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公開番号2024016505
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-07
出願番号2022118672
出願日2022-07-26
発明の名称高純度鋼の溶製方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人
主分類C21C 5/46 20060101AFI20240131BHJP(鉄冶金)
要約【課題】脱硫効率が高く、かつノズル閉塞を防止できる高純度鋼の溶製方法を提供する。
【解決手段】溶鋼を出鋼した後に溶鋼の脱硫精錬を行って、C:0.10質量%以上、Si:0.8~2.0質量%、Al:0.01質量%以上を含有する鋼材を製造するための高純度鋼の溶製方法であって、溶鋼の出鋼中にAlおよびSi合金を投入する際に、Si:60質量%以上、C:15~30質量%、Ca:0.20質量%未満、残部が不純物であるSi合金を、出鋼中において2.0~4.0kg/tの範囲で投入する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶鋼を出鋼した後に溶鋼の脱硫精錬を行って、C:0.10質量%以上、Si:0.8~2.0質量%、Al:0.01質量%以上を含有する鋼材を製造するための高純度鋼の溶製方法であって、
溶鋼の出鋼中にAlおよびSi合金を投入する際に、Si:60質量%以上、C:15~30質量%、Ca:0.20質量%未満、残部が不純物であるSi合金を、出鋼中において2.0~4.0kg/tの範囲で投入することを特徴とする高純度鋼の溶製方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脱硫能の高い高純度鋼の溶製方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、超高張力鋼(超ハイテン)や特殊線材などSi濃度の高い高Si鋼材では、Sの低減など高純度化が求められることが多い。そこで、溶鋼脱硫において高純度化するために、スラグのFeO、MnOのような低級酸化物を低減し、スラグ改質を行うことが脱硫能向上に有効であることが知られている。
【0003】
スラグを改質して脱硫能を向上させる技術として、特許文献1には、出鋼後の取鍋スラグにAl滓とCaCO
3
を投入し、スラグ改質を実施する高清浄度鋼の溶製方法が開示されている。また、特許文献2には、出鋼後の取鍋スラグにAl改質剤を0.3-0.4kg/t投入する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、極低炭・極低硫鋼の溶製方法として、焼石灰とAlを取鍋スラグに上添加し、RH真空脱ガス設備で4000Nl/min以上で環流させスラグ反応を進める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-200317号公報
特開2012-77354号公報
特許第3327062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、CaCO
3
からのCO
2
ガス発生による攪拌を利用しているが、CaCO
3
の分解熱によりスラグが冷却されたり、スラグ中にCaOが増加することによってスラグの融点が上昇したりするため、スラグ流動性を確保しながら添加できるCaCO
3
量には限界がある。さらに、還元剤を取鍋スラグの上面に散布しているだけであり、投入した還元剤は取鍋スラグの内部に十分巻込ませることができない。このため、発生するCO
2
ガスはスラグ層の攪拌に効果的なスラグ層の底部(スラグメタル界面近傍)で必ずしも発生するわけでは無く、スラグ層の攪拌に寄与しないスラグ表面近傍でも発生する。つまり、発生するCO
2
ガス量に対して十分にスラグ層の攪拌に寄与していない。
【0006】
また、特許文献2に記載の方法も、Al改質剤を取鍋スラグの上面に散布しているだけであり、かつガス発生物質を用いてガスによる攪拌を促進させていないことから、スラグ改質効果は不十分である。さらに、特許文献3に記載の方法は、取鍋スラグを揺動させることによりスラグの改質を促進させる技術であるが、RH真空脱ガス設備では取鍋スラグを直接攪拌させることができないため、転炉出鋼や取鍋精錬と比較してスラグ改質効果は小さい。
【0007】
さらに、Si濃度の高い高Si鋼材では、Si濃度を調整するために、溶鋼中にFeSi合金が添加される場合が多い。FeSi合金には不純物としてCaが多く含まれており、溶鋼中にCaが混入すると溶鋼中の酸素と結合し、さらに溶鋼中のAl
2

3
と結合してCaO-Al
2

3
の介在物が形成され、溶鋼中にこの介在物が混入すると、液相を介して介在物が耐火物に付着してタンディッシュなどでノズル閉塞が起こってしまう。
【0008】
本発明は前述の問題点を鑑み、脱硫効率が高く、かつノズル閉塞を防止できる高純度鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、スラグのFeO、MnOのような低級酸化物を低減するスラグ改質剤であって、かつノズル閉塞を防止できるものとして、SiC合金に着目した。SiC合金はFeSi合金に比べて比重が軽いため、スラグ面近傍で溶解しやすく、スラグのFeO、MnOを還元する効果が得られる点に着目した。さらに本発明者らは、SiC合金は、FeSi合金に比べてCa濃度が低いため、FeSi合金のみを添加する場合に比べ、CaO-Al
2

3
の介在物の生成を抑えることができ、ノズル閉塞のリスクを大幅に低減することができることを見出した。
【0010】
本発明は、以下のとおりである。
(1)
溶鋼を出鋼した後に溶鋼の脱硫精錬を行って、C:0.10質量%以上、Si:0.8~2.0質量%、Al:0.01質量%以上を含有する鋼材を製造するための高純度鋼の溶製方法であって、
溶鋼の出鋼中にAlおよびSi合金を投入する際に、Si:60質量%以上、C:15~30質量%、Ca:0.20質量%未満、残部が不純物であるSi合金を、出鋼中において2.0~4.0kg/tの範囲で投入することを特徴とする高純度鋼の溶製方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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