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公開番号2024014725
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2023087624
出願日2023-05-29
発明の名称高炉操業方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21B 5/00 20060101AFI20240125BHJP(鉄冶金)
要約【課題】操業を停止して高炉を休風し、その後再度送風する高炉操業方法において、コークスの燃焼の進行具合を正確に求めて燃焼完了を正確に知ることができ、スムーズで安定した高炉の立ち上げを行うことができる高炉操業方法を提案する。
【解決手段】高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させることで炉内残留物の体積を低減させ、炉内のCO及びCO2のガス組成からバーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断された場合に、炉内残留物の体積が低減した体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させることで炉内残留物の体積を低減させ、炉内のCO及びCO

のガス組成からバーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断された場合に、前記炉内残留物の体積が低減した体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う、高炉操業方法。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
前記炉内のCO及びCO

のガス組成が1%未満となったとき、前記バーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断する、請求項1に記載の高炉操業方法。
【請求項3】
前記バーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断された場合に、さらにバーナを炉内に押し込んで残留コークスを燃焼させることを少なくとも1回行うことで、前記体積減少領域を形成する、請求項1または2に記載の高炉操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、操業を停止して高炉を休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高炉は、送風方向に配置された多数の羽口から吹き込んだ高温空気や酸素と、炉頂から原料とともに装入したコークスとの反応によって生成した高温還元ガスによって、鉄鉱石の昇温、還元、溶解を行い羽口下部に設置した出銑口から溶銑と溶融スラグとを炉外に排出する設備である。高炉の通常操業時においては、炉内の反応熱と羽口からの熱供給がバランスしているため、高炉の安定的な操業が可能である。
【0003】
ここで、高炉の長時間の休風または休止を行う際には、高炉内への熱供給が停止する。一方で、高炉内部の温度と大気の温度差によって放熱が継続するため、炉内の冷却が進行し、一部の溶融物は凝固する。送風を再開する時には、炉内の凝固層を溶解させなければならず、そのためには凝固物が通過するコークス充填層を加熱する必要がある。このため、高炉の長期休風、または再稼働が見込まれる休止時には、炉内のコークス比を上げて休風に入り、送風後に微粉炭の吹込みが開始できるまでの熱補償を行う。それとともに、出銑口上の1~2本の羽口以外を耐火物等により閉塞させ、送風に伴って生成する溶銑滓の量を制限し、少量の溶融物の円滑な排出のサイクルを確立させる。その後、隣接部の羽口を開口し、徐々に開口羽口本数を増やし、通常の操業まで回復させる方法をとる。
【0004】
休風後に高炉を通常の操業まで回復させる方法として、特許文献1には、出銑口からバーナを挿入し、当該バーナから酸素等を吹き込んで出銑口-羽口間のコークスを燃焼させて凝固物の体積を減少させた後に、当該体積減少領域に炉頂より新たなコークスを投入し、羽口から送風することで、高炉を通常の操業まで回復できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6947345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、炉内残存物を極力消費するため、残存コークスの燃焼判断にO

ガスの上昇を用いている。しかしながら、特許文献1には、O

濃度の明確な閾値を設けておらず、また、O

ガスの緩やかな上昇のみでは燃焼の進行具合を正確に判断することができず、残存コークスの燃焼完了を正確に知ることができなかった。そのため、体積減少領域の形成時期および次工程の新たなコークスの装入時期を正確に知ることができず、スムーズな高炉の立ち上げを行うことができなかった。さらに、バーナが燃焼できる残存コークスの範囲は限定的であるため、バーナを何度か炉内に押し込み燃焼領域を拡大させて、体積減少領域を形成する必要がある場合がある。この場合も、残存コークスの燃焼完了を正確に知ることができないため、休風後炉内温度が高い状態での燃焼領域の拡大を遅延させてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、操業を停止して高炉を休風し、その後再度送風する高炉操業方法において、コークスの燃焼の進行具合を正確に求めて燃焼完了を正確に知ることができ、スムーズで安定した高炉の立ち上げを行うことができる高炉操業方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の高炉操業方法は、高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させることで炉内残留物の体積を低減させ、炉内のCO及びCO

のガス組成からバーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断された場合に、前記炉内残留物の体積が低減した体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う、高炉操業方法である。
【0009】
なお、本発明の高炉操業方法においては、
(1)前記炉内のCO及びCO

のガス組成が1%未満となったとき、前記バーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断すること、
(2)前記バーナ近傍のコークスの燃焼が完了したと判断された場合に、さらにバーナを炉内に押し込んで残留コークスを燃焼させることを少なくとも1回行うことで、前記体積減少領域を形成すること、
がそれぞれ好ましい態様となるものと考えられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の高炉操業方法によれば、高炉羽口の直上の原料充填層表面を高炉朝顔部上端よりも減じて休風し、その後再度送風する高炉操業において、コークスの燃焼の進行具合を正確に求めて燃焼完了を正確に知ることができ、コークスを燃焼させた体積減少領域への新たなコークスの装入をスムーズに行うことができるので、安定した立ち上げを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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