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公開番号2024047592
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2019147145
出願日2019-08-09
発明の名称直接還元鉄の製造設備及び製造方法
出願人合同会社KESS
代理人個人
主分類C21B 13/02 20060101AFI20240401BHJP(鉄冶金)
要約【課題】 外熱式改質器を用いずに、また循環ガス加熱器でのメタルダスティング等の問題及び炉内での還元鉄の融着等の問題を引き起こさずに、改質、還元を行い、且つ製品である還元鉄の炭素量を広範囲に調整することができる直接還元鉄の製造設備を提供する。
【解決手段】 本発明の直接還元鉄の製造設備は、竪型還元炉から排出されたガスの水分を調整するための水分調整装置と、水分の一部が除去されたガスに酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスを混合するための第1のガス混合装置と、混合ガスを自己のエネルギーで改質するオートサーマルリフォーマーとを有する。また、クーリングガスを循環させるクーリングガスループを有し、クーリングガスは炭化水素濃度が50%以上であり、クーリングガスループは流量調整機能及びクーリングガスの温度を調整するクーリングガスアフタークーラーを有する。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
竪型還元炉で酸化鉄原料を還元ガスで還元し冷却して直接還元鉄(Cold DRI)を製造する直接還元鉄の製造設備であって、
前記竪型還元炉で製造された還元鉄を冷却するクーリングガスを循環させるクーリングガスループを有し、
前記クーリングガスは、炭化水素濃度が50%以上であり、
前記クーリングガスループは、前記竪型還元炉へ導入するクーリングガスの流量を調整できるように構成されており、且つ、クーリングガスの還元炉入口温度を調整するクーリングガスアフタークーラーを有することを特徴とする直接還元鉄の製造設備。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
竪型還元炉で酸化鉄原料を還元ガスで還元し冷却して直接還元鉄(Cold DRI)を製造する直接還元鉄の製造設備であって、
前記竪型還元炉は、還元ゾーンとクーリングゾーンとを有し、
前記還元ゾーンと前記クーリングゾーンとは、互いに独立した炉として構成され、還元鉄を前記クーリングゾーンへ降下させるシュートと、クーリングガスを前記還元ゾーンへ通過させる還元ゾーン用ガスダクトとで繋がれていることを特徴とする直接還元鉄の製造設備。
【請求項3】
竪型還元炉で酸化鉄原料を還元ガスで還元し冷却して直接還元鉄(Cold DRI)を製造する直接還元鉄の製造設備であって、
前記竪型還元炉で製造された直接還元鉄を冷却するクーリングガスを循環させるクーリングガスループを有し、
前記竪型還元炉は、還元ゾーンと、クーリングゾーンと、前記還元ゾーンと前記クーリングゾーンとの間に設けられる中間クーリングゾーンとを有し、
前記クーリングガスループは、前記中間クーリングゾーンに設けられる上部クーリングガスループと、前記クーリングゾーンに設けられる下部クーリングガスループとを有し、
前記竪型還元炉のクーリングガスの出口において、前記上部クーリングガスループのクーリングガスの出口温度は、前記下部クーリングガスループのクーリングガスの出口温度よりも高温であることを特徴とする直接還元鉄の製造設備。
【請求項4】
前記竪型還元炉の前記クーリングゾーンに導入されるクーリングガスの入口におけるクーリングガスの温度が35℃以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の直接還元鉄の製造設備。
【請求項5】
還元ガスを製造するための改質器を備え、
前記竪型還元炉の前記クーリングゾーンから抜き出されたクーリングガスは、直接接触型クーリングガス冷却器を介することなく前記竪型還元炉に導入する還元ガス及び前記改質器の上流を流れるガスの少なくとも一方に混合されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の直接還元鉄の製造設備。
【請求項6】
竪型還元炉で酸化鉄原料と還元ガスとを接触させて直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造設備であって、
前記竪型還元炉から排出されたガスから水分を調整するための水分調整装置と、
水分が調整されたガスに酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスを混合するための第1のガス混合装置と、
混合ガスを自己のエネルギーで改質するオートサーマルリフォーマーと、を有し、
前記第1のガス混合装置は、混合する酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスの量を調整することで、前記オートサーマルリフォーマーの入口のガスの温度、出口のガスの温度及び出口のガスの還元度が適正範囲内となるように調整することを特徴とする直接還元鉄の製造設備。
【請求項7】
前記オートサーマルリフォーマーから排出されたガスに酸素含有ガス及び炭化水素含有ガスを混合する第2のガス混合装置をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の直接還元鉄の製造設備。
【請求項8】
前記竪型還元炉から排出されたガスから二酸化炭素の一部又は全部を除去するCO

リムーバーをさらに有することを特徴とする請求項6又は7に記載の直接還元鉄の製造設備。
【請求項9】
前記オートサーマルリフォーマーの入口のガスの圧力が600kPa(A)未満であることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の直接還元鉄の製造設備。
【請求項10】
前記竪型還元炉と前記第1のガス混合装置との間に、前記竪型還元炉から排出されたガスを予熱する熱交換器をさらに有し、
前記熱交換器で予熱した後のガスの温度が850℃未満であることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の直接還元鉄の製造設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、直接還元鉄(DRI)の製造設備及び製造方法に関し、外熱式改質器(リフォーマー)を用いず、還元帯での条件に依存せず還元鉄の炭素量を広範囲に調整することができ、また循環ガス加熱器(プレヒータ)でのメタルダスティング等の問題を引き起こさず、改質、還元を効率的に行うことができる直接還元鉄の製造設備及び製造方法に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄塊鉱石、又は鉄鉱石粉を用いた焼成ペレットなどの酸化鉄原料(原料)を還元して金属鉄を竪型還元炉(シャフト炉)で製造する方法としては、主に、高炉製銑法の他に、直接還元製鉄法と呼ばれる方法がある。
【0003】
直接還元製鉄法は、特許文献1で示されているミドレックス法、特許文献2で示されているHYL法に代表される。これらの方法は竪型還元炉に水素(H

)及び一酸化炭素(CO)を主成分とした還元ガスを導入して酸化鉄を固相のまま還元して固体金属鉄を製造するものである。
【0004】
竪型還元炉に導入された水素及び一酸化炭素を主成分とする還元ガスは、還元ゾーンで酸化鉄と反応し、その一部は酸化鉄から酸素を除去して水蒸気(H

O)及び二酸化炭素(CO

)を生成する。
【0005】
この竪型還元炉から排出されるガス(トップガス)は、ミドレックス法ではスクラバーにて除塵、冷却される。その後、その一部は昇圧され、新たに炭化水素含有ガスが加えられて改質器にて改質され、循環利用されている。
【0006】
またHYL法では同様に除塵、冷却されたトップガスの一部に、水蒸気と炭化水素含有ガスから新たに改質された改質ガスを混合し、外部燃焼型循環ガス加熱器(プレヒータ)で加熱して竪型還元炉に導入し循環利用されている。
【0007】
製造された還元鉄を冷却して排出する場合には、還元ゾーンの下部にクーリングゾーンを設け、冷却用のガス(クーリングガス)をクーリングゾーンに導入し、還元鉄を冷却している。この冷却に使用されたクーリングガスは、竪型還元炉の還元ガス導入部よりも下方の竪型還元炉の中間部から排出され、スクラバーで除塵、冷却された後、昇圧され循環利用されている。
【0008】
上記のいずれの場合も、還元ガスを製造するために、触媒を充填した外熱式改質器(リフォーマー)で通常900℃以上に加熱して改質している。この外熱式改質器に用いられるリフォーマーチューブは、改質ガス温度以上の高温に曝されるため高価な合金チューブを必要としている。
【0009】
ミドレックス法では、低圧下、例えば350kPa(A)以下の圧力下で、二酸化炭素及び水蒸気を含む循環ガスと炭化水素含有ガスとを混合して、予熱後に外熱式改質器(リフォーマー)に通して改質ガスを製造している。
【0010】
上述の通りミドレックス法は改質時の圧力が350kPa(A)程度の低圧であるので、リフォーマーの触媒上で炭素を析出させることなく、ガスの還元度(R-Value=(H

+CO)/(H

O+CO

))が効率的な酸化鉄の還元を達成するために必要な10~12以上となるまで単位操作で改質できる。
(【0011】以降は省略されています)

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