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公開番号2024034431
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022138660
出願日2022-08-31
発明の名称方向性電磁鋼帯の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C21D 8/12 20060101AFI20240306BHJP(鉄冶金)
要約【課題】ゴス方位の結晶方位を有する方向性電磁鋼帯とかかる結晶方位を有していない一次再結晶後の鋼帯とを接合することで、かかる鋼帯全体にかかる結晶方位の結晶粒群を成長させるという技術を、工業化レベルで実現する方法を提案する。
【解決手段】前記接合した面近傍の所定の領域における結晶粒の分布を、鋼帯の溶接熱影響部を除いた上記鋼帯全体の平均粒径に対し1.8倍以上の粒径となる結晶粒の面積率:70%未満、かつ酸化物の面積率:5%未満としたのち、圧延方向と直角な方向に、前記方向性電磁鋼帯側を高温にした温度勾配を与えて結晶を粒成長させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
{110}<001>方位に集積した二次再結晶後の方向性電磁鋼帯の幅方向端部の少なくとも一方を、最終板厚に仕上げた一次再結晶後の一次再結晶後鋼帯の幅方向端部の少なくとも一方に接合し、かかる接合した面の上記一次再結晶後鋼帯側で該接合した面と垂直に上記一次再結晶後鋼帯の板厚と同じ長さの幅で延びる領域における結晶粒の分布を、上記一次再結晶後鋼帯の溶接熱影響部を除いた上記一次再結晶後鋼帯全体の平均粒径に対し1.8倍以上の粒径となる結晶粒の面積率:70%未満、かつ酸化物の面積率:5%未満としたのち、前記接合した面と垂直な圧延方向と直角な方向に、前記方向性電磁鋼帯側を高温にした温度勾配を与えながら{110}<001>方位を有する結晶粒を、前記一次再結晶後鋼帯側に粒成長させる方向性電磁鋼帯の製造方法。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記温度勾配が、0.1℃/mm以上である請求項1に記載の方向性電磁鋼帯の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の製造方法で得られた方向性電磁鋼帯を、さらに最終板厚に仕上げた一次再結晶後鋼帯に接合し、かかる一次再結晶後鋼帯を新たな方向性電磁鋼帯とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼帯の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスなどの鉄心材料に供して好適な鉄損の低い方向性電磁鋼帯の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼帯は軟磁性材料として、主に変圧器あるいは回転機等の鉄心材料として使用されるもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損および磁気歪が小さいことが要求される。そのためには鋼帯中の二次再結晶粒を{110}<001>方位(ゴス方位)に高度に集積させることや、鋼帯中の不純物を低減することが重要である。
【0003】
方向性電磁鋼帯の鉄損は、結晶方位や純度等に依存するヒステリシス損と、板厚や比抵抗、磁区の大きさ等に依存する渦電流損との和で表される。そのため、鉄損を低減する方法としては、結晶方位のゴス方位への集積度を高めて磁束密度を向上させることでヒステリシス損を低減する方法や、電気抵抗を高めるSi等の含有量を高めたり、鋼帯の板厚を低減したり、磁区を細分化したりすることで渦電流損を低減する方法等が知られている。
【0004】
これらの鉄損低減方法のうち、磁束密度を向上させる方法については、方向性電磁鋼帯を製造する際、インヒビタと呼ばれる析出物を利用して二次再結晶焼鈍中に粒界に易動度差をつけることで、ゴス方位のみを優先成長させる方法が一般的な技術として利用されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、インヒビタとして、AlNやMnSを利用する方法が、また、特許文献2には、インヒビタとして、MnSやMnSeを利用する方法が開示されており、いずれも、高温でのスラブ加熱を必要とする製造方法として工業的に実用化されている。
【0006】
ところが、上記特許文献1および2に開示の技術は、熱間圧延に先立つスラブ加熱において、1250℃以上の高温に加熱することが必要であり、多大なエネルギーを必要とするという問題があった。
【0007】
そこで、上記問題を解決するため、例えば、特許文献3には、スラブ加熱の段階において、インヒビタ形成成分、例えばAl,N,Mn,SおよびSe等の鋼中への固溶を完全には行わず、脱炭焼鈍後に、鋼帯を走行させる状態下で窒化処理をすることによって、(Al,Si)Nを主成分とするインヒビタを形成し、1200℃以下の低温スラブ加熱においても高温スラブ加熱並みの磁気特性を発現させる、いわゆる「窒化処理技術」が提案されている。
【0008】
一方、インヒビタ形成成分を含有させずに、ゴス方位結晶粒を発達させる技術が特許文献4に提案されている。
かかる技術においては、インヒビタ形成成分のような不純物を極力排除することで、一次再結晶時の結晶粒界が持つ粒界エネルギーの粒界方位差角依存性を顕在化させ、インヒビタを用いずともゴス方位を有する結晶粒を二次再結晶させることができる。
このように、集合組織により再結晶が制御される効果は、テクスチャーインヒビション効果と呼ばれる。
【0009】
前記技術では、インヒビタが使用されないため、二次再結晶焼鈍後に高温での純化焼鈍を行う必要がない。加えて、事前にインヒビタを鋼中に微細分散させておく必要がないため、鋼スラブの加熱を高温で行う必要もない。したがって、インヒビタを利用しない前記技術は、コスト面でもメンテナンス面でも、大きなメリットを有している。さらに、高温でのスラブ加熱が必要ないため、薄スラブを作製して直接熱間圧延を行う技術にも適用することができる。
【0010】
また、方向性電磁鋼帯は、言わば10mm前後のゴス方位結晶粒を主体とした多結晶体であるものの、ゴス方位を有する単結晶の集合体と見なすことも可能である。そのため、半導体分野で特に利用される単結晶成長技術を応用して、インヒビタや集合組織形成技術を用いずに直接ゴス方位結晶粒を成長させる検討が過去になされてきた。
(【0011】以降は省略されています)

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