。特には、原料の鉄鉱石よりもリン量の抑えられた鉄源の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、良質鉄源の枯渇に伴い、鉄鋼製品の原料として、脈石等の不純物の少ない鉄鉱石を入手することは困難となりつつあり、鉄鉱石の不純物は今後上昇することが見込まれる。脈石を多く含む低品位の鉄鉱石を、直接製鉄法に供するための高品位の鉄鉱石に改質するための事前処理方法として、例えば特許文献1には、還元炉内に投入される鉄鉱石を、炭化水素を含む燃料から発生する還元ガスで還元し銑鉄製造工程を経ずに直接に製鉄原料を得る直接製鉄法において、前記還元炉から排出される高温の炉ガスを還元焙焼炉に導入しこの炉ガス内に残存する還元成分で貯鉱場から供給されるヘマタイト鉱石を還元焙焼してマグネタイト鉱石にする工程と、このマグネタイト鉱石を磁力選別に適する粒径にまで粉砕し磁力選別機で磁力選別する工程と、磁力選別で得られたマグネタイト精鉱を塊状化して焼成しペレットにしてから前記還元炉に供給する工程とから成る方法が記載されている。
【0003】
鉄鉱石の品位を低下させる成分として特にリンが挙げられる。既存の高炉-転炉法では、鉄鉱石中のリンは高炉でほぼ全量が溶銑に移行し、その後の溶銑予備処理工程と転炉工程での除去が一般的である。しかし原料である鉄鉱石中のリン量が増加すると、これらの工程でのリン除去のコストが増加し、生産性が低下する。よって、製鉄に供する鉄鉱石のリン除去技術の開発が望まれている。
【0004】
例えば特許文献2には、湿式処理により鉄鉱石のリンを除去する方法が示されている。詳細には、燐分の高い鉄鉱石を0.5mm以下に粉砕しこれに水を加えてパルプ濃度35%前後とし、溶剤にH

SO

又はHCIを添加しpH2.0以下で反応させ含有している燐鉱物(主として燐灰石)を分解溶出させ、次いで磁力選別により磁鉄鉱等の磁着物を採取し非磁着物たるSiO

、又はAl



等をスライムとして沈降分離すると共に液中に溶出したPは消石灰又は生石灰を添加しpH5.0~10.0の範囲中で中和し燐酸カルシウムとして分離回収することを特徴とするP含有鉄鉱石の処理方法が記載されている。しかし特許文献2による方法では、湿式処理であるが故に、生産性を確保することが難しいという問題がある。
【0005】
一方、乾式プロセスにより、鉄鉱石中のリンを除去する方法も提案されている。例えば、非特許文献1には、鉄鉱石中のPをダイカルシウムシリケート(C

S)相に濃化することで、分離するプロセスが提案されている。詳細には、鉄鉱石の塩基度および炭材の配合比を調整、特に前記塩基度について、粉鉱石に含まれるSiO

を基準に、塩基度(C/S)が2.0になる量のCaOを添加し、高温で加熱することで、溶融スラグ中にダイカルシウムシリケート相(2CaO-SiO

,C

S)が固相として共存し,リン酸カルシウム相(3CaO-P



,C

P)との固溶体(C

S-C

P固溶体)としてPが濃化することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭53-103915号公報
特開昭60-261501号公報
【非特許文献】
【0007】
丸岡 伸洋ら,「部分還元処理による鉄鉱石中りんのダイカルシウムシリケート相への濃化」,鉄と鋼,Vol.107(2021),No.6,pp.527-533
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の方法ではリンが鉄以外の元素等と結びついている場合は有効であるが、リンが鉄と結びついている場合は除去し得ないという問題がある。また非特許文献1の方法では、炭材の使用等により酸素分圧の調整が困難となり、それ故に鉄相にリンが混入しやすく、リンの除去が困難となりうること、また炭材の使用に起因して、硫黄分の混入、温室効果ガスの排出といった問題が挙げられる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、鉄鉱石中に存在するリンが鉄と結合している場合であっても、リンを十分に除去できる、製鉄等に供する鉄源の製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様1は、
リンを0.05質量%以上含有する鉄鉱石を含む、焙焼用組成物であって、
前記焙焼用組成物に含まれる元素を酸化物換算したときの、Al



とSiO

の合計量が5.0質量%以上である焙焼用組成物を、準備する準備工程と、
前記焙焼用組成物を焙焼して焙焼物を得る焙焼工程と、
前記焙焼物を、COガスと水素ガスの少なくとも1つを含む雰囲気で還元して、還元鉄相とスラグ相を含む還元物を得る還元工程と、
前記還元物を粉砕して、還元物を構成するスラグ相の少なくとも一部が分離した還元鉄相含有物を含む、粉砕物を得る粉砕工程と、
前記粉砕物から前記還元鉄相含有物を選別回収する選別回収工程と
を含む、鉄源の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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