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公開番号2024035540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-14
出願番号2022140063
出願日2022-09-02
発明の名称高窒素鋼の精錬方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人安田岡本弁理士法人
主分類C21C 7/00 20060101AFI20240307BHJP(鉄冶金)
要約【課題】RH処理開始前に溶鋼中[N]濃度を十分高めておき、RH処理での減圧処理時に生じる脱窒反応の影響を受けることなく且つ溶鋼に窒化合金を添加することないRH処理条件で行うことで、RH処理後の[N]≧150ppmとすることを可能とする高窒素鋼の精錬方法を提供する。
【解決手段】本発明の高窒素鋼の精錬方法は、転炉から出鋼された溶鋼2に対して、取鍋精練処理とN2ガス環流を実施するRH真空脱ガス処理とを実施する高窒素鋼の精錬方法において、転炉での処理、及び/又は、取鍋精練処理では、N2ガスによる攪拌を実施することで溶鋼2に対して加窒が行われるものであり、RH真空脱ガス処理では、少なくとも「RH真空脱ガス処理前の溶鋼成分値を変数として含む式」から求められた指数Aの値が50以上となる処理条件となっている。
【選択図】図1C
特許請求の範囲【請求項1】
転炉から出鋼された溶鋼に対して、取鍋精練処理とN

ガス環流を実施するRH真空脱ガス処理とを実施する高窒素鋼の精錬方法において、
前記転炉での処理、及び/又は、取鍋精練処理では、N

ガスによる攪拌を実施することで前記溶鋼に対して加窒が行われるものであり、
前記RH真空脱ガス処理では、少なくとも「前記RH真空脱ガス処理前の溶鋼成分値を変数として含む式(1)」から求められた指数Aの値が50以上となる処理条件となっている
ことを特徴とする高窒素鋼の精錬方法。
TIFF
2024035540000011.tif
19
170
ただし、[N]
ini
(ppm):RH処理前の溶鋼中[N]濃度
[N]
e,S
(ppm):真空槽内の溶鋼浴面の平衡[N]濃度
k
r,before
(m/min/%):S添加前の[N]化反応の界面反応速度定数
k
r,after
(m/min/%):S添加後の[N]化反応の界面反応速度定数
t(min):RH処理時間
t
s
(min):S添加の開始時間

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高窒素鋼の精錬方法において、N

ガスを吹き込むことによる溶鋼中[N]濃度を調整する技術に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、溶鋼は転炉などの製鋼炉で脱炭処理が実施され、処理後の溶鋼は二次精錬工程へ搬送される。その二次精錬工程では、溶鋼の真空脱ガス処理などの処理が行われている。真空脱ガス処理(RH処理)では、主に溶鋼の成分調整や溶鋼の脱ガス処理が行われている。それに加えて、RH処理では溶鋼中の窒素濃度([N])の調整が行われる場合がある。
【0003】
さて、溶鋼処理工程では、溶鋼に対して取鍋精練処理~真空脱ガス処理などが実施される。この溶鋼処理工程における溶鋼中[N]濃度の調整は、N

ガスバブリングによる加窒(窒素を加えること)をベースに実施されている。ところが、真空脱ガス工程において脱窒反応が生じる。そのため、従来の技術では、例えば[N]≧150ppmといった高窒素領域にするには、N

ガス環流のみによる調整では困難となっている。なお、[N]≧150ppmに溶鋼中[N]濃度を調整するには、窒化合金添加による補填が必要になるのが一般的である。例えば、特許文献1では、RH真空脱ガス処理における減圧真空度や環流ガス流量(ArもしくはAr+N

)を規定することで、溶鋼中[N]濃度の調整の高精度化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-224461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、「転炉→取鍋精練処理→RH処理」のプロセスで鋼を溶製する場合、脱水素を目的としたRH処理での減圧処理のときに、溶鋼の脱窒反応も同時に起こることがある。このことから、従来技術では、[N]≧150ppmの高窒素領域への溶鋼中[N]濃度の調整は不可能であった。この対応として、[N]の不足分を補う必要があり、高価な窒化合金を用いて添加していた。これにより、溶製に関するコストが嵩んでいた。
【0006】
このようなことより、特許文献1では、真空度や環流ガス条件の調整だけを行っているため、[N]<100ppmの範囲にするにとどまっている。つまり、従来技術では、[N]≧150ppmといった高窒素領域へ上昇させることは困難である。
【0007】
そこで、本発明では、上記問題点に鑑み、RH処理開始前に溶鋼中[N]濃度を十分高めておき、RH処理での減圧処理時に生じる脱窒反応の影響を受けることなく且つ溶鋼に窒化合金を添加することないRH処理条件で行うことで、RH処理後の[N]≧150ppmとすることを可能とする高窒素鋼の精錬方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
【0009】
本発明にかかる高窒素鋼の精錬方法は、転炉から出鋼された溶鋼に対して、取鍋精練処理とN

ガス環流を実施するRH真空脱ガス処理とを実施する高窒素鋼の精錬方法において、前記転炉での処理、及び/又は、取鍋精練処理では、N

ガスによる攪拌を実施することで前記溶鋼に対して加窒が行われるものであり、前記RH真空脱ガス処理では、少なくとも「前記RH真空脱ガス処理前の溶鋼成分値を変数として含む式(1)」から求められた指数Aの値が50以上となる処理条件となっていることを特徴とする。
【0010】
TIFF
2024035540000002.tif
22
170
(【0011】以降は省略されています)

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