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公開番号2024013311
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022115302
出願日2022-07-20
発明の名称高炉操業方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21B 5/00 20060101AFI20240125BHJP(鉄冶金)
要約【課題】操業を停止して高炉を休風し、その後再度送風する高炉操業方法において、コークスを燃焼した体積減少領域へ新たなコークスをスムーズに充填することができ、安定した高炉の立ち上げを行うことができる高炉操業方法を提案する。
【解決手段】高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させ、炉内残留物の体積を低減させるとともに、当該体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う高炉操業方法において、体積減少領域に新たなコークスを装入する前に、新たなコークスの装入の障害になる残留コークス表層を破壊手段によって破壊する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させ、炉内残留物の体積を低減させるとともに、当該体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う高炉操業方法において、前記体積減少領域に新たなコークスを装入する前に、前記新たなコークスの装入の障害になる残留コークス表層を破壊手段によって破壊する、高炉操業方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記破壊は、前記高炉の上部から吊り下げられた破壊手段が、前記残留コークス表層に落下することで行われる、請求項1に記載の高炉操業方法。
【請求項3】
前記破壊は、前記高炉の上部から吊り下げられた破壊手段が、前記残留コークス表層を吊り上げることで行われる、請求項1に記載の高炉操業方法。
【請求項4】
前記破壊手段は、ダミークーリングステーブ(ダミーCS)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、操業を停止して高炉を休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高炉は、送風方向に配置された多数の羽口から吹き込んだ高温空気や酸素と、炉頂から原料とともに装入したコークスとの反応によって生成した高温還元ガスによって、鉄鉱石の昇温、還元、溶解を行い羽口下部に設置した出銑口から溶銑と溶融スラグとを炉外に排出する設備である。高炉の通常操業時においては、炉内の反応熱と羽口からの熱供給がバランスしているため、高炉の安定的な操業が可能である。
【0003】
ここで、高炉の長時間の休風または休止を行う際には、高炉内への熱供給が停止する。一方で、高炉内部の温度と大気の温度差によって放熱が継続するため、炉内の冷却が進行し、一部の溶融物は凝固する。送風を再開する時には、炉内の凝固層を溶解させなければならず、そのためには凝固物が通過するコークス充填層を加熱する必要がある。このため、高炉の長期休風、または再稼働が見込まれる休止時には、炉内のコークス比を上げて休風に入り、送風後に微粉炭の吹込みが開始できるまでの熱補償を行う。それとともに、出銑口上の1~2本の羽口以外を耐火物等により閉塞させ、送風に伴って生成する溶銑滓の量を制限し、少量の溶融物の円滑な排出のサイクルを確立させる。その後、隣接部の羽口を開口し、徐々に開口羽口本数を増やし、通常の操業まで回復させる方法をとる。
【0004】
休風後に高炉を通常の操業まで回復させる方法として、特許文献1には、出銑口からバーナを挿入し、当該バーナから酸素等を吹き込んで出銑口-羽口間のコークスを燃焼させて凝固物の体積を減少させた後に、当該体積減少領域に炉頂より新たなコークスを投入し、羽口から送風することで高炉を通常の操業まで回復できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6947345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、圧力損失を低減しコークス充填層の通気・通液性を確保するには、コークス置換率を0.65以上とすることが望ましいとされている。上記バーナでコークスを燃焼した体積減少領域へ新たなコークスを充填し、通気・通液性を確保する必要がある。しかしながら、特許文献1の手法では、燃焼スペース上部に残留物で皮を張ってしまい、コークスを燃焼した体積減少領域へ新たなコークスを充填することができなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、操業を停止して高炉を休風し、その後再度送風する高炉操業方法において、コークスを燃焼した体積減少領域へ新たなコークスをスムーズに充填することができ、安定した高炉の立ち上げを行うことができる高炉操業方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の高炉操業方法は、前述の課題を解決すべく開発されたものであり、高炉羽口の直上の原料充填層表面の高さを高炉朝顔部上端の高さよりも減じて休風し、その後、再度送風を開始するための高炉操業方法であって、高炉休風後に出銑口から炉内に向けて挿入したバーナより、少なくとも酸素を吹き込み、炉内に残留したコークスを燃焼させ、炉内残留物の体積を低減させるとともに、当該体積減少領域に新たにコークスを装入した後に、羽口から送風を行う高炉操業方法において、前記体積減少領域に新たなコークスを装入する前に、前記新たなコークスの装入の障害になる残留コークス表層を破壊手段によって破壊する、高炉操業方法である。
【0009】
なお、本発明の高炉操業方法においては、
(1)前記破壊は、前記高炉の上部から吊り下げられた破壊手段が、前記残留コークス表層に落下することで行われること、
(2)前記破壊は、前記高炉の上部から吊り下げられた破壊手段が、前記残留コークス表層を吊り上げることで行われること、
(3)前記破壊手段は、ダミークーリングステーブ(ダミーCS)であること、
がそれぞれ好ましい態様となるものと考えられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の高炉操業方法によれば、高炉羽口の直上の原料充填層表面を高炉朝顔部上端よりも減じて休風し、その後再度送風する高炉操業において、コークスを燃焼させた体積減少部に新たなコークスをスムーズに装入できるので、安定した立ち上げを行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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