TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024045034
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2023145858
出願日2023-09-08
発明の名称高炉の炉頂排出ガス処理方法及び高炉付帯設備
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21B 7/22 20060101AFI20240326BHJP(鉄冶金)
要約【課題】高炉の減尺操業時においてシアンを含む高炉の炉頂排出ガスを処理する際でも、高炉の炉頂排出ガスの処理を行うことができ、高炉の減尺操業を適正に行うことができる、高炉の炉頂排出ガス処理方法及び高炉付帯設備を提案する。
【解決手段】高炉の原料充填層表面の高さを朝顔部上端の高さよりも減じる高炉の減尺操業時における高炉の炉頂排出ガス処理方法であって、高炉の炉頂排出ガスを、湿式集塵機で冷却および集塵し、前記湿式集塵機の集塵水を、凝集沈殿処理に付してダスト成分を除去するとともに冷却した後に、再度前記湿式集塵機に供給して循環させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高炉の原料充填層表面の高さを朝顔部上端の高さよりも減じる減尺操業時における高炉の炉頂排出ガス処理方法であって、高炉の炉頂排出ガスを、湿式集塵機で冷却および集塵し、前記湿式集塵機の集塵水を、凝集沈殿処理に付してダスト成分を除去するとともに冷却した後に、再度、前記湿式集塵機に供給して循環させることを特徴とする、高炉の炉頂排出ガス処理方法。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記湿式集塵機の集塵水を、所定の温度以下まで冷却後に凝集沈殿処理に付し、凝集沈殿処理後の処理水を、所定の温度以下まで冷却後に、再度、前記湿式集塵機に供給して循環させることを特徴とする、請求項1に記載の高炉の炉頂排出ガス処理方法。
【請求項3】
前記湿式集塵機の集塵水を、熱交換器を用いて所定の温度以下まで冷却し、前記凝集沈殿処理後の処理水を、冷却塔を用いて所定の温度以下まで冷却することを特徴とする、請求項2に記載の高炉の炉頂排出ガス処理方法。
【請求項4】
前記熱交換器を有する冷却配管が、予備の熱交換器を有する冷却配管に切り替え可能であり、かつ、前記熱交換器を有する冷却配管において、熱交換器の出側から入側へと洗浄水を流して洗浄可能であることを特徴とする、請求項3に記載の高炉の炉頂排出ガス処理方法。
【請求項5】
前記冷却後の集塵水を凝集沈殿処理に付する際、シアン処理のための薬剤を投与することを特徴とする、請求項2に記載の高炉の炉頂排出ガス処理方法。
【請求項6】
高炉の原料充填層表面の高さを朝顔部上端の高さよりも減じる減尺操業時に用いる高炉付帯設備であって、高炉の炉頂排出ガスを冷却して集塵水とする湿式集塵機と、前記湿式集塵機の集塵水を、所定の温度以下まで冷却する設備と、前記集塵水を凝集沈殿処理に付してダスト成分を除去した後に、前記処理水を所定の温度以下まで冷却する設備とを有し、前記湿式集塵機の集塵水を再度前記湿式集塵機に供給して循環させることを特徴とする、高炉付帯設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の原料充填層表面の高さを朝顔部上端の高さよりも減じる高炉の減尺操業時における高炉の炉頂排出ガス処理方法及び高炉付帯設備に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、高炉の寿命は設備技術や操業技術の進歩により大幅に延びており、10年以上稼動している大型高炉も多い。稼動年数の経過と共に、シャフト下部や朝顔部のライニング厚さが減少する。そこで、シャフト部や朝顔部の内面を補修する必要がある。その場合、この部分に原料があると補修できないので、高炉内の原料装入レベルを所定の高さまで下げ、次いで休風する。炉内の補修終了後、高炉を立ち上げるときには、再度原料を充填して立ち上げる。また、高炉の吹き卸しをし、解体修理をしようとする場合には、一つの方法として炉内容物をすべて取り出してしまう。この場合にも、高炉内の原料装入レベルを下げていく操業を行う。
【0003】
このように、炉体の中間補修を行なうとき、あるいは高炉の解体修理に入るときに、高炉内の原料装入レベルを下げていく操業形態を高炉の減尺操業という。減尺操業の基本的方法は、炉頂からの原料装入を停止し、これをコークスに置換して、羽口から供給する高温送風によりコークスを燃焼させつつ、原料の装入レベルを下げ、通常、羽口レベルまでこれを下げることにある。
【0004】
減尺の進行に伴い装入原料による炉内ガスの冷却ができなくなるために、羽口から吹込む熱風の冷却が進まず、高炉の炉頂排出ガスの温度が上昇する。高炉の炉頂排出ガスの温度が高温であると、炉頂設備の破損や、炉頂設備と高炉の炉頂排出ガスを貯蔵するガスホルダーとを連結する配管のエキスパンションの伸縮限界を超える。そのため、高炉の炉頂排出ガスの漏風事故を招く懸念がある。高炉の炉頂設備の破損や配管のエキスパンションからの漏風が確認されると、設備を補修するために、計画外の休風を余儀なくされる。また、設備の補修に時間を要し、休風時間が長時間となった場合は、高炉の立ち上げ時に炉内の溶銑の温度が低下して取り出せなくなる炉冷トラブルを引き起こす可能性がある。
【0005】
これに対し、高炉の炉頂排出ガスの温度上昇を抑えるために、炉頂に設けた散水管から散水を出してガスを冷却する方法が用いられてきた。例えば、特許文献1においては、炉頂に設けた散水管から散水し、炉頂排出ガス温度の上限を350℃として減尺操業をすることが開示されている。また、特許文献2では、送風量を減らす一方で富化酸素量を増加させることで、炉内へ吹込む熱風量を減らし、炉頂排出ガス温度を低位に保つ方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2001-73014号公報
特開平2-282408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、高炉の減尺操業時において、高炉炉下部では有害なシアン化合物が生成している。すなわち、通常は装入原料と熱交換される過程で分解されるが、減尺操業では炉内ガスが十分に冷却されずに炉上部まで上昇するため、高炉の炉頂排出ガス中にシアンが含まれる。高炉の炉頂排出ガス中にシアンが含まれると、湿式集塵の集塵水中にシアンが吸収され、集塵水を系外へ放流する際には、シアン濃度の上限値を定める水質汚濁防止法に抵触する恐れがある。そのため、特許文献1および特許文献2に記載されている炉頂排出ガスの冷却のみでは、高炉の炉頂排出ガス中のシアンに起因する、シアンを含む湿式集塵の集塵水の処理を十分に行うことができなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点を解決し、高炉の減尺操業時においてシアンを含む高炉の炉頂排出ガスを処理する際でも、高炉の炉頂排出ガスの処理を行うことができ、高炉の減尺操業を適正に行うことができる、高炉の炉頂排出ガス処理方法及び高炉付帯設備を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の高炉の炉頂排出ガス処理方法は、前述の課題を解決すべく開発されたものであり、高炉の原料充填層表面の高さを朝顔部上端の高さよりも減じる減尺操業時における高炉の炉頂排出ガス処理方法であって、高炉の炉頂排出ガスを、湿式集塵機で冷却および集塵し、前記湿式集塵機の集塵水を、凝集沈殿処理に付してダスト成分を除去するとともに冷却した後に、再度、前記湿式集塵機に供給して循環させることを特徴とする、高炉の炉頂排出ガス処理方法である。
【0010】
なお、前記のように構成される本発明に係る高炉の炉頂排出ガス処理方法においては、
(1)前記湿式集塵機の集塵水を、所定の温度以下まで冷却後に凝集沈殿処理に付し、凝集沈殿処理後の処理水を、所定の温度以下まで冷却後に、再度、前記湿式集塵機に供給して循環させること、
(2)前記湿式集塵機の集塵水を、熱交換器を用いて所定の温度以下まで冷却し、前記凝集沈殿処理後の処理水を、冷却塔を用いて所定の温度以下まで冷却すること、
(3)前記熱交換器を有する冷却配管が、予備の熱交換器を有する冷却配管に切り替え可能であり、かつ、前記熱交換器を有する冷却配管において、熱交換器の出側から入側へと洗浄水を流して洗浄可能であること、
(4)前記冷却後の集塵水を凝集沈殿処理に付する際、シアン処理のための薬剤を投与すること、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
製鋼用取鍋精錬炉
1か月前
個人
鋼片の直接通電加熱装置
2か月前
日本製鉄株式会社
高純度鋼の溶製方法
3か月前
東京窯業株式会社
ガス吹き込みプラグ
2か月前
豊和工業株式会社
チャックボディの焼入れ方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
鉄源の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
2か月前
日本製鉄株式会社
鉱石の脱リン方法
1か月前
株式会社ジェイテクト
焼入装置、および焼入方法
28日前
合同会社KESS
直接還元鉄の製造設備及び製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
配合計画支援方法
1か月前
高周波熱錬株式会社
冷却装置
2か月前
株式会社神戸製鋼所
銑鉄製造方法
2か月前
JFEスチール株式会社
金属精錬における中間排滓方法
13日前
株式会社神戸製鋼所
高窒素鋼の精錬方法
2か月前
日本製鉄株式会社
溶鋼の真空脱ガス処理方法
3か月前
株式会社光栄
低熱膨張合金の製造方法および熱間鍛造部品
1か月前
日本製鉄株式会社
バッチ式加熱炉の操業方法
1か月前
トヨタ自動車株式会社
焼入れ装置
1か月前
JFEスチール株式会社
方向性電磁鋼帯の製造方法
2か月前
大同プラント工業株式会社
熱処理方法及び熱処理炉
25日前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
19-ノルC3,3-二置換C21-N-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法
2か月前
日本製鉄株式会社
鉄源の溶解精錬方法
今日
高周波熱錬株式会社
加熱処理装置
2か月前
日本製鉄株式会社
鉄源の溶解精錬方法
今日
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
26日前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
26日前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
26日前
日本製鉄株式会社
低りん溶鉄製造方法
今日
東京窯業株式会社
環流管と浸漬管との連結方法および連結構造
2か月前
富士電子工業株式会社
ワーク固定治具及びそれを備えた焼き入れ装置
2か月前
JFEスチール株式会社
高炉操業方法
1か月前
株式会社プロテリアル
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法
1か月前
JFEスチール株式会社
転炉の操業方法
26日前
スチールプランテック株式会社
転炉排ガス処理設備及び転炉排ガス処理方法
2か月前
JFEスチール株式会社
微粉炭の製造装置及び製造方法
13日前
続きを見る