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公開番号2024054574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160877
出願日2022-10-05
発明の名称転炉の操業方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21C 5/34 20060101AFI20240410BHJP(鉄冶金)
要約【課題】酸素含有ガスを底吹きする転炉の操業方法を提案する。
【解決手段】少なくとも酸素含有ガスを底吹きする転炉の操業方法であって、溶銑に対し、吹錬初期に酸素ガスと50体積%超えの不活性ガスとを混合して底吹き羽口から供給する脱珪処理を含む、転炉の操業方法である。前記溶銑中のSi濃度が0.30質量%以上であること、底吹き羽口から供給する酸素ガスとしての供給流量をCaOの供給速度、CaO滓化率、脱珪酸素効率、あらかじめ定めた脱珪処理時間化学量論的に溶銑中のSiを完全に酸化するのに必要な酸素量および底吹き羽口以外から供給された酸素ガスとしての供給流量から定めること、および、精錬用酸素を前記底吹き羽口からのみ供給することなどが好ましい。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも酸素含有ガスを底吹きする転炉の操業方法であって、溶銑に対し、吹錬初期に酸素ガスと50体積%超えの不活性ガスとを混合して底吹き羽口から供給する脱珪処理を含む、転炉の操業方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記溶銑中のSi濃度が0.30質量%以上である、請求項1に記載の転炉の操業方法。
【請求項3】
前記底吹き羽口から供給する酸素ガスとしての供給流量Q

(O

)の上限値を、炉内に供給するCaOの供給速度S、CaO滓化率α、脱珪酸素効率βおよび底吹き羽口以外から供給する酸素ガスとしての供給流量Q

(O

)から算出し、吹錬初期の脱珪処理を行う、請求項2に記載の転炉の操業方法。
【請求項4】
前記底吹き羽口から供給する酸素ガスとしての供給流量Q

(O

)の下限値を、あらかじめ定めた脱珪処理時間、化学量論的に溶銑中のSiを完全に酸化するのに必要な酸素量および底吹き羽口以外から供給する酸素ガスとしての供給流量Q

(O

)から算出する、請求項3に記載の転炉の操業方法。
【請求項5】
精錬用酸素を前記底吹き羽口からのみ供給する、請求項1~4のいずれか1項に記載の転炉の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素含有ガスを底吹きする転炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、転炉において溶銑中のSiを酸化除去する脱珪処理では、転炉炉内の溶銑に造滓剤を添加しつつ、上吹きノズルや底吹き羽口から酸素供給し、必要に応じて底吹き羽口からの不活性ガス供給による溶銑撹拌を行う、そして、スラグの泡立ちによるスロッピングを抑止しながら吹錬を行っている(例えば特許文献1)。
【0003】
底吹き羽口から純酸素ガスを供給して脱珪処理を行う場合、従来は、溶銑静圧より高い底吹き内管羽口圧力を確保する底吹き内管純酸素ガス流量を吹き込んでいる。たとえば、非特許文献1には、底吹き羽口に溶鉄が侵入しない底吹きガスの下限の体積流量Q
min
(Nm

/min)を下記数式1で与えている。式中のNは底吹き羽口数であり、ρ

は気体密度(kg/m

)であり、ρ

は溶鉄密度(kg/m

)であり、Hは浴深さ(m)であり、dは羽口口径(m)である。
TIFF
2024054574000002.tif
21
166
それにより、吹錬初期の溶銑中Siの酸化によるSiO

生成速度は純酸素ガス流量に依存して高くなる。そのため、造滓剤(CaO源)供給速度がSiO

生成速度よりも遅い場合、低塩基度スラグを生成し、スロッピングが発生しやすい状況になる。一方、非特許文献1には、吹き抜けの生じない底吹きガスの上限の体積流量Q
max
(Nm

/min)を下記数式2で与えている。
TIFF
2024054574000003.tif
21
166
【0004】
酸素ガスに不活性ガスを混合する技術も開示されている。たとえば、特許文献2には上吹底吹き転炉の吹錬方法として、底吹き羽口から不活性ガスを供給し、上吹きランスより酸素に空気、窒素、アルゴン、水蒸気のうち少なくとも1種の希釈ガスを混合して脱炭を行う吹錬について開示されている。特許文献3には、微粒化された水滴を酸化性ガス及び/または不活性ガスと共に、溶鋼表面下の羽口から吹き込む鋼の溶製方法について開示されている。特許文献4には、脱珪脱燐処理した溶銑を上底吹き複合精錬吹錬するに際し、造滓剤を添加し、吹錬前半は事実上不活性のガスを50体積%以下で含む酸素ガスを底吹きする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平04-214811号公報
特開平06-033125号公報
特開平06-033126号公報
特開平06-158138号公報
【非特許文献】
【0006】
加藤嘉英、野崎努、中西 恭二、藤井徹也、江見俊彦:鉄と鋼、70(1984)3、pp380-387
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術には、以下のような課題があった。
すなわち、特許文献1に開示の技術では、溶銑脱珪処理において添加する造滓剤(CaO源)の供給速度を上げると、造滓剤原単位の増加を招き、精錬コストの増加に繋がる。そのため、SiO

生成速度を低減させることが課題となる。
【0008】
また、特許文献2や3に開示された技術は、吹錬末期の低炭素濃度領域に関する技術であり、吹錬初期の脱珪期に適用した場合の知見については、何ら開示がない。特許文献4に開示の技術は脱珪脱燐処理され、Si濃度が0.2質量%以下、P濃度が0.1質量%以下の溶銑を対象に吹錬初期の滓化促進を目的としている。Siを0.30質量%以上含む溶銑を脱珪処理する際のスロッピング抑制については、何ら開示がない。また、脱炭初期のCOガス多量発生期の二次燃焼の活用については触れられていない。
【0009】
非特許文献1に記載するように底吹き羽口から純酸素ガスを底吹きする場合、制御範囲は狭く、Q
min
/Q
max
は0.58程度である。つまり、底吹きする純酸素ガスの流量を最大値の58%までしか下げることができない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、少なくとも酸素含有ガスを底吹きする転炉の操業にあたりスロッピングを抑止する方法を提案することを目的とする。あわせて、脱炭初期の二次燃焼を有効活用する方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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