TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024048306
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022154276
出願日2022-09-27
発明の名称バッチ式加熱炉の操業方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C21D 9/70 20060101AFI20240401BHJP(鉄冶金)
要約【課題】生産性のよいバッチ式加熱炉の操業方法を提供する。
【解決手段】バッチ式加熱炉(10)の操業方法は、装入工程(#5)と、主加熱工程(#10)と、連続抽出工程(#15)と、を備える。装入工程(#5)では、カバー(30)を開いて、炉体(20)内に複数の鋳片(60)を装入する。主加熱工程(#10)では、カバー(30)を閉じて、炉体(20)内の雰囲気を加熱する。連続抽出工程(#15)では、バーナー(40)の出力を基準値(N0)に設定するとともに、カバー(30)を開いて、炉体(20)内の複数の鋳片(60)のうちの1本を搬出する搬出工程(#15A)と、カバー(30)を閉じるとともに、バーナー(40)の出力を基準値(N0)よりも大きい値に設定して、炉体(20)内の雰囲気を加熱する補助加熱工程(#15B)と、を交互に繰り返す。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
鋳片を加熱するバッチ式加熱炉の操業方法であって、
前記加熱炉は、カバーによって開閉される炉体と、前記炉体内の雰囲気を加熱するバーナーと、を備え、
前記加熱炉の操業方法は、
前記カバーを開いて、前記炉体内に複数の鋳片を装入する装入工程と、
前記カバーを閉じて、前記バーナーにより前記炉体内の前記雰囲気を加熱する主加熱工程と、
搬出工程と補助加熱工程とを交互に繰り返す連続抽出工程であって、前記搬出工程では、前記バーナーの出力を基準値に設定するとともに、前記カバーを開いて、前記炉体内の前記複数の鋳片のうちの1本を搬出し、前記補助加熱工程では、前記カバーを閉じるとともに、前記バーナーの前記出力を前記基準値よりも大きい値に設定して、前記炉体内の前記雰囲気を加熱する、前記連続抽出工程と、を備える、バッチ式加熱炉の操業方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
請求項1に記載のバッチ式加熱炉の操業方法であって、
前記主加熱工程における前記炉体内の前記雰囲気の温度をT

(℃)とし、前記補助加熱工程における前記炉体内の前記雰囲気の温度をT

(℃)としたとき、T

は下記の式(1)の条件を満たす、バッチ式加熱炉の操業方法。


-50≦T

≦T

+30 (1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、バッチ式加熱炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
製鋼での分塊圧延工程において、ブルーム、スラブ、及びビレット等(以下、これらを総称して鋼片と言う。)は、鋳造により得られた鋳片に熱間圧延を施して製造される。熱間圧延の際、鋳片は圧延可能な温度に加熱される。鋳片を所定の温度に加熱するための炉として、バッチ式加熱炉(均熱炉と呼ばれることもある)や種々の形式の連続式加熱炉が知られている。例えば、バッチ式加熱炉は特許文献1に記載されている。
【0003】
バッチ式加熱炉(以下、加熱炉と略す場合がある。)は、鋳片を収容可能な炉体と、炉体内の雰囲気を加熱するバーナーとを備える。一般に、炉体の上部は開口しており、移動可能なカバーで閉塞されている。カバーの移動により、炉体は開閉される。加熱炉を用いて鋳片を加熱する手順は以下の通りである。まず、カバーを開いた状態で炉体内に複数の鋳片を装入する。その後、カバーを閉じ、バーナーで炉体内の雰囲気を加熱する。これにより、炉体内の鋳片は、圧延可能な温度(例えば、1300℃)まで昇温される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特公昭62-054379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
加熱炉において鋳片の昇温が完了すると、バーナーの出力を下げ、炉体内の鋳片を連続抽出する。鋳片の連続抽出は、以下の手順で行う。まず、加熱炉のカバーを開き、クレーン等を用いて1本の鋳片を搬出する。鋳片が搬出されると、一旦カバーを閉じ、この状態で次の搬出まで待機する。加熱炉から搬出された鋳片は、熱間圧延を実施する圧延機に搬送される。これを繰り返し行い、炉体内の鋳片を全て搬出する。加熱炉から搬出されて圧延機に搬送された鋳片は、都度、圧延機で圧延される。
【0006】
ここで、連続抽出の際、カバーが繰り返し開閉されるため、炉体内の雰囲気温度は次第に低下する。カバーが開いているときに炉体内の熱が炉体外に放出されるからである。鋳片の連続抽出が進行して、炉体内の雰囲気温度が低下すると、それに応じて炉体内の鋳片の温度も低下し、温度低下した鋳片が加熱炉から搬出される。搬出された鋳片は、圧延機に向けて搬送される過程で多少冷え、さらに圧延機による圧延の過程で多少抜熱されて鋼片となる。そのため、鋳片の連続抽出が進行すると、炉体内の鋳片の温度低下に伴って、圧延時の鋳片の温度が圧延可能な温度を下回る場合がある。温度の低い鋳片が圧延されれば、圧延機の許容値を超過する過大な荷重が圧延機に負荷される等の操業トラブルが発生する恐れがある。又は、表面割れ等が発生し、鋼片の品質が低下する恐れがある。
【0007】
従来、このような操業トラブルの発生や鋼片の品質低下を防止するため、連続抽出がある程度進行して、圧延時の鋳片の温度が圧延可能な温度を下回りそうなとき、鋳片の連続抽出を停止して、バーナーで炉体内の雰囲気を再加熱する。この再加熱により、圧延時の鋳片の温度を上昇させるべく、炉体内の鋳片の温度を上昇させる。そして、炉体内の鋳片が十分に昇温した後に、連続抽出を再開する。
【0008】
図1は、鋳片を連続抽出したときの、熱間圧延直後の鋼片の温度推移を示す模式図である。図1において、縦軸は鋼片の表面温度を表し、横軸は連続抽出する鋳片の本数(連続抽出本数)を表す。図1では、再加熱を行わなかった場合の鋼片の温度推移を点線で示し、再加熱を行った場合の鋼片の温度推移を実線で示す。なお、熱間圧延直後の鋼片の表面温度は、圧延時の鋳片の温度に相当する。それらの表面温度推移の傾向は、加熱炉から搬出される鋳片の温度推移の傾向と実質的に一致する。したがって、熱間圧延直後の鋼片の表面温度をもって、加熱炉内の鋳片の温度、及び加熱炉から搬出される鋳片の温度を類推することができる。以下、熱間圧延直後の鋼片の表面温度をもって、鋳片の温度について説明する。
【0009】
図1を参照して、連続抽出本数の増加に伴って鋼片の表面温度(鋳片の温度)が低下する。例えば、再加熱を行わなかった場合、連続抽出する鋳片の本数が12本になったとき、12番目の鋼片の温度は、前述の操業トラブルの発生や鋼片の品質が低下する恐れのある温度(以下、圧延不能温度域とも言う。)付近まで低下する。この状態で連続抽出を続けると、熱間圧延直後の鋼片の温度が圧延不能温度域に達すると予想される。一方、連続抽出の途中で上記の再加熱を行った場合、連続抽出する鋳片の本数が16本になっても、鋼片の温度が圧延不能温度域に達しないことが分かる。
【0010】
しかしながら、連続抽出の途中で上記の再加熱を行った場合、連続抽出を停止した時間の分、連続抽出に要する総時間が増加する。そのため、加熱炉の操業において、連続抽出に要する総時間の延長を抑制して、生産性を確保することが求められている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
製鋼用取鍋精錬炉
1か月前
個人
鋼片の直接通電加熱装置
2か月前
東京窯業株式会社
ガス吹き込みプラグ
2か月前
豊和工業株式会社
チャックボディの焼入れ方法
25日前
株式会社神戸製鋼所
鉄源の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
高炉の操業方法
2か月前
日本製鉄株式会社
鉱石の脱リン方法
1か月前
株式会社ジェイテクト
焼入装置、および焼入方法
18日前
株式会社神戸製鋼所
銑鉄製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
配合計画支援方法
1か月前
合同会社KESS
直接還元鉄の製造設備及び製造方法
25日前
高周波熱錬株式会社
冷却装置
1か月前
株式会社神戸製鋼所
高窒素鋼の精錬方法
1か月前
JFEスチール株式会社
金属精錬における中間排滓方法
3日前
株式会社光栄
低熱膨張合金の製造方法および熱間鍛造部品
28日前
トヨタ自動車株式会社
焼入れ装置
1か月前
日本製鉄株式会社
バッチ式加熱炉の操業方法
25日前
JFEスチール株式会社
方向性電磁鋼帯の製造方法
1か月前
大同プラント工業株式会社
熱処理方法及び熱処理炉
15日前
高周波熱錬株式会社
加熱処理装置
1か月前
セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
19-ノルC3,3-二置換C21-N-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法
1か月前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
日本発條株式会社
コイルばねの製造方法
16日前
株式会社プロテリアル
析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法
1か月前
東京窯業株式会社
環流管と浸漬管との連結方法および連結構造
1か月前
JFEスチール株式会社
高炉操業方法
1か月前
富士電子工業株式会社
ワーク固定治具及びそれを備えた焼き入れ装置
2か月前
JFEスチール株式会社
転炉の操業方法
16日前
JFEスチール株式会社
微粉炭の製造装置及び製造方法
3日前
スチールプランテック株式会社
転炉排ガス処理設備及び転炉排ガス処理方法
2か月前
JFEスチール株式会社
高炉ガス流判定方法、高炉設備、および、高炉操業方法
1か月前
JFEスチール株式会社
転炉型の精錬炉の排滓方法及び転炉の操業方法
2日前
日本製鉄株式会社
電気炉のスラグ流出量推定システム及び電気炉における精錬方法
1か月前
JFEスチール株式会社
還元鉄の製造方法
23日前
株式会社神戸製鋼所
転炉型精錬容器における溶銑の脱Si処理および脱りん処理方法
17日前
続きを見る